「世紀末の魔術師」編
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--道頓堀
「お腹いっぱーい!」
名前の前を歩く園子がグッ伸びをした後に、満足そうに息をつく。
「何だかんだ…女同士だとたくさん食べちゃうわよね」
「せやな、食後の運動がてらのんびり歩こうか。…名前ちゃん?」
和葉がくるりと振り返って、考え事をしながら下を向いて歩く名前に声をかけた。
card.111
「ああ…ごめん、ちょっと考え事してた」
「もう…もしかして例の彼の事ー?せっかく大阪まで来てるんやから、こういう時は気分転換せなあかんで」
「ふふ…そうだね。ありがと」
名前は和葉達に当たり障りない言葉を返した後、再び思考を予告状の内容に戻しながら、チラリと腕時計に目を向ける。
(…7時15分か、)
--通天閣
月明かりに照らされた通天閣の頂上、ふわりと吹き抜ける風に白い衣が靡く。
(…名前も、この街のどこかにいるんだよな)
遥か眼下に広がる町並みに、怪盗キッドはどこか切な気に目を向ける。
「…ったく、何を考えてるんだろうな…俺は」
(怪盗キッドの時にまで…名前の事を考えちまうなんて……しっかりしねェと)
--笑顔と気品を損なわず…いつ何時たりとも…ポーカーフェイスを忘れるな。--
(そうだろ…親父?)
キッドは再び口元に緩やかな笑みを浮かべて、バサッとマントを靡かせながら両手を広げる。
「Ladies and Gentlemen!!!」
そしてキラキラと輝く夜の街並みに向かって、まるでステージに立つ奇術師のように台詞をつむぐ。
「さあ…ショーの始まりだぜ!!」
不敵な笑みを浮かべながら、キッドは小型リモコンを取り出して「ピッ」っとそのスイッチを押した。