眠れない夜を抱えて
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返事ができないでいると、遠慮がちに扉が少しだけ開いた。
「やっぱり起きてた」
パイが部屋をのぞき込むと、困ったように笑う。
トランクスは思わず視線を逸らした。情けない姿を見られたくなかった。
だがパイは何も言わない。
そのまま静かに部屋へ入ってきて、ベッドの横に腰掛けた。
しばらくの間沈黙が続く。やがてパイが口を開いた。
「寝れないんでしょ」
何でもないことのようにパイは言った。まるで「まだごはん食べてないでしょ」と気軽に話しかけるような。
トランクスはゆっくりと息を整える。
「……俺、何か叫んでた?」
「ううん。声は聞こえなかったけど……気がすごく乱れているのは感じた」
パイは少し目を伏せると、意を決したように続けた。
「私もそうだったから……」
トランクスは思わず顔を上げてパイを見つめる。
「兄ちゃんが死んだ後、ずっと眠れない日が続いてたの。眠っても兄ちゃんが死ぬ夢を見るし、夢の中でどんなにあがいても助けられないし、起きても兄ちゃんはいないし……苦しかった。だから夜が大嫌いだった」
部屋は静まり返っていた。トランクスは何も言えなかった。
パイが悟飯の死後どんなに苦しんでいたかは痛いほど知っていた。だが、悪夢を見ていたことなんて知らなかった。
お互い傷口に触れるのを遠慮し合い、抱えていた苦しみについて話すことさえ、ためらってきたからだ。
「今は大分落ち着いたの……。でも、あの頃の気持ちは忘れてない」
パイはトランクスを見る。
「だから……少しはわかるよ」
その言葉にトランクスの胸の奥で、ずっと固まっていた何かがゆっくりと解けていくようだった。今初めて、パイと話すべきだと強く思った。
外は静寂に包まれた雪の夜。室内は暖房の温かな空気が部屋に満ちていた。
「やっぱり起きてた」
パイが部屋をのぞき込むと、困ったように笑う。
トランクスは思わず視線を逸らした。情けない姿を見られたくなかった。
だがパイは何も言わない。
そのまま静かに部屋へ入ってきて、ベッドの横に腰掛けた。
しばらくの間沈黙が続く。やがてパイが口を開いた。
「寝れないんでしょ」
何でもないことのようにパイは言った。まるで「まだごはん食べてないでしょ」と気軽に話しかけるような。
トランクスはゆっくりと息を整える。
「……俺、何か叫んでた?」
「ううん。声は聞こえなかったけど……気がすごく乱れているのは感じた」
パイは少し目を伏せると、意を決したように続けた。
「私もそうだったから……」
トランクスは思わず顔を上げてパイを見つめる。
「兄ちゃんが死んだ後、ずっと眠れない日が続いてたの。眠っても兄ちゃんが死ぬ夢を見るし、夢の中でどんなにあがいても助けられないし、起きても兄ちゃんはいないし……苦しかった。だから夜が大嫌いだった」
部屋は静まり返っていた。トランクスは何も言えなかった。
パイが悟飯の死後どんなに苦しんでいたかは痛いほど知っていた。だが、悪夢を見ていたことなんて知らなかった。
お互い傷口に触れるのを遠慮し合い、抱えていた苦しみについて話すことさえ、ためらってきたからだ。
「今は大分落ち着いたの……。でも、あの頃の気持ちは忘れてない」
パイはトランクスを見る。
「だから……少しはわかるよ」
その言葉にトランクスの胸の奥で、ずっと固まっていた何かがゆっくりと解けていくようだった。今初めて、パイと話すべきだと強く思った。
外は静寂に包まれた雪の夜。室内は暖房の温かな空気が部屋に満ちていた。