「世紀末の魔術師」編
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「私が先導しますので…皆さん気をつけてついてきてください」
刑事である白鳥が懐中電灯を取り出して、一段ずつ階段を降りて行く。
card.138
すると白鳥は数段降りた所で足を止めて、階段のすぐそばに立っていた名前に視線を向ける。
「名前さんは…私のうしろに。決して離れないように」
「え?あ、はい」
名前は白鳥の指示を聞いて不思議に思いながら、言われた通りに白鳥の後に続いて階段へと一歩足を踏み出す。
「………。」
そんな2人の様子を、コナンはジッと見つめていた。
階段の先には、暗く長い通路が続いている。一同は辺りを見渡しながら少しずつ進んでいく。
「それにしても夏美さん…どうしてパスワードが"世紀末の魔術師″だったんでしょう?」
「多分…曾祖父がそう呼ばれていたんだと思います。曾祖父は16歳の時、1900年のパリ万博にからくり人形を出品して、そのままロシアに渡ったと聞いています…」
「なるほど…1900年といえば、まさに世紀末ですな。」
小五郎は納得したように頷きながら、歩みを進めていく。
--カラカラ…
「ん?」
そんな時、ふと聞こえた物音にコナンは脇に見える細道に目を向ける。
「どうしたの?」
「今…かすかに物音が!」
「ス…スコーピオンかっ!?」
「僕見てくるっ!」
乾達が動揺するなか、ダッと一早く駆け出すコナン。
「ちょっ…しん、……コナン君!私も行くわ!」
名前は、そんなコナンの背中を慌てて追って駆け出して行く。
「コナン君…!名前!」
蘭も慌てて後を追おうとするが、白鳥がスッと静止する。
「…蘭さん、私が行きます!毛利さんは皆さんとここに!!」
「わ…分かった!」
白鳥は小五郎に声をかけた後に、2人から少し遅れて暗い細道に駆けていく。
-----タタタタ…
「…ったく、どこまで行ったんだよ」
(名前はともかく、名探偵は小学生のくせに足速すぎだろ…)
白鳥に紛する快斗は、必死に暗い通路を駆けていく。
(名前も名前だっ…無茶ばっかりしやがって。殺人犯に出くわしたらどうすんだ!?白鳥(俺)の側にいろって言ったばっかりじゃねーか)
白鳥は眉を寄せながら、更に走るスピードを速めた。
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残された一同は、何となく無言でコナン達の帰りを待っている。
「大丈夫かしら…」
暗い細道を見つめて夏美が心配そうに呟く。蘭も同じく不安そうにコナン達が消えて行った道を見つめている。
「ん?」
そんな中、列の最後尾にいた乾は自分の後ろにいた人物が、そっと列をはずれて来た道を戻っていくのに気付く。その動きを不審に思い、こっそり後についていく。
乾が角を曲がったところで懐中電灯で通路を照らすと、その光に反応して、バッと自分に向けて銃口を向ける人物。
「あ、あんた…!?」
---ドウッ!
サイレンサー付きの銃から静かに銃弾が放たれ、乾の言葉はそこで途切れた。