まだ恋ではない夜
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「うん」
思いがけず、トランクスは素直にうなずいた。
「今すぐ付き合えって言ってるわけじゃないよ」
「さっき言ったじゃない」
「立候補しただけ。考えといて」
ずるい。冗談みたいな気楽さで言っておいて、肝心なところではまっすぐだ。
トランクスとは、本当に小さな頃からの付き合いだった。パイが背伸びして大人ぶっていた頃も知っている。
3人で遊んでいた頃も、悟天とトランクスの前で、自分は都会へ出たらすぐ素敵な大人の女になるのだと、偉そうに嘯いていたこともあったっけ。
あと悪知恵を働かせてお金を稼ごうとしたり、雑誌で仕入れた知識で知ったかぶりしたり、ずるくていい格好したがりの私を散々知られている。だからトランクスとの恋愛なんて考えられなかった。
「……そんなこと言ったってさ…お互いもう子供のころから知っている仲じゃない。付き合うとかそういう感じ、今更じゃない?」
「今更じゃないよ。言ったじゃん。俺パイちゃんのこと子どものころから好きだったんだよ」
それは子どもの頃も薄々感じてはいたが、他に選択肢の少なかった頃の刷り込みのようなものだと思ってあまり気にしていなかった。それにトランクスだって高校入ってからは恋愛していたし。子どもの頃の気持ちなど、とっくに過去のものになっていると思っていた。
「トランクス君、知っているでしょ。私だいぶ強欲で、調子いい性格しているんだから」
「知っているよ。そこも好きなんだけどな」
思わず笑いだしてしまう。
「変わった趣味だね」
「そうかな」
トランクスもつられて少し笑う。その笑顔を見ていると、さっきまで胸をふさいでいた重苦しさがちょっとだけ軽くなった気がした。
「パイちゃんさ……彼氏のために一生懸命“普通の女の子”のふりしてたでしょ。そういう猫かぶりなところもかわいいと思っていたよ。そんな風に一生懸命演技してもらえて彼氏羨ましいなと思ってた」
それも知っているのか。まあ、この敷地からいそいそとデートに出かける浮かれた姿は見られていたしな‥‥。
「でもさ…俺相手なら、もう猫かぶりようがないだろ。だから俺にしときなよ」
その言葉を聞いた瞬間、胸の奥で何かがほどけた。
思いがけず、トランクスは素直にうなずいた。
「今すぐ付き合えって言ってるわけじゃないよ」
「さっき言ったじゃない」
「立候補しただけ。考えといて」
ずるい。冗談みたいな気楽さで言っておいて、肝心なところではまっすぐだ。
トランクスとは、本当に小さな頃からの付き合いだった。パイが背伸びして大人ぶっていた頃も知っている。
3人で遊んでいた頃も、悟天とトランクスの前で、自分は都会へ出たらすぐ素敵な大人の女になるのだと、偉そうに嘯いていたこともあったっけ。
あと悪知恵を働かせてお金を稼ごうとしたり、雑誌で仕入れた知識で知ったかぶりしたり、ずるくていい格好したがりの私を散々知られている。だからトランクスとの恋愛なんて考えられなかった。
「……そんなこと言ったってさ…お互いもう子供のころから知っている仲じゃない。付き合うとかそういう感じ、今更じゃない?」
「今更じゃないよ。言ったじゃん。俺パイちゃんのこと子どものころから好きだったんだよ」
それは子どもの頃も薄々感じてはいたが、他に選択肢の少なかった頃の刷り込みのようなものだと思ってあまり気にしていなかった。それにトランクスだって高校入ってからは恋愛していたし。子どもの頃の気持ちなど、とっくに過去のものになっていると思っていた。
「トランクス君、知っているでしょ。私だいぶ強欲で、調子いい性格しているんだから」
「知っているよ。そこも好きなんだけどな」
思わず笑いだしてしまう。
「変わった趣味だね」
「そうかな」
トランクスもつられて少し笑う。その笑顔を見ていると、さっきまで胸をふさいでいた重苦しさがちょっとだけ軽くなった気がした。
「パイちゃんさ……彼氏のために一生懸命“普通の女の子”のふりしてたでしょ。そういう猫かぶりなところもかわいいと思っていたよ。そんな風に一生懸命演技してもらえて彼氏羨ましいなと思ってた」
それも知っているのか。まあ、この敷地からいそいそとデートに出かける浮かれた姿は見られていたしな‥‥。
「でもさ…俺相手なら、もう猫かぶりようがないだろ。だから俺にしときなよ」
その言葉を聞いた瞬間、胸の奥で何かがほどけた。