第八章
主人公の名前設定
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「どうした?ずいぶん悩んでいる顔して」
「……何を贈ればいいのかわからなくて…そもそも贈り物なんて困らせるだけかも…と思ってしまって」
ヤムチャは一瞬きょとんとした顔をして、ふっと笑った。
「なんだそれ。ずいぶん初々しい悩みだなあ、トランクス」
トランクスの横に腰を下ろすと
「いいじゃないか。悩むってことは、それだけ真剣ってことだろ」
励ますように肩をポンと叩く
「…その贈りたい相手ってさ…相当大事な人なんだな。そんなに一生懸命に悩まれたら、もらう側はそれだけで十分幸せだよ」
その言葉は、あれこれ思い悩んでぐちゃぐちゃになったトランクスの心をそっとほぐしてくれた。
「で、その幸せな子のどんなところが好きなんだ?」
からかうでもなく、ただ興味深そうに尋ねた。
トランクスは少し考えるようにして、ゆっくりと言葉を探しながら答える。
「真面目で……でも融通がきかなくて……。ひとりでいろんなことを抱え込んで、勝手に思い詰めてばかりいて、正直、時々何を考えてるのかわからなくなります……困った人だと思います。でも、芯が強くて心の中でいつも必死に何かと闘っていて。どこが好きかうまく言えないんですけど、気がつけば彼女のことばかり考えています」
ヤムチャはふっと笑う。
「なるほど。面倒くさくて…でも気になって仕方がないんだな」
トランクスはうなずいた。少し間を置いて、ぽつりと付け足す。
「……はい。俺も彼女も、ずっと一緒に戦ってきました。子どもの頃はもっと無邪気に笑い合えていたのに、周りの人を失い続ける中で……笑うことに理由がいるようになってしまって。でも彼女が笑ってくれると世界がぱっと明るくなるようで……一緒にいると自分がもっと強くなれるような気がするんです」
「ずっと一緒に、か……」
ヤムチャはふっと目を細める。
「……その子って、まさか……パイなのか?」
「えっ……あ、あの……こっちの世界の人たちには言わないでもらっていいですか。いろいろ……違いますし……」
「ああ、言わない言わない」
しっかり頷いてから、少し楽しそうに言う。
「そうかぁ。あの子が…。どんな大人になるんだ? 悟飯や悟空と似たところもあるのか?」
トランクスは少し考えてからゆっくりと続けた。
「2人にも似たところがありますが……どちらかというと、性格や話す感じはチチさんに似てましたね」
「……ああ……」
ヤムチャは何かを察したように、遠い目をする。
「……それ、将来ぜったい尻に敷かれるな」
「えっ」
「いや、悪い意味じゃないぞ。たぶんそれが円満のコツかもな」
トランクスは思わず苦笑した。そして、少しためらうように視線を落とすと、思い切ったように続けた。
「あの…ずっと聞きたかったんですが…なんで俺に良くしてくれるんですか。」
未来の世界でも…ヤムチャは親戚のように温かく優しく接してくれた。一度は自分の本当の父親なんじゃないかと疑ったこともあった。「俺はもう戦力外だよ…」なんて笑いながらも、最期は「こういうのは年功序列だからさ」と悟飯やトランクス、パイを逃がすために勝ち目のない戦いに挑んで散っていった。
そして…この世界でも父のことを教えてくれたり、何かと気にかけてくれている。その気遣いにどれだけ救われたか。だが……セルゲーム前にカプセルコーポレーションで過ごしていた時、クリリンの何気ない会話からかつて父がヤムチャを殺したことがあったと知り、頭を殴られたような強い衝撃を受けた。
(まさか…父さんがそこまで…)
突然の問いかけに驚いたように瞬きをしたヤムチャに向き直ると、トランクスは思い切って胸のうちの疑問を投げかけてみる。
「……俺はあなたにとって……」
言葉を選びながら続ける。
「元恋人と別の男との間にできた子どもで……しかも…その男はかつて自分を殺した奴で……複雑な気持ちにならないのですか」
「…そんなこと思っていたのか。別に理由なんてないさ。仲間じゃないか。……ブルマとも、まあ最後に別れてしばらくは複雑だったけど…もう長い付き合いで家族みたいなもんだからな。殺されたのは……ただ俺が弱かっただけさ」
その言葉に、トランクスは胸の奥が熱くなるのを感じた。
自分はもしパイに選ばれなくて……パイが別の男と結婚して、子どもを持ったら…。こんな風に穏やかに笑えるだろうか…。恨みのあるはずの相手をそんな風に受け流せるだろうか。そんなことは考えたくない気もしたし、今考えても答えはでなかった。
ヤムチャは少し腕を組んで考えるようにして、続けた。
「……贈り物なんだけどさ……好みを知らないって別に悪いことじゃない。平和になってからゆっくり好きなものを一緒に見つけていけばいいんじゃないのか。未来の世界はこれからだろ」
そして、まっすぐトランクスを見る。
「こういうのは相手のことを思って考えるのが、大事だよな」
その瞬間、トランクスの胸にふとひらめくものがあった。
(……そうだ)
トランクスは、はっと顔を上げる。
「ありがとうございます。……いい考えが浮かびました」
深く頭を下げると、そのまま立ち上がり、少し照れたように手を振ってから、デパートの出口へと走り出していった。
ヤムチャはその背中を見送りながら、小さく笑った。
「……まったく。青春だねえ」
(あんな偉そうなこと言ったけど……俺も彼女へのプレゼント、もうちょっとちゃんと選び直そうかな…)
