「世紀末の魔術師」編
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細長い台の上に、コナンがそっとエッグを置く。
すると台に設置されたライトに下から照らされたエッグが、ポゥ…と優しい光を燈し始める。
「エッグの中が透けてきた…」
---キリキリ…
「ネジも巻かないのに、皇帝一家の人形がせり上がっている!!」
「エッグの内部にも光度計が組み込まれているのね」
皇帝一家の人形がせり上がって皇帝の手の中にある本が、パラリと開かれた瞬間にまばゆい光が天井に向かって放たれていく。
「な、何だ!?」
「これは……!」
「凄い…」
一同はエッグからの光が放たれた先にある天井を見上げる。
そこには天井がまるでスクリーンになったかのように、様々なニコライ皇帝一家の写真が映し出されている。
「だから……メモリーズ・エッグだったのね」
「もし皇帝一家が殺害されずに、このエッグを手にしていたら…これほど素晴らしいプレゼントはなかったでしょう…」
皆が写真を見上げる中で、名前もたくさんの皇帝一家の写真を見上げる。
(……これがエッグの正体?キッドは知ってたの?エッグが2つ揃ったら、またエッグの元にキッドが現れると思っていたのに……やっぱりキッドはここに来てないの?)
視線の先にある、写真に写った幸せそうな笑顔とは裏腹に、名前の瞳にはだんだん涙が込み上げて来る。
ふいにコナンが口を開く。
「ねぇ…夏美さん。あの写真…夏美さんのひいおじいさんじゃない?」
「…え?本当だわ!!じゃあ一緒に映ってるのは曾祖母ね!ああ……やっとお顔が見られた…」
コナンは、夏美が嬉しそうに見ている写真をジッと見つめていた。
しばらくすると光はスーッ…と、弱くなり映し出されていた写真は次第に見えなくなる。
セルゲイは光を失ったエッグを抱えて夏美に近づく。
「このエッグは喜市さんの…いえ、日本の偉大なる財産のようだ。ロシアはこの所有権を中のエッグ共々放棄します…あなたが持ってこそ価値があるようです」
「…ありがとうございます。あ!でも中のエッグは鈴木会長の…」
夏美はエッグを受け取りながら、困ったように眉をよせる。
「鈴木会長には私から話してあげましょう…きっと分かってくれますよ」
小五郎はそんな夏美に向かって優しく声をかけた。