まだ恋ではない夜
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パイは弾かれたように顔を上げた。
「いきなり何言ってんの」
「彼氏と別れたってことでしょ。だったら俺と付き合ってよ。俺強い子好きだよ。それに…知ってるでしょ。俺が子どもの頃、パイちゃんのこと好きだったの」
トランクスは前を向いたまま話す。
「なのにさ、パイちゃんが一気に身長伸びて高校生になってから、急に俺のこと子ども扱いして、相手にしてくれなくなったじゃん」
「あれは……」
「ショックだったなあ。年だって2歳しか違わないのにさ。悟天と3人でいつもいろんな冒険に出かけてたのに、遊んでくれさえしなくなったし」
言われてみれば、その通りだった。
背が伸びて、サタンシティのハイスクールへ通うようになった頃、パイは自分が大人になった気分を味わっていた。長く田舎で育った反動だったのかもしれない。
多くの店が並び、人々が行き交う都会のきらきらした空気に、すっかり夢中になった。学校帰りに寄るアイスクリーム屋。ショーウインドウに飾られたかわいい服。初めてできた、同世代の普通の女の子たち。
恋の話をして、流行の映画を見て、休日に買い物やデートに出かける。それまで山奥で泥だらけになって遊んでいた自分が、急に子どもじみて思えた。
自分がサイヤ人であることも、途方もなく強いことも、おくびにも出さなかった。普通の年頃の女の子として過ごすのが楽しかった。何人かと恋愛もした。
目を輝かせた悟天とトランクスに、『パオズ山にファイヤードラゴンがいるから見に行かないか』『17号の自然保護区へ遊びに行かないか』と誘われても、
『友達と映画を見に行くから』『デートの約束があるから』と断るようになった。
トランクスはそのたびに不満そうな顔をした。
『デートだなんて誰とだよ!』と騒ぐ彼を、パイは『高校生にもなるといろいろあるの』
と大人ぶって冷たくあしらった。
ついこの間まで3人で世界中を飛び回っていたのに。洞窟へ宝探しに行き、無人島で野宿をして、サタンに小遣いをせびりに行ったこともあった。大人に叱られそうなことを思いつくのはたいていパイだった。
しかし、身長が伸びて一気に成長した自分から見ると、2人はとても幼い子どもに思えたのだ。
「いきなり何言ってんの」
「彼氏と別れたってことでしょ。だったら俺と付き合ってよ。俺強い子好きだよ。それに…知ってるでしょ。俺が子どもの頃、パイちゃんのこと好きだったの」
トランクスは前を向いたまま話す。
「なのにさ、パイちゃんが一気に身長伸びて高校生になってから、急に俺のこと子ども扱いして、相手にしてくれなくなったじゃん」
「あれは……」
「ショックだったなあ。年だって2歳しか違わないのにさ。悟天と3人でいつもいろんな冒険に出かけてたのに、遊んでくれさえしなくなったし」
言われてみれば、その通りだった。
背が伸びて、サタンシティのハイスクールへ通うようになった頃、パイは自分が大人になった気分を味わっていた。長く田舎で育った反動だったのかもしれない。
多くの店が並び、人々が行き交う都会のきらきらした空気に、すっかり夢中になった。学校帰りに寄るアイスクリーム屋。ショーウインドウに飾られたかわいい服。初めてできた、同世代の普通の女の子たち。
恋の話をして、流行の映画を見て、休日に買い物やデートに出かける。それまで山奥で泥だらけになって遊んでいた自分が、急に子どもじみて思えた。
自分がサイヤ人であることも、途方もなく強いことも、おくびにも出さなかった。普通の年頃の女の子として過ごすのが楽しかった。何人かと恋愛もした。
目を輝かせた悟天とトランクスに、『パオズ山にファイヤードラゴンがいるから見に行かないか』『17号の自然保護区へ遊びに行かないか』と誘われても、
『友達と映画を見に行くから』『デートの約束があるから』と断るようになった。
トランクスはそのたびに不満そうな顔をした。
『デートだなんて誰とだよ!』と騒ぐ彼を、パイは『高校生にもなるといろいろあるの』
と大人ぶって冷たくあしらった。
ついこの間まで3人で世界中を飛び回っていたのに。洞窟へ宝探しに行き、無人島で野宿をして、サタンに小遣いをせびりに行ったこともあった。大人に叱られそうなことを思いつくのはたいていパイだった。
しかし、身長が伸びて一気に成長した自分から見ると、2人はとても幼い子どもに思えたのだ。