「世紀末の魔術師」編
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「…あ、」
「こ…これは!?」
鏡を通して壁にうつし出されたのは、物語りに出て来そうな美しく立派なお城。
「ど…うして壁に絵が?」
card.121
「魔鏡よ」
名前がポツリと呟く。
「魔鏡…?」
初めて聞く言葉に蘭達は富士山首を傾げる。
「…鏡に特殊な細工がしてあって、昔の日本では隠れキリシタンが壁に映し出された十字架を密かに祈っていたと言われているわ…」
名前の説明に、へぇ…と、感嘆の声を上げる園子。
「沢部さん、このお城…」
「はい!横須賀のお城に間違いありません!」
壁に映し出された城を見た夏美達の会話に、蘭がおずおずと口を開く。
「横須賀…って、あのよくCMとかに使われるお城ですか?」
「はい…あのお城は元々、曾祖父が建てたものなんです」
「じゃ、あれは香坂家のお城だったんだ!」
そんな話をしていると、小五郎がふいに何かを思いついたように口を開く。
「夏美さん…2つのエッグは、もしかしたらあなたのひいおじいさんが作ったものじゃないでしょうか?」
「…!?」
「えっ?」
そんな言葉に部屋にいた一同はピクリと反応する。
「あなたのひいおじいさんは、ロシア革命の後…夫人と共に自分が作った2個のエッグを日本に持ち帰ったんです。そして、横須賀に城を建てこのエッグを城のどこかに隠し、それを魔鏡という形でメッセージを残したんですよ!」
(…確かに筋は通ってるわね)
名前が小五郎の推理に小さく頷く横で、夏美が戸惑いがちに口を開く。
「あの…実は、図面と一緒にこの古い鍵も入ってたんですが…これも何か?」
そう言いながら古い鍵を夏美が取り出して小五郎に見せる。
小五郎は、それこそが2つ目のエッグを隠してある場所の鍵に違いないと話す。
夏美はその話を聞いて、東京に戻った後に一緒に城に来てくれないか…と、小五郎に依頼する。
すると、それまで黙っていた乾やセルゲイ、青蘭、寒川も一緒に行きたいと声をあげる。
夏美はそれを快く了承するが、その様子を見てコナンは眉をよせる。
(何だ…みんな目の色が変わったぞ!?2つ目のエッグも狙うつもりなのか…)
名前もそんな一同の様子に気付いて小さく眉をよせる。
(横須賀のお城か…これ以上、何もおこらないと良いけど)
そして小さくため息をついて、波をきってすすむ窓の外に目を向けた。