「世紀末の魔術師」編
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「とにかく…エッグの話は後日改めてという事で…」
ヒートアップし始めた会話を、鈴木会長が慣れた様子でサラリと制す。
「ふむ…仕方ない、今日のところは引き上げるとするか」
一同はそれぞれ不満気ではあるものの、特に反論することもなくゾロゾロと社長室から出て行った。
card.105
その時、関係者たちが退室するのと入れ替わるように会長秘書の西野が何か小箱を抱えて入ってくる。
「!?」
部屋を出ようとしていた寒川は、西野の姿を見て驚いたように顔を強張らせ、そそくさと帰って行った。
「……?」
西野はそんな寒川に気づいていないようだったが、それを見ていた名前は寒川の不自然な反応に首を傾げた。
「会長…エッグをお持ちしました」
「ああ、西野君ご苦労さん。そこのテーブルに置いてくれたまえ。…さ、皆さんこちらにどうぞ」
鈴木会長に促され名前達はテーブルの周りに移動する。
「わあ!エッグを実際に見せてもらえるのね」
「見た目は大した物じゃないよ…子供の頃に私が知らないで、玩具にしてたくらいだから」
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「なぁんか思ったよりパッとしないな…」
「ダチョウの卵みたいやね」
園子の言う通り、小箱から取り出されたエッグを見た第一印象は期待を膨らませていたせいか、正直に言うといまいちな反応である。
「会長、これ開くんですよね?」
名前が鈴木会長に尋ねると、会長は笑顔で頷く。
「おお…そうなんだ!中はニコライ皇帝一家の模型でね…全部金で出来てるんだよ」
パカッと開いたエッグの中は、7人の家族が父親の持っている本を笑顔で覗き込んでいる金色に輝く模型があった。
「実は、このエッグには面白い仕掛けがあってね…」
そう言いながら会長がカリカリとエッグのネジを巻いていく。
「あっ…像がせり出してきた!」
金色の像がキリキリと競り上がり父親の像が持っている本がめくれていく。
「まるで本当に生きていて、ページをめくってるみたいだな」
一通りエッグを眺めたところで、鈴木会長がエッグに関する資料を見せてくれる。
「メモリーズ・エッグって言うのはロシア語を英語にした題名なんですね」
名前の言葉を聞いて会長が頷く。
「ロシア語では,ボスポミナーニエ…日本語に訳すと"思い出″だそうだ」
(どうして本を見ているのが"思い出″なのかしら?)
名前はぼんやりと考えていると、向かいに座っている平次がふいに口を開く。
「そーいや、怪盗キッドの予告状なんやけど"光る天の楼閣″…なんで大阪城が光るんや?」
怪盗キッド特別捜査会議では、光る天の楼閣というのは大阪城の事ではないかと考えられていたのだが、平次はあまり納得がいかないようで首を傾げる。
「アホ!大阪城を建てた太閤さんは、大阪の礎を築いて発展させはった大阪の光みたいなもんやん!」
「その通りっ」
和葉の言葉に大声で同意しながら怪盗キッドの担当捜査二課の、茶木警視と中森警部が入って来る。
「怪盗キッドが現れるのは、大阪城の天守閣…しかし"秒針のない時計が12番目の文字を刻む時″…この意味がどうしても分からんのだ!」
その話を聞いて、しばらく考えこんでいた小五郎が、ふといつもの得意げな顔に変わる。
「ふっふふ!わかりましたよ警視…アルファベットの12番目…つまり"L″…3時です!」
「おおっ!さすがですな名探偵…」
小五郎の推理に会長はパッと笑顔を見せながら、小五郎を褒め称える。
「ハーッハハ!!」
「…"L″ね、」
得意げに笑う小五郎の側で、名前は小さく首を傾げた。
ヒートアップし始めた会話を、鈴木会長が慣れた様子でサラリと制す。
「ふむ…仕方ない、今日のところは引き上げるとするか」
一同はそれぞれ不満気ではあるものの、特に反論することもなくゾロゾロと社長室から出て行った。
card.105
その時、関係者たちが退室するのと入れ替わるように会長秘書の西野が何か小箱を抱えて入ってくる。
「!?」
部屋を出ようとしていた寒川は、西野の姿を見て驚いたように顔を強張らせ、そそくさと帰って行った。
「……?」
西野はそんな寒川に気づいていないようだったが、それを見ていた名前は寒川の不自然な反応に首を傾げた。
「会長…エッグをお持ちしました」
「ああ、西野君ご苦労さん。そこのテーブルに置いてくれたまえ。…さ、皆さんこちらにどうぞ」
鈴木会長に促され名前達はテーブルの周りに移動する。
「わあ!エッグを実際に見せてもらえるのね」
「見た目は大した物じゃないよ…子供の頃に私が知らないで、玩具にしてたくらいだから」
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「なぁんか思ったよりパッとしないな…」
「ダチョウの卵みたいやね」
園子の言う通り、小箱から取り出されたエッグを見た第一印象は期待を膨らませていたせいか、正直に言うといまいちな反応である。
「会長、これ開くんですよね?」
名前が鈴木会長に尋ねると、会長は笑顔で頷く。
「おお…そうなんだ!中はニコライ皇帝一家の模型でね…全部金で出来てるんだよ」
パカッと開いたエッグの中は、7人の家族が父親の持っている本を笑顔で覗き込んでいる金色に輝く模型があった。
「実は、このエッグには面白い仕掛けがあってね…」
そう言いながら会長がカリカリとエッグのネジを巻いていく。
「あっ…像がせり出してきた!」
金色の像がキリキリと競り上がり父親の像が持っている本がめくれていく。
「まるで本当に生きていて、ページをめくってるみたいだな」
一通りエッグを眺めたところで、鈴木会長がエッグに関する資料を見せてくれる。
「メモリーズ・エッグって言うのはロシア語を英語にした題名なんですね」
名前の言葉を聞いて会長が頷く。
「ロシア語では,ボスポミナーニエ…日本語に訳すと"思い出″だそうだ」
(どうして本を見ているのが"思い出″なのかしら?)
名前はぼんやりと考えていると、向かいに座っている平次がふいに口を開く。
「そーいや、怪盗キッドの予告状なんやけど"光る天の楼閣″…なんで大阪城が光るんや?」
怪盗キッド特別捜査会議では、光る天の楼閣というのは大阪城の事ではないかと考えられていたのだが、平次はあまり納得がいかないようで首を傾げる。
「アホ!大阪城を建てた太閤さんは、大阪の礎を築いて発展させはった大阪の光みたいなもんやん!」
「その通りっ」
和葉の言葉に大声で同意しながら怪盗キッドの担当捜査二課の、茶木警視と中森警部が入って来る。
「怪盗キッドが現れるのは、大阪城の天守閣…しかし"秒針のない時計が12番目の文字を刻む時″…この意味がどうしても分からんのだ!」
その話を聞いて、しばらく考えこんでいた小五郎が、ふといつもの得意げな顔に変わる。
「ふっふふ!わかりましたよ警視…アルファベットの12番目…つまり"L″…3時です!」
「おおっ!さすがですな名探偵…」
小五郎の推理に会長はパッと笑顔を見せながら、小五郎を褒め称える。
「ハーッハハ!!」
「…"L″ね、」
得意げに笑う小五郎の側で、名前は小さく首を傾げた。