「世紀末の魔術師」編
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「毛利さん…寒川さんの持っていた指輪、本当にマリアのものだったんでしょうか?」
「一応、目暮警部が預かって鑑定に出すって言ってましたけど…」
車で横須賀の城に向かう道中、小五郎達は寒川が持っていた指輪についてセルゲイと話していた。
card.133
「マリアというのは、4人姉妹の中でも一番優しい子で大きな灰色の瞳をしていたそうです…」
(灰色の瞳?夏美さんや青蘭と同じだ…)
コナンはセルゲイの言葉に僅かに目を見開く。
「…ロシア革命の後で、皇帝一家が全員が銃殺されたのはご存じかと思いますが…マリアと皇太子のご遺体だけは確認されてないんだそうです」
「ふーん……」
コナンは、セルゲイの言葉に何かを考えるように小さく相槌をうつ。名前はそんな会話には1度も参加せずに、窓の外を流れる景色を見つめていた。
--横須賀
「おお……」
山道を中腹まで上りきった辺りで、前方に大きなお城が姿を現す。小五郎がその立派な佇まいに小さく声を上げる。名前も小五郎の声につられて、チラリと前方に目を向けた。
(大きなお城……)
「わぁ!本当に綺麗なお城!」
城に到着し、車から降りた蘭は目を輝かせて声をあげる。
「ドイツのイノシュバン・シュタイン城に似てますね…シンデレラ城のモデルルームになったと言われています」
「…白鳥刑事お詳しいんですね」
名前は、そう説明する白鳥の言葉に驚いて目を見開く。
「…いえ、」
白鳥が続けて何かを言おうとしたところに、ブロロロ…と、車のエンジン音が聞こえて来て、2人はくるりと振り返る。
「あら…あの子たち」
名前が小さく呟くと、足元でコナンが「ゲッ!」と、驚いたように声をあげる。
「よぉ!コナン!」
「コナンくーん!!」
そこには見慣れた黄色いビートルが止まっていて、中から歩美達が嬉しそうに降りて来る。
「博士どうしてここに?」
「いや…コナン君から電話をもらってな。ドライブがてら来てみたんじゃよ…」
不思議そうに尋ねる蘭の言葉に笑顔でそう答えてから、阿笠は少ししゃがんでコナンに耳打ちする。
「ほれ…君に言われた通り、バージョンアップしといたぞ!」
「お、サンキュー!」
(…新一ったら、また博士に何か頼んだのね)
名前が呆れたようにそんな姿を見ていると、ふいに足元から声が聞こえて来る。
「すごーい!まるでおとぎの国みたい!!」
「このお城の中に、お宝が隠されているんですね!?」
ワクワクした様子を隠しきれず楽しそうにはしゃぐ光彦達だったが、小五郎は子供達に城の中には絶対に入るなと念を押していた。