手のひらの温もり
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「……」
「……」
静かだった。
けれどトランクスの心臓だけはまったく穏やかではなかった。こんなの意識するなという方が無理だった。
すると隣からささやくような声が聞こえた。
「あのね……私も今日は私も安心して眠れそう」
確かに……悪夢の恐怖は遠のいている。つないだ手からパイの温もりが伝わってくる……それだけで胸の中の焦燥感はずいぶん薄れていた。
だが……別の問題が発生していた。
「……」
「トランクス?」
「ああ、俺も……」とだけ伝えると、暗闇の中でトランクスは天井を見つめる。
そして心の中だけで盛大にため息をついた。
――いや、安心はできる。できるんだけど。
握った手にわずかに力が入る。
隣からは相変わらずいい匂いがする。
心臓はさっきから落ち着く気配がないし、どう考えても、絶対に……別の意味で寝られそうになかった。
……いや、待てよ。
このまま眠っていいのか?
頭の中でさっきから一つの疑問がぐるぐる回っていた。
これは……もしかして……そういう、お誘いだったのか……?
心臓がどくんと跳ねる。
いや、わからない。恋人同士なら普通なのか。世間ではどうなんだ。修行ばっかりでこんなこと全然学んでこなかった。
(ヤムチャさんがくれた本……)
デートの方法、スマートな振る舞いに、どうやったら相手の心を掴めるか……そういうことは色々書いてあった。
だが――肝心なその先については、まったく何も書いていなかった。
(なんで一番大事なところが載ってないんだ……)
あれでは参考書として欠陥品じゃないか。さんざんヤムチャに感動を伝えて感謝したくせに、今さらそんな理不尽な文句が頭に浮かぶ。
手の先から伝わってくるパイの温もりを感じる。
二人は恋人同士だ。
結婚の約束もしている。
最近になってようやく、手をつないだり、キスをしたりすることも自然になってきた。
それなら……
(次は、その……そういう段階に進むものなのか……?)
ごくり、と喉が鳴る。
「……」
静かだった。
けれどトランクスの心臓だけはまったく穏やかではなかった。こんなの意識するなという方が無理だった。
すると隣からささやくような声が聞こえた。
「あのね……私も今日は私も安心して眠れそう」
確かに……悪夢の恐怖は遠のいている。つないだ手からパイの温もりが伝わってくる……それだけで胸の中の焦燥感はずいぶん薄れていた。
だが……別の問題が発生していた。
「……」
「トランクス?」
「ああ、俺も……」とだけ伝えると、暗闇の中でトランクスは天井を見つめる。
そして心の中だけで盛大にため息をついた。
――いや、安心はできる。できるんだけど。
握った手にわずかに力が入る。
隣からは相変わらずいい匂いがする。
心臓はさっきから落ち着く気配がないし、どう考えても、絶対に……別の意味で寝られそうになかった。
……いや、待てよ。
このまま眠っていいのか?
頭の中でさっきから一つの疑問がぐるぐる回っていた。
これは……もしかして……そういう、お誘いだったのか……?
心臓がどくんと跳ねる。
いや、わからない。恋人同士なら普通なのか。世間ではどうなんだ。修行ばっかりでこんなこと全然学んでこなかった。
(ヤムチャさんがくれた本……)
デートの方法、スマートな振る舞いに、どうやったら相手の心を掴めるか……そういうことは色々書いてあった。
だが――肝心なその先については、まったく何も書いていなかった。
(なんで一番大事なところが載ってないんだ……)
あれでは参考書として欠陥品じゃないか。さんざんヤムチャに感動を伝えて感謝したくせに、今さらそんな理不尽な文句が頭に浮かぶ。
手の先から伝わってくるパイの温もりを感じる。
二人は恋人同士だ。
結婚の約束もしている。
最近になってようやく、手をつないだり、キスをしたりすることも自然になってきた。
それなら……
(次は、その……そういう段階に進むものなのか……?)
ごくり、と喉が鳴る。