「世紀末の魔術師」編
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--ドサドサッ!!
「痛ェな…お前ら!」
「柔らかいお腹ですねえ…」
「怪我しないで済んだわ!」
落下してきた4人のうち、灰原はスタッと危な気なく着地したが、歩美と光彦は元太のお腹の上に落下して衝撃を免れていた。
card.135
灰原は腕時計型のライトをつけて、くるりと辺りを確認する。
「さ、どうする?ここで博士が助けに来てくれるのを待つ?それとも……」
灰原はそこで一度言葉を切って、歩美達の背後に続いている薄暗い道をライトで照らす。
「…先へ進む?」
灰原の言葉に、光彦達は示し合わせたように目を見合わせる。
「そりゃ…」
「もちろん………」
「「「レッツ・ゴォーッ!!」」」
「ふふ…」
灰原はそんな楽しそうな3人の様子を見て、優しく微笑んだ。
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-
「ここは…騎士の間です。西洋の甲冑とタペストリーが飾られております」
その頃、名前達は広い場内を執事の沢部の案内で進んでいく。
「ここは貴婦人の間です。大奥様はよくここで一日中過ごしておられました。この部屋が一番気が休まるとおっしゃられて…」
そんな説明を聞きながら乾は部屋を見渡して、ニヤリと怪しい笑みを浮かべた。
「こちらは皇帝の間でございます…」
「なぁ…ちょっとトイレに行きたいんだが」
次の部屋の案内が始まった時に、乾がふいに口を開く。沢部に口頭でトイレまでの道筋を教えてもらった乾はタタタ…と、小走りで部屋を出ていく。
「……。」
名前はそんな乾の様子に小さく首を傾げた。
「うわぁぁぁ~ッ!!」
乾以外のメンバーで、しばらく皇帝の間を眺めていると、ふいに男の叫び声が聞こえて来る。
「今の声…乾さん?」
名前達は声のした方に駆け出していく。
--バッ!!
白鳥を先頭に叫び声がした貴婦人の間に飛び込んで行くと、そこには乾がたくさんの宝石が入った壁の金庫の中に片手を入れたまま、天井からぶら下がる無数ナイフを避けてしゃがみ込んでいる。その様子を見て、沢部は苦笑しながら乾に近付いていく。
「…81年前に喜市様が作られた防犯装置です。この城には、まだ他にもいくつか仕掛けがありますから…ご注意ください」
そう言いながら、ガチャリと乾の腕に巻き付いた手錠の鍵を外す。白鳥は乾の大きな鞄が目に入り、しゃがみ込んで中身を確認する。
「呆れた…ドライバーに鋸、ピッキングセット。乾さんこんな物を持ってきていたのね」
それを後ろから覗き込み、名前はため息をつきながら呟く。白鳥も名前の言葉に頷きながら苦笑する。
「つまり…抜け駆けは禁止って事ですね。この先の道は、これだけあれば充分でしょう」
そう言って白鳥は乾の鞄から懐中電灯を取り出して、名前に向けて翳しながら微笑んだ。
「痛ェな…お前ら!」
「柔らかいお腹ですねえ…」
「怪我しないで済んだわ!」
落下してきた4人のうち、灰原はスタッと危な気なく着地したが、歩美と光彦は元太のお腹の上に落下して衝撃を免れていた。
card.135
灰原は腕時計型のライトをつけて、くるりと辺りを確認する。
「さ、どうする?ここで博士が助けに来てくれるのを待つ?それとも……」
灰原はそこで一度言葉を切って、歩美達の背後に続いている薄暗い道をライトで照らす。
「…先へ進む?」
灰原の言葉に、光彦達は示し合わせたように目を見合わせる。
「そりゃ…」
「もちろん………」
「「「レッツ・ゴォーッ!!」」」
「ふふ…」
灰原はそんな楽しそうな3人の様子を見て、優しく微笑んだ。
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「ここは…騎士の間です。西洋の甲冑とタペストリーが飾られております」
その頃、名前達は広い場内を執事の沢部の案内で進んでいく。
「ここは貴婦人の間です。大奥様はよくここで一日中過ごしておられました。この部屋が一番気が休まるとおっしゃられて…」
そんな説明を聞きながら乾は部屋を見渡して、ニヤリと怪しい笑みを浮かべた。
「こちらは皇帝の間でございます…」
「なぁ…ちょっとトイレに行きたいんだが」
次の部屋の案内が始まった時に、乾がふいに口を開く。沢部に口頭でトイレまでの道筋を教えてもらった乾はタタタ…と、小走りで部屋を出ていく。
「……。」
名前はそんな乾の様子に小さく首を傾げた。
「うわぁぁぁ~ッ!!」
乾以外のメンバーで、しばらく皇帝の間を眺めていると、ふいに男の叫び声が聞こえて来る。
「今の声…乾さん?」
名前達は声のした方に駆け出していく。
--バッ!!
白鳥を先頭に叫び声がした貴婦人の間に飛び込んで行くと、そこには乾がたくさんの宝石が入った壁の金庫の中に片手を入れたまま、天井からぶら下がる無数ナイフを避けてしゃがみ込んでいる。その様子を見て、沢部は苦笑しながら乾に近付いていく。
「…81年前に喜市様が作られた防犯装置です。この城には、まだ他にもいくつか仕掛けがありますから…ご注意ください」
そう言いながら、ガチャリと乾の腕に巻き付いた手錠の鍵を外す。白鳥は乾の大きな鞄が目に入り、しゃがみ込んで中身を確認する。
「呆れた…ドライバーに鋸、ピッキングセット。乾さんこんな物を持ってきていたのね」
それを後ろから覗き込み、名前はため息をつきながら呟く。白鳥も名前の言葉に頷きながら苦笑する。
「つまり…抜け駆けは禁止って事ですね。この先の道は、これだけあれば充分でしょう」
そう言って白鳥は乾の鞄から懐中電灯を取り出して、名前に向けて翳しながら微笑んだ。