まだ恋ではない夜
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「俺、パイちゃんがかまってくれなくなって、すごくショックだったんだから。だからまたかまってよ」
「そんなこと言って。トランクス君だって高校生になってからは彼女作ったりして、だいぶ青春を謳歌してたじゃない」
「それはそうだけど」
トランクスは悪びれもせず、こちらを見てまっすぐに伝えてきた。
「でも、パイちゃんのこともずっと好きだよ」
と無邪気に笑う。邪気のない、あまりにもまっすぐな笑顔だった。不意を突かれ、パイの胸が大きく鳴った。
昔は、こんな顔を見ても何とも思わなかったはずなのに。
あの頃は、トランクスの方が小さかった。悟天と一緒に自分の後ろをついてくる、やんちゃな少年の一人でしかなかった。それなのにいつの間にか、自分より少し高い位置から見つめられている。
「俺さ、何人かと付き合ったあと、やっぱりパイちゃんに告白しようかと思ったことあったんだよね。俺も身長伸びて、だいぶ大人になったしさ。パイちゃんがうちの会社に就職してチャンスだと思ったんだ」
そう言って、トランクスは少し肩をすくめる。
「でも、いざ告白しようと思ったら、パイちゃんは彼氏とうまくいってたみたいだし」
それはたぶん、パイが19歳で、トランクスが17歳だった頃だ。
カプセルコーポレーションへ就職して、しばらく経った頃。休日に街を歩いていたら、高校時代の同級生だった彼と偶然再会した。彼も西の都で働いているのだと知り、懐かしい話に花が咲いた。
気がつけば、休日によく会う仲になっていた。告白された時は嬉しかった。寡黙で、けれど言葉を選ぶように誠実に話す彼に、ずっと好感を持っていた。あの頃の楽しさを思い出すと、胸がズキリと痛んだ。
「悟天に、パイちゃんの彼氏ってどんな人か聞いたんだよね」
トランクスの声で、パイは現在へ引き戻される。
「そしたら悟天が、すごくいい奴だって。姉ちゃんも幸せそうだって。それ聞いてさ、まあ、パイちゃんが幸せならしょうがないって身を引いたんだけど」
一度、言葉を切ると、まっすぐにパイを見つめてきた。
「別れたんなら、俺が立候補してもいいよね」
パイは何も言えなかった。トランクスは笑うのをやめて真面目な顔で、じっとこちらを見つめてくる。長いこと黙って見つめられ、パイの頬が熱を持った。
酒のせいだ。そう思おうとした。
「……そんなこと言ったって、別れたばっかりだし……気持ちなんてそんな簡単に切り替えられないわよ」
「そんなこと言って。トランクス君だって高校生になってからは彼女作ったりして、だいぶ青春を謳歌してたじゃない」
「それはそうだけど」
トランクスは悪びれもせず、こちらを見てまっすぐに伝えてきた。
「でも、パイちゃんのこともずっと好きだよ」
と無邪気に笑う。邪気のない、あまりにもまっすぐな笑顔だった。不意を突かれ、パイの胸が大きく鳴った。
昔は、こんな顔を見ても何とも思わなかったはずなのに。
あの頃は、トランクスの方が小さかった。悟天と一緒に自分の後ろをついてくる、やんちゃな少年の一人でしかなかった。それなのにいつの間にか、自分より少し高い位置から見つめられている。
「俺さ、何人かと付き合ったあと、やっぱりパイちゃんに告白しようかと思ったことあったんだよね。俺も身長伸びて、だいぶ大人になったしさ。パイちゃんがうちの会社に就職してチャンスだと思ったんだ」
そう言って、トランクスは少し肩をすくめる。
「でも、いざ告白しようと思ったら、パイちゃんは彼氏とうまくいってたみたいだし」
それはたぶん、パイが19歳で、トランクスが17歳だった頃だ。
カプセルコーポレーションへ就職して、しばらく経った頃。休日に街を歩いていたら、高校時代の同級生だった彼と偶然再会した。彼も西の都で働いているのだと知り、懐かしい話に花が咲いた。
気がつけば、休日によく会う仲になっていた。告白された時は嬉しかった。寡黙で、けれど言葉を選ぶように誠実に話す彼に、ずっと好感を持っていた。あの頃の楽しさを思い出すと、胸がズキリと痛んだ。
「悟天に、パイちゃんの彼氏ってどんな人か聞いたんだよね」
トランクスの声で、パイは現在へ引き戻される。
「そしたら悟天が、すごくいい奴だって。姉ちゃんも幸せそうだって。それ聞いてさ、まあ、パイちゃんが幸せならしょうがないって身を引いたんだけど」
一度、言葉を切ると、まっすぐにパイを見つめてきた。
「別れたんなら、俺が立候補してもいいよね」
パイは何も言えなかった。トランクスは笑うのをやめて真面目な顔で、じっとこちらを見つめてくる。長いこと黙って見つめられ、パイの頬が熱を持った。
酒のせいだ。そう思おうとした。
「……そんなこと言ったって、別れたばっかりだし……気持ちなんてそんな簡単に切り替えられないわよ」