「世紀末の魔術師」編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「しかしスコーピオンが犯人だったとして、どうして寒川さんから奪った指輪を西野さんの部屋に隠したんだ?」
「それがさっぱり…」
目暮達が頭を抱えながら話し合う。
(くそっ、弱ったな…この状況で、白鳥刑事の前でうかつに時計型麻酔銃を使うわけには……)
そんな中、コナンは小さくため息をつく。白鳥に疑われているかもしれない今、いつものように麻酔銃を使ったり目立つような行動がとれない。
card.131
「ねぇねぇ…西野さんと寒川さんって知り合いだったんじゃない?昨日、美術館で寒川さんが西野さんの事を見てビックリしてたよ!」
コナンは、疑われないように言葉を選びながら西野に尋ねる。
「え?本当かい?」
「西野さんって、ずっと海外を旅して回ってたんでしょ?きっとどこかで会ってるんだよ!!」
「………。」
(そういえば…美術館でそんな事あったわね)
うーん?と、考え込む西野を見ながら、コナンの言葉を聞いて、名前は美術館で気になった寒川の様子を思い出す。
「あーっ!そういえば、3年前にアジアを旅行した時の事です…あの男、内戦で家を焼かれて泣いている女の子をビデオで撮ってました!…注意してもやめないので、その時に思わず殴ってしまったんです。」
西野が寒川との出会いを思い出し、目暮達にそう説明する。
「じゃあ…寒川さん、西野さんの事恨んでいるね!きっと!!」
「……。」
(なるほどね…)
コナンの言葉を聞いて、名前もコナンが持つ答えにたどり着く。
そしてチラッと蘭に目を向けると、相変わらずコナンに疑惑の目を向けている。しかし、コナンはそんな事には気付かずに言葉を続けようとするため、名前はため息をついてコナンの言葉を遮り口を開く。
「…つまり寒川さんがスコーピオンに殺されていなかったら、西野さんが指輪泥棒にされていたのね」
名前の言葉に、小五郎はようやく事件の真相に気付いたようで、納得したように語り始める。
「そうか!!この事件…2つの事件が重なっていたんですよ!」
(おじさん達も気付いたみたいだし…これでとりあえず大丈夫そうね)
名前は、小五郎が話を始めたのを見て小さく微笑み様子を見守る。
「一つ目は、寒川さんが西野さんを嵌めようとしたものです。彼は西野さんに指輪泥棒の罪を着せるために、わざと皆の前で指輪を見せたあと西野さんがシャワーを浴びている間に部屋に侵入し、自分の指輪をベッドの下に隠したんです!そして、西野さんのボールペンを盗んだ……西野さんに指輪泥棒の罪を着せるために」
その言葉に西野は目を丸くする。
「…ところが、そこで2つ目の事件が起こったんです!そう…寒川さんは、スコーピオンに射殺された。目的は恐らくスコーピオンの正体を示す何かを撮影してしまったビデオテープと指輪。しかし、首からかけてあったはずの指輪が見つからないために、スコーピオンは部屋中を荒らして捜したんです」
「……なるほど」
小五郎の推理に一同は納得する。
コナンは無事に真相が解明されて満足そうに微笑んでいる。名前はそんなコナンにそっと近付いて耳打ちする。
「新一…あなた、今日ちょっと目立ちすぎじゃない?正体バレちゃうわよ」
「名前…さっきは助かった。ありがとな…確かにちょっと気をつけねーと、まずいよな」
コナンの言葉に名前は小さく目を見開く。
「…あら、疑われてるの気付いてたの?」
「ああ…白鳥刑事だろ?ったく…まいったよ」
「え?」
(白鳥刑事…?)
名前は、てっきり蘭の事を言っているのかと思って尋ねたのだが、思いがけない人物の名前が返ってきて目を見開く。
そしてチラッと白鳥に目を向けると、なぜか白鳥とバッチリ目が合ってしまった。白鳥は名前と目が合うとニッコリと微笑んで来たため、名前も困ったように微笑みを返した。