「世紀末の魔術師」編
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「僕達2人だけだよ」
「なっ…何!?」
「…これ、"蝶ネクタイ型変声機″って言ってね…色々な人の声が出せるんだ」
「お…お前達、一体?」
「江戸川コナン…探偵さ!!」
自信満々にいつもの台詞を言うコナン。そんなコナンの隣で「私は違うけどね…」と、名前は呆れたように呟いた。
card.145
「あなたが寒川さんを殺害したのは、正体がバレそうになったからだ。寒川さんは、人の部屋を訪問してはビデオカメラで撮っていたからね。とっさの事で裏返すのを忘れた写真…それは恋人なんかじゃなく、"グリゴリー・ラスプーチン″の写真だった!…つまり寒川さんにラスプーチンの写真をビデオに撮られたと思ったあなたは、彼を殺害しに行った…」
「ふ…坊やよくわかったねぇ」
青蘭は苦笑しながら肯定する。
そんな中、名前が続いて口を開く。
「乾さんを殺したのは、その銃にサイレンサーをつけているところでも見られたってところかしら?」
「おやおや、まるで見ていたようじゃないか」
「でも…おじさんを狙ったのは、ラスプーチンの悪口を言ったからね!」
--お父さん、ラスプーチンって?--
--い、いや…俺も世紀の大悪党だったということくらいしか…--
「…そして、蘭の命まで狙った!!」
そう言いながらコナンは、ジロリと青蘭を睨みつけた。
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一方、怪盗キッド紛する白鳥は名前とコナンが並んで青蘭の前に姿を見せた辺りでようやく2人に追いついた。
今は、推理を青蘭に聞かせる2人の様子を物陰から窺っている。
(…あの馬鹿!!何でわざわざ銃を向けてる犯人の前に立ってんだ…!?)
白鳥は2人の今の状況を見て驚いて目を見開く。
(くそっ!!名探偵も名探偵だ…名前をあんな所に平気で立たせるんじゃねぇ!)
「…お喋りはそのくらいにしな!可哀相だけどアンタ達には死んでもらうよ!」
青蘭がそう言いながら銃を構え直す。しかしコナンの余裕に満ち溢れた表情は変わらない。
「…その銃、ワルサーPPK/Sだね。マガジンに込められる弾の数は8発…」
「…ん?」
「乾さんと、おっちゃん…蘭に一発ずつ。今ここで5発撃ったから弾はもう残ってないよ…」
「ふ…良い事教えてあげる…あらかじめ銃に弾を装填した状態で8発入りのマガジンをセットすると、"9発"になるのよ!!」
「………。」
名前はその言葉に眉を寄せてコナンを見つめるが、コナンは名前に向けて口元に笑みを浮かべ小さく頷く。
(…何か考えがあるのかしら?)
しかしその僅かな動作は青蘭には見えない。
「じゃあ…撃てよ!」
「ん…!?」
「本当に弾が残ってんのならな…」
----ゴォォォ!!
コナンの言葉を最後に3人の間に数秒の沈黙が流れる。その間にも炎は勢いよく広がっていった。