第六章
主人公の名前設定
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翌日。
壊滅状態の西の都の一角に残された病院、その一室。
包帯に覆われたトランクスはベッドに横たわっていた。無理を押して戦い続けた傷は深く、全治二週間と診断された。ベッドの傍らに座ったパイは俯いたまま声を落とした。
「……ごめん。私が手間取ったから……それに、最後のひとつも押せなくて……」
トランクスは首を横に振り、弱々しくも笑った。
「2つは押せたじゃないか。これであと1つだ。それに……こんなの、すぐ治るよ」
「……ブルマさんが言ってた。3つ目が効くはずだって。人造人間の仕組みからするとそれ以外考えられないって……。でも……もし効かなかったら、もうお手上げだって」
パイの瞳には不安が揺れていた。トランクスは彼女を見つめながら、はっきりと言葉を返した。
「考えても仕方ないさ。最後のひとつをやるだけだ。……もしだめでも、俺が過去に行って戦い方を学んで来てみせる。往復のエネルギーが貯まるのはもうすぐだ」
トランクスの声音には、不思議な力があった。ただ前を見据えるその真剣な眼差しに、パイは心が奪われる。
「……そうだね」
パイはトランクスと目を合わせると、しっかりとうなずいた。
トランクスに勇気をもらったせいか、その声には力がこもっていた。
「……じゃあトランクス。早くよくなってね。包帯変えるからちょっと待ってて」
そう言って病室を出ると、数分後、パイは熱いお湯を張ったたらいとタオル、新しい包帯、消毒液を抱えて戻ってきた。壊滅状態の西の都では医師や看護師の手は常に足りておらず、最低限の処置をした後の患者の世話は付き添いの者に任されることがほとんどだった。
ベッドの横にたらいを置くと、パイはトランクスのパジャマのシャツを手際よく脱がせた。そっと丁寧に包帯を解くと、タオルをお湯に浸す。
温かいタオルが傷だらけの肌をそっとなぞる。多少傷口に染みるが、浴びられなかったシャワーの代わりに全身を拭かれる感触は心地よい。
しかし、
(……近い……近すぎる)
タオルを動かすたび、彼女の体温が近づいてきてトランクスはすっかり落ち着かなくなっていった。素肌をパイの指先が触れる感触にも、顔が赤くなる。
しかも、その日に限ってパイはいつものゆったりした服ではなく、体の線が見える装いをしていた。黒の長袖のTシャツは胸元が空いていて、ついつい胸元の谷間に目が行ってしまう。このままではまずいと無理やり視線を逸らすと、彼女の髪からもいい匂いがして、トランクスをさらにドキマギさせる。
体を拭くのに集中しているパイは、体が触れそうなほどトランクスの体に近いことに無頓着だ。
(……まずい、変なこと考えるな)
なんとか平静を装おうとするも、成功しているかは疑問だった。だが真剣に看病しているパイはそんなトランクスの動揺に気づかない。
「ほら、じっとして」
とトランクスの上半身を拭き終えたパイは、包帯を巻き直すと、パジャマを再び着せてくれた。終わった、と安堵したのも束の間――。
「じゃあ、次は足ね」
と今度はパジャマのズボンに手をかけようとする。
「いや、あとはいいよ! 母さんにやってもらうから」
これ以上はまずいと慌てて制すると、彼女は眉をひそめて睨んだ。
「何言ってるの。ブルマさんは今日は来られないんだから。包帯を変えて清潔にしないと早くよくならないでしょ」
「で、でも……!」
押し問答になる。
トランクスは顔を赤くしながら、視線を逸らして小さな声で絞り出すように言った。
「……恥ずかしいから」
パイは一瞬、きょとんとした顔をしてからくすっと笑った。
「……なにそれ。今さら恥ずかしいもないでしょ」
そして、彼女は再びタオルをお湯に浸して絞ると、悪戯っぽく目を細めた。
「じっとしてて。……ほら、逃げられないよ」
