「世紀末の魔術師」編
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「おい!どかんかい!右折できひんやろ!!」
「直進車優先やっ!!」
街中が停電したために、信号機も機能せずにあちこちで車が立ち往生して混乱がおきている。
そんな車や人で溢れた車道を、シャーッとコナンがスケボーで進んでいく。
card.114
(奴は本物のエッグを別の場所に移動した情報を手に入れたんだ。その場所を特定するために街中を停電にし、自家発電に切り替えさせた。ホテルや病院以外で明かりがつくであろうその場所を特定するために……ん?)
車道を駆け抜けるコナンが、視界の遥か先の上空に白い影を見つける。
「キッド!…くそっ!」
コナンはキッドに追い付こうと慌てて抜け道に入るが、慣れない土地のためにそこは行き止まりになっていて先に進めない。
「くそっ!行き止まり…」
「乗れ!工藤っ!」
「ーっ!?」
すると、そこにバイクに跨がる平次が到着する。そして、コナンを後ろに乗せるとキッドを追って走り出す。
「なるほど…その明かりがつくんを見渡すのに通天閣は絶好の位置取りだっ!…奴は予告状を出す前から、こうなる事を読んどったちゅうワケか!」
バイクの上で、コナンの推理を聞いて平次は納得したように頷く。
---ブーブーッ
「誰だ…こんな時に!」
コナンは小さく舌打ちしながら、バイブがなり続ける携帯を取り出す。
「誰や?」
平次はハンドルを握り、視線を前に向けたままコナンに尋ねる。
「…名前だ。もしもし?」
『新一!?エッグってまだ美術館にあるの?』
コナンが電話に出た途端に、名前が大声で尋ねる。
『いや、…中森警部がどこか別の場所に移したそうだが……オメー、何で…』
『やっぱり……!』
「おい…?名前!?」
名前はコナンの言葉を遮るように小さく呟くと、そのままブチッと携帯を切ってしまう。
「くそ、あいつ切りやがった!」
「どないしたんや?」
「名前も予告状の暗号と、この停電の目的に気付いたようだ…僅かに息が切れてたし、恐らくあいつもキッドを追ってるんだろう」
「確かに普通に考えたら…あの名前が、自分から事件に首を突っ込むなんて珍しいな」
「………ああ」
コナンと平次は、名前とキッドとの関係は一体何なのか?と、眉をよせる。そんな中、キッドから引き離されそうになった平次はグンッと大きくカーブを曲がる。
平次は視線の先を飛んでいるキッドを確認しながら小さく舌打ちする。
「こら早よ行かな…取られてまうぞ!!」
平次とコナンが焦ったようにキッドの後を追っているのを尻目に、キッドは目的地である雑居ビルに降り立った。