家庭の味
主人公の名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
チチは最初、手際よく、淡々と教えてくれた。
悟飯はリビングでパイに絵本の読み聞かせをしている。
「皮はこうやってしばらく寝かせておくだ」
トランクスは真剣そのもので、熱心にメモを取りながら習う。
「肉は塊肉を使って、この中華包丁でしっかり叩いてひき肉にするだ。ひき肉を買って作るより、ぜってえうめえだ」
なるほどそういうコツがあったのか、と感心しながらうなずき、夢中でチチの手元を見つめるトランクス。
そうしているうちに──真面目で丁寧に話を聞いてくれるトランクスの姿勢に興が乗ってきたのか、だんだんチチの口が滑らかになっていく。行き場のない感情を、誰か大人に聞いてもらいたかったのだろう。
小麦粉の生地をこねながら、気がつけばチチの愚痴が止まらなくなっていた。
「悟空さ……やっと働くって約束したのに、あの世にいっちまって!」
どん、と木のまな板に生地を叩きつける。
「そんなに働きたくなかったんだべな!」
トランクスは黙って聞いていた。
チチはいい聞き役を得て、さらに勢いを取り戻していく。
「なあ……サイヤ人ってどうして戦うことばっか頭にあんだ?」
ぎくりとする。自分の中にも確かにある。より強くなりたい……そして強敵と戦いたいという、本能のような衝動。気まずくて、何も答えられない。
チチはトランクスをちらりと見る。
「ほんと悟空さの頭の中は戦いのことばかり! 結婚してからも一銭だって稼がねえで!……最期まで悟空さのやりたいようにやって、勝手にオラを置いて逝っちまった……」
怒りながら話すその言葉とは裏腹に、声音にはどこか愛おしさが滲み、次第に声がしんみりとしていった。……しばらく静かに一緒に作業していると
「なあ、トランクスは守りたいもんがあるから戦うんだべ?」
トランクスは、静かにうなずいた。
「はい」
「なら、ちゃんと帰るだ。帰って、飯食って、笑って、それでやっと戦った意味があるだ」
餃子の包みながら、トランクスは決意を新たにした。
(俺は……帰りたい。帰って……人造人間を倒してパイと共に生きたい)
平和な世界を必ずや取り戻し、そしてこうして――パイと一緒にこの餃子を食べたい。これから先もずっと。
真面目で実直なトランクスの雰囲気を感じ取ると、チチは何か思う所があったのか……急に眼の色を変えて質問を始めた。
「ところで、トランクスさは未来の世界で働いているだべか?」
「はい、世界があんななので……修行ばかりですが、母の手伝いはずっとしています」
「感心だ! サイヤ人も息子の世代になると働くんだべな……酒やタバコ、ギャンブルはするべか?」
「いえ…未来の世界にいた時はまだ未成年だったので。どれもやらないです」
「女癖は悪いだか?…モテるんだべ?」
「……いえ、そんな。世界があんな状況なので女癖もなにも……女性と付き合ったこともありません」
なんだか面接のような様相を呈してきた。これは一体なにを探っているんだ……と、だんだん居心地が悪くなってくる。
「そうかそうか。なあ、そんならパイちゃんを嫁にもらってくれねえか」
「え!」
悟飯はリビングでパイに絵本の読み聞かせをしている。
「皮はこうやってしばらく寝かせておくだ」
トランクスは真剣そのもので、熱心にメモを取りながら習う。
「肉は塊肉を使って、この中華包丁でしっかり叩いてひき肉にするだ。ひき肉を買って作るより、ぜってえうめえだ」
なるほどそういうコツがあったのか、と感心しながらうなずき、夢中でチチの手元を見つめるトランクス。
そうしているうちに──真面目で丁寧に話を聞いてくれるトランクスの姿勢に興が乗ってきたのか、だんだんチチの口が滑らかになっていく。行き場のない感情を、誰か大人に聞いてもらいたかったのだろう。
小麦粉の生地をこねながら、気がつけばチチの愚痴が止まらなくなっていた。
「悟空さ……やっと働くって約束したのに、あの世にいっちまって!」
どん、と木のまな板に生地を叩きつける。
「そんなに働きたくなかったんだべな!」
トランクスは黙って聞いていた。
チチはいい聞き役を得て、さらに勢いを取り戻していく。
「なあ……サイヤ人ってどうして戦うことばっか頭にあんだ?」
ぎくりとする。自分の中にも確かにある。より強くなりたい……そして強敵と戦いたいという、本能のような衝動。気まずくて、何も答えられない。
チチはトランクスをちらりと見る。
「ほんと悟空さの頭の中は戦いのことばかり! 結婚してからも一銭だって稼がねえで!……最期まで悟空さのやりたいようにやって、勝手にオラを置いて逝っちまった……」
怒りながら話すその言葉とは裏腹に、声音にはどこか愛おしさが滲み、次第に声がしんみりとしていった。……しばらく静かに一緒に作業していると
「なあ、トランクスは守りたいもんがあるから戦うんだべ?」
トランクスは、静かにうなずいた。
「はい」
「なら、ちゃんと帰るだ。帰って、飯食って、笑って、それでやっと戦った意味があるだ」
餃子の包みながら、トランクスは決意を新たにした。
(俺は……帰りたい。帰って……人造人間を倒してパイと共に生きたい)
平和な世界を必ずや取り戻し、そしてこうして――パイと一緒にこの餃子を食べたい。これから先もずっと。
真面目で実直なトランクスの雰囲気を感じ取ると、チチは何か思う所があったのか……急に眼の色を変えて質問を始めた。
「ところで、トランクスさは未来の世界で働いているだべか?」
「はい、世界があんななので……修行ばかりですが、母の手伝いはずっとしています」
「感心だ! サイヤ人も息子の世代になると働くんだべな……酒やタバコ、ギャンブルはするべか?」
「いえ…未来の世界にいた時はまだ未成年だったので。どれもやらないです」
「女癖は悪いだか?…モテるんだべ?」
「……いえ、そんな。世界があんな状況なので女癖もなにも……女性と付き合ったこともありません」
なんだか面接のような様相を呈してきた。これは一体なにを探っているんだ……と、だんだん居心地が悪くなってくる。
「そうかそうか。なあ、そんならパイちゃんを嫁にもらってくれねえか」
「え!」