「世紀末の魔術師」編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ねぇ、快斗」
あの変な男に後をつけられた一件以来、すっかり一緒に帰るのが日課になった名前と快斗。
名前は今日も隣を歩く快斗に声をかける。
「どうした?」
「私ね、今度の週末"大阪″に行くの」
「……へえ」
「快斗も行くんじゃない?」
「はは…何でだよ?俺は別に行く用事ねーぞ」
「ふぅん…」
(…快斗からキッドの事…教えてもらうのやっぱり無理なのかしら)
ぼんやりとそんな事を考えている名前を、快斗は横目でチラリと盗み見る。
名前は、僅かに不満気な表情をしているが、それ以上は尋ねてこなかったため快斗は心の中で安堵する。
(週末に…大阪か。名前が来るって事は名探偵も来るんだよな…)
快斗は週末に控えた仕事の事を考えて僅かに気が重くなる。コナン達が来るという事は、やはり今回も一筋縄にはいきそうもない。
card.102
「ほぉ…リムジンか、さすがは鈴木財閥だな」
新幹線で大阪についた小五郎と蘭と名前とコナン。
駅には園子と迎えの車が既に到着していた。大きなリムジンは道行く人達の視線を集めているが、園子は当然のように口を開く。
「今日は憧れのキッド様に会うのよ?これくらいしなくちゃ!」
(憧れのキッド様…ね)
名前は相変わらずのその言葉に苦笑しながら、窓の外を見つめて昨日の帰り道の快斗との会話に思い浮かべる。
(快斗も…もう来てるのかしら)
「…そういえば、名前はどうなったの?噂のクラスメイトの彼」
ふいに隣に座る蘭と園子から、ニヤニヤとした顔で尋ねられて名前は視線を車内に戻す。
(…噂の彼?)
コナンが蘭の言葉にピクリと反応して、探るようにジロリと名前を見ている。名前はそんなコナンの視線を感じて僅かに口ごもる。
「…あー、その話は後で女の子だけの場所で話すわ」
名前は、コナンの視線を無視しながら蘭達にそう告げた。
「それもそうよね…そうそう運転してくれてるのは、パパの秘書の西野さんよ!」
園子は名前の言葉に納得したのか、深くは追求せずに話をガラリと変える。
「よろしく」
爽やかに笑う運転手は、29歳の西野真人だと自己紹介する。
「彼はずっと海外で旅をして回っていて、英語・フランス語・ドイツ語がペラペラなのよ!」
園子の紹介に、名前は凄いわね…と小さく呟いてリムジンを運転する西野の背中を見つめた。