「世紀末の魔術師」編
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園子の案内で社長室に通された一行。
「おお、これは毛利さん!今回はよろしくお願いします」
部屋に入って来た小五郎達に気付くと、園子の父である鈴木史郎が笑顔で声をかけてきた。
「蘭さんに名前さんとコナン君も、遠い所をよく来てくれたね」
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「えーと園子、そちらのお2人は?」
「服部平次君と遠山和葉さんよ、パパ。平次君は西の高校生探偵って呼ばれてて、関西じゃ有名なんだって!」
「それはそれは…頼りにしていますよ」
「おう!…まかしといてや、おっちゃん!」
平次はいつもの調子で笑いながら答える。
「おまえなーっ!鈴木財閥の会長に向かっておっちゃんって……」
「ふふ…まぁまぁ毛利さん、それより先に紹介しましょう」
鈴木会長は笑顔で小五郎を制止した後に、くるりと振り返り室内にいる人物達に目を向ける。
1人目は短髪で鍛えているのか、ガッチリとした体つきの良い男性。
「こちらロシア大使館の一等書記官…セルゲイ・オフチンニコフさん」
「よろしく」
2人目は髭を生やした小柄な中年の男性。
「お隣りが早くも商談でいらした、美術商である乾将一さん…」
「……どうも」
3人目が落ち着いた雰囲気の若く美しい女性。
「彼女は、ロマノフ王朝研究家の浦思青蘭さん。中国の方です」
「ニイハオ」
4人目が長い髪を1つに束ね、カメラを抱えている男性。
「そして、こちらがエッグの取材を申し込んでこられたフリーの映像作家、寒川竜さん…」
「どーも!」
一通りの紹介を聞き終えた小五郎は、ふと思い付いたように口を開く。
「しかし、商談って一体どのくらいの値を…?」
「…8億だよ」
「は…8億!?」
軽い気持ちで尋ねた質問だったが、思いがけない値打ちに驚きの声をあげる小五郎。
「ふっ…譲ってくれるなら、もっと出しても良いさ」
しかし、そんな小五郎をしり目に乾はニヤリと笑ってそう続ける。
「…会長さん!インペリアル・イースター・エッグは、元々ロシアのものです!こんな得体の知れないブローカーに売るくらいなら、ぜひ我がロシアの美術館に寄贈してください!」
「得体の知れないだと!?」
名前はそんな2人の会話に呆れたように目を向ける。
(確かに…いきなり8億も提示出来るなんて、個人の美術商のあの人のどこにそんな元手があるのか知らないけど、普通に考えたら怪しいわよね)
名前がそんな事を考えていると、近くのソファに座ってクックク…と、小さく声をあげるのは映像作家の寒川。
「こりゃ…エッグを撮るより人間を撮る方が面白いかもしれねぇな。あんたも!他人事のような顔してるけど、ロマノフ王朝の研究家ならエッグは喉から手が出るほど欲しいんだろ?」
「……はい、でも私には8億なんてお金とても」
「だよなァ?俺だって必死にかき集めても2億がやっとだ…」
「……。」
(おいおい、キッドだけじゃなくみんなエッグを狙ってるじゃねーか)
エッグの話しになると、途端に顔色を変える一同にコナンは呆れたような目を向けたのだった。