暗転2
主人公の名前設定
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「来るな……!」
思わず叫んでいた。が、その瞬間トランクスの目に映ったのはパイの驚いた顔だった。
「……パイ?」
世界が止まる。荒かった呼吸が、少しずつ現実へ戻っていく。
トランクスは、自分が何をしているのか理解した。金色の光がゆっくり消えていく。
「……っ、ごめん!!」
慌てて手を離して、飛び上がるようにしてパイから離れる。
超サイヤ人も解け、部屋には静寂が戻った。
パイは床に倒れ込んだまま、驚いたように固まってぱちぱちと瞬きをしていた。
それでも、数秒後にはパイはふっと息をつくと、
「……もう。びっくりするじゃない」
少し呆れたように笑うと、そのまま何事もなかったかのように起き上がった。まるで空気を重くしないようにするみたいに。
トランクスは何も言えなかった。喉が、うまく動かない。
「約束の時間すっぽかしたから迎えに来たのに」
立ち上がったパイは、服についた埃を払いながら続ける。
「……悪い」
パイが髪を耳にかけようと腕を上げた瞬間、トランクスの視線が止まる。
さっき掴んだ腕。白い肌に、赤黒い指の跡が浮かんでいた。息が止まる。
「……パイ」
「ん?」
「腕……」
パイは自分の腕を見る。
「あー!」
くっきりと残った痕。それを見ても、彼女は困ったように笑っただけだった。
「ほんとだ。もう、ほんとにバカ力なんだから」
軽く言う。まるでまったく大したことではないみたいに。でも。トランクスの胸の奥には、重たいものが沈んでいく。
あの瞬間、自分は本気で反応していた。敵だと思った。
もしも力加減を誤っていたら……。
もしも気付くのが遅れていたら……。
背筋が凍るような思いがした。
「……」
***
その後、一緒に訪れた市場では、パイはいつも通りだった。というよりも、トランクスを励まそうとしたのか、いつも以上に明るく振る舞っているように感じられた。
それが、余計につらかった。
夕暮れがゆっくり市場を黄金色に染め始めていた。
復興途中の街。
少しずつ灯り始める人々の暮らし。
けれどトランクスの胸には、暗い水のような不安が静かに広がっていく。
(こんな状態で一緒に暮らしたら。もしかして、傷つけるんじゃないか……)
パイは目を輝かせて市場に並ぶ食材や物を眺めていた。
その横顔を見つめながら、トランクスは何も言えなかった。
ただ胸の奥で、言葉にならない恐れだけが静かに形を持ち始めていた。
思わず叫んでいた。が、その瞬間トランクスの目に映ったのはパイの驚いた顔だった。
「……パイ?」
世界が止まる。荒かった呼吸が、少しずつ現実へ戻っていく。
トランクスは、自分が何をしているのか理解した。金色の光がゆっくり消えていく。
「……っ、ごめん!!」
慌てて手を離して、飛び上がるようにしてパイから離れる。
超サイヤ人も解け、部屋には静寂が戻った。
パイは床に倒れ込んだまま、驚いたように固まってぱちぱちと瞬きをしていた。
それでも、数秒後にはパイはふっと息をつくと、
「……もう。びっくりするじゃない」
少し呆れたように笑うと、そのまま何事もなかったかのように起き上がった。まるで空気を重くしないようにするみたいに。
トランクスは何も言えなかった。喉が、うまく動かない。
「約束の時間すっぽかしたから迎えに来たのに」
立ち上がったパイは、服についた埃を払いながら続ける。
「……悪い」
パイが髪を耳にかけようと腕を上げた瞬間、トランクスの視線が止まる。
さっき掴んだ腕。白い肌に、赤黒い指の跡が浮かんでいた。息が止まる。
「……パイ」
「ん?」
「腕……」
パイは自分の腕を見る。
「あー!」
くっきりと残った痕。それを見ても、彼女は困ったように笑っただけだった。
「ほんとだ。もう、ほんとにバカ力なんだから」
軽く言う。まるでまったく大したことではないみたいに。でも。トランクスの胸の奥には、重たいものが沈んでいく。
あの瞬間、自分は本気で反応していた。敵だと思った。
もしも力加減を誤っていたら……。
もしも気付くのが遅れていたら……。
背筋が凍るような思いがした。
「……」
***
その後、一緒に訪れた市場では、パイはいつも通りだった。というよりも、トランクスを励まそうとしたのか、いつも以上に明るく振る舞っているように感じられた。
それが、余計につらかった。
夕暮れがゆっくり市場を黄金色に染め始めていた。
復興途中の街。
少しずつ灯り始める人々の暮らし。
けれどトランクスの胸には、暗い水のような不安が静かに広がっていく。
(こんな状態で一緒に暮らしたら。もしかして、傷つけるんじゃないか……)
パイは目を輝かせて市場に並ぶ食材や物を眺めていた。
その横顔を見つめながら、トランクスは何も言えなかった。
ただ胸の奥で、言葉にならない恐れだけが静かに形を持ち始めていた。