そう言ってじりじり寄って来るパイに、トランクスの鼓動はまた一段と速まり、体は固まってしまった。
壊滅状態の西の都の一角に残された病院、その一室。
包帯に覆われたトランクスはベッドに横たわっていた。無理を押して戦い続けた傷は深く、全治二週間と診断された。ベッドの傍らに座ったパイは俯いたまま声を落とした。
「……ごめん。私が手間取ったから……それに、最後のひとつも押せなくて……」
トランクスは首を横に振り、弱々しくも笑った。
「2つは押せたじゃないか。これであと1つだ。それに……こんなの、すぐ治るよ」
「……ブルマさんが言ってた。3つ目が効くはずだって。人造人間の仕組みからするとそれ以外考えられないって……。でも……もし効かなかったら、もうお手上げだって」
パイの瞳には不安が揺れていた。トランクスは彼女を見つめながら、はっきりと言葉を返した。
「考えても仕方ないさ。最後のひとつをやるだけだ。……もしだめでも、俺が過去に行って戦い方を学んで来てみせる。往復のエネルギーが貯まるのはもうすぐだ」
トランクスの声音には、不思議な力があった。ただ前を見据えるその真剣な眼差しに、パイは心が奪われる。
「……そうだね」
パイはトランクスと目を合わせると、しっかりとうなずいた。
トランクスに勇気をもらったせいか、その声には力がこもっていた。
「……じゃあトランクス。早くよくなってね。包帯変えるからちょっと待ってて」
そう言って病室を出ると、数分後、パイは熱いお湯を張ったたらいとタオル、新しい包帯、消毒液を抱えて戻ってきた。壊滅状態の西の都では医師や看護師の手は常に足りておらず、最低限の処置をした後の患者の世話は付き添いの者に任されることがほとんどだった。
ベッドの横にたらいを置くと、パイはトランクスのパジャマのシャツを手際よく脱がせた。そっと丁寧に包帯を解くと、タオルをお湯に浸す。
温かいタオルが傷だらけの肌をそっとなぞる。多少傷口に染みるが、浴びられなかったシャワーの代わりに全身を拭かれる感触は心地よい。
しかし、
(……近い……近すぎる)
タオルを動かすたび、彼女の体温が近づいてきてトランクスはすっかり落ち着かなくなっていった。素肌をパイの指先が触れる感触にも、顔が赤くなる。
しかも、その日に限ってパイはいつものゆったりした服ではなく、体の線が見える装いをしていた。黒の長袖のTシャツは胸元が空いていて、ついつい胸元の谷間に目が行ってしまう。このままではまずいと無理やり視線を逸らすと、彼女の髪からもいい匂いがして、トランクスをさらにドキマギさせる。
体を拭くのに集中しているパイは、体が触れそうなほどトランクスの体に近いことに無頓着だ。
(……まずい、変なこと考えるな)
なんとか平静を装おうとするも、成功しているかは疑問だった。だが真剣に看病しているパイはそんなトランクスの動揺に気づかない。
「ほら、じっとして」
とトランクスの上半身を拭き終えたパイは、包帯を巻き直すと、パジャマを再び着せてくれた。終わった、と安堵したのも束の間――。
「じゃあ、次は足ね」
と今度はパジャマのズボンに手をかけようとする。
「いや、あとはいいよ! 母さんにやってもらうから」
これ以上はまずいと慌てて制すると、彼女は眉をひそめて睨んだ。
「何言ってるの。ブルマさんは今日は来られないんだから。包帯を変えて清潔にしないと早くよくならないでしょ」
「で、でも……!」
押し問答になる。
トランクスは顔を赤くしながら、視線を逸らして小さな声で絞り出すように言った。
「……恥ずかしいから」
パイは一瞬、きょとんとした顔をしてからくすっと笑った。
「……なにそれ。今さら恥ずかしいもないでしょ」
そして、彼女は再びタオルをお湯に浸して絞ると、悪戯っぽく目を細めた。
「じっとしてて。……ほら、逃げられないよ」
そう言ってじりじり寄って来るパイに、トランクスの鼓動はまた一段と速まり、体は固まってしまった。