きらびやかな店内のざわめきの中で、静かな温度が残っていた。
「……何を贈ればいいのかわからなくて…そもそも贈り物なんて困らせるだけかも…と思ってしまって」
ヤムチャは一瞬きょとんとした顔をして、ふっと笑った。
「なんだそれ。ずいぶん初々しい悩みだなあ、トランクス」
トランクスの横に腰を下ろすと
「いいじゃないか。悩むってことは、それだけ真剣ってことだろ」
励ますように肩をポンと叩く
「…その贈りたい相手ってさ…相当大事な人なんだな。そんなに一生懸命に悩まれたら、もらう側はそれだけで十分幸せだよ」
その言葉は、あれこれ思い悩んでぐちゃぐちゃになったトランクスの心をそっとほぐしてくれた。
「で、その幸せな子のどんなところが好きなんだ?」
からかうでもなく、ただ興味深そうに尋ねた。
トランクスは少し考えるようにして、ゆっくりと言葉を探しながら答える。
「真面目で……でも融通がきかなくて……。ひとりでいろんなことを抱え込んで、勝手に思い詰めてばかりいて、正直、時々何を考えてるのかわからなくなります……困った人だと思います。でも、芯が強くて心の中でいつも必死に何かと闘っていて。どこが好きかうまく言えないんですけど、気がつけば彼女のことばかり考えています」
ヤムチャはふっと笑う。
「なるほど。面倒くさくて…でも気になって仕方がないんだな」
トランクスはうなずいた。少し間を置いて、ぽつりと付け足す。
「……はい。俺も彼女も、ずっと一緒に戦ってきました。子どもの頃はもっと無邪気に笑い合えていたのに、周りの人を失い続ける中で……笑うことに理由がいるようになってしまって。でも彼女が笑ってくれると世界がぱっと明るくなるようで……一緒にいると自分がもっと強くなれるような気がするんです」
「ずっと一緒に、か……」
ヤムチャはふっと目を細める。
「……その子って、まさか……パイなのか?」
「えっ……あ、あの……こっちの世界の人たちには言わないでもらっていいですか。いろいろ……違いますし……」
「ああ、言わない言わない」
しっかり頷いてから、少し楽しそうに言う。
「そうかぁ。あの子が…。どんな大人になるんだ? 悟飯や悟空と似たところもあるのか?」
トランクスは少し考えてからゆっくりと続けた。
「2人にも似たところがありますが……どちらかというと、性格や話す感じはチチさんに似てましたね」
「……ああ……」
ヤムチャは何かを察したように、遠い目をする。
「……それ、将来ぜったい尻に敷かれるな」
「えっ」
「いや、悪い意味じゃないぞ。たぶんそれが円満のコツかもな」
トランクスは思わず苦笑した。そして、少しためらうように視線を落とすと、思い切ったように続けた。
「あの…ずっと聞きたかったんですが…なんで俺に良くしてくれるんですか。」
未来の世界でも…ヤムチャは親戚のように温かく優しく接してくれた。一度は自分の本当の父親なんじゃないかと疑ったこともあった。「俺はもう戦力外だよ…」なんて笑いながらも、最期は「こういうのは年功序列だからさ」と悟飯やトランクス、パイを逃がすために勝ち目のない戦いに挑んで散っていった。
そして…この世界でも父のことを教えてくれたり、何かと気にかけてくれている。その気遣いにどれだけ救われたか。だが……セルゲーム前にカプセルコーポレーションで過ごしていた時、クリリンの何気ない会話からかつて父がヤムチャを殺したことがあったと知り、頭を殴られたような強い衝撃を受けた。
(まさか…父さんがそこまで…)
突然の問いかけに驚いたように瞬きをしたヤムチャに向き直ると、トランクスは思い切って胸のうちの疑問を投げかけてみる。
「……俺はあなたにとって……」
言葉を選びながら続ける。
「元恋人と別の男との間にできた子どもで……しかも…その男はかつて自分を殺した奴で……複雑な気持ちにならないのですか」
「…そんなこと思っていたのか。別に理由なんてないさ。仲間じゃないか。……ブルマとも、まあ最後に別れてしばらくは複雑だったけど…もう長い付き合いで家族みたいなもんだからな。殺されたのは……ただ俺が弱かっただけさ」
その言葉に、トランクスは胸の奥が熱くなるのを感じた。
自分はもしパイに選ばれなくて……パイが別の男と結婚して、子どもを持ったら…。こんな風に穏やかに笑えるだろうか…。恨みのあるはずの相手をそんな風に受け流せるだろうか。そんなことは考えたくない気もしたし、今考えても答えはでなかった。
ヤムチャは少し腕を組んで考えるようにして、続けた。
「……贈り物なんだけどさ……好みを知らないって別に悪いことじゃない。平和になってからゆっくり好きなものを一緒に見つけていけばいいんじゃないのか。未来の世界はこれからだろ」
そして、まっすぐトランクスを見る。
「こういうのは相手のことを思って考えるのが、大事だよな」
その瞬間、トランクスの胸にふとひらめくものがあった。
(……そうだ)
トランクスは、はっと顔を上げる。
「ありがとうございます。……いい考えが浮かびました」
深く頭を下げると、そのまま立ち上がり、少し照れたように手を振ってから、デパートの出口へと走り出していった。
ヤムチャはその背中を見送りながら、小さく笑った。
「……まったく。青春だねえ」
(あんな偉そうなこと言ったけど……俺も彼女へのプレゼント、もうちょっとちゃんと選び直そうかな…)
きらびやかな店内のざわめきの中で、静かな温度が残っていた。