第一章
主人公の名前設定
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自宅に戻ったトランクスは、着ていた服を脱ぎ捨てシャワーを浴びる。
熱い湯が全身を流れていく――。汗と土、そしてやるせない気持ちも一緒に洗い流してくれることを願っていた。
湯気の立ちこめる浴室の中、ふと3年前のあの光景が脳裏に蘇る。
髪を洗う手が止まり、無意識に目を閉じた。
──気づいたときには、すべてが終わっていた。
慌てて駆け付けた先で見たものは瓦礫に沈む街と、力なく横たわる悟飯さんの姿、そして
その横で声もなく泣き崩れていたパイの背中だった。肩を震わせ、何度も「お兄ちゃん」と呼びかけていた彼女の姿が、焼きついたまま消えない。
何もできなかった。
強くて憧れだったあの悟飯さんが力なくただ横たわっている姿に、死というものの残酷さを実感して強い衝撃を受けた。
パイに寄り添うことも、声をかけることもできなかった。抱きしめる腕も、なぐさめる言葉も、自分には何ひとつなかった。
シャワーを止め、体を拭いて部屋着に着替えたトランクスは、鏡の中の自分を静かに見つめた。
「強くなりたい」とずっと思っていた。でも、あの日からは「ならなきゃ」に変わった。
もう誰にも泣いてほしくなかった。
パイも、きっと同じ…それ以上の痛みを抱えている。パイの力では人造人間には勝てないだろう。それでも修行を続ける彼女の背中が、今のトランクスを突き動かしている。
拳を強く握る。胸の奥からこみ上げる焦燥と、湧きあがる決意。
(あの時の自分じゃなくて、あるいは今の自分なら…)
静かな決意が、夜の静寂に溶けていった。
*****
――翌朝。
トランクスは研究所の奥で、母ブルマに呼ばれて足を止めた。
「ねえねえ、ついにタイムマシン往復分のエネルギーがチャージできたわよ!! チャージするだけで8か月もかかってたんじゃテストもできないわね。ちゃんといって帰ってこれると思うんだけど。研究所さえこわれなかったらもっと完璧なものがつくれてたはずなんだけどな……」
目の前に佇むのは、長い時間をかけて準備してきた、未来を変えるための装置。
けれど、トランクスはタイムマシンを見つめながらも、その視線の奥には静かな決意が滲んでいた。
「……オレ今の実力ならたぶん人造人間を倒せると思う……。わざわざ過去に行って研究してこなくても……」
自分の拳を握りしめる。パイを、母さんを、もう誰も失いたくない。
しかし、母はトランクスの焦燥感を見抜いていた。
「あんた甘いわよ。たしかにものすごく強くなったけど、3年前に悟飯くんが殺されたこと忘れたわけじゃないでしょ?あのときの悟飯君と今のあんた、そんなにすごく違っているとは思えないわ……」
突き刺さるような現実だった。
……けれど、もう逃げたくなかった。
「母さんはっきり言って今度はオレ自信があるんだ!!」
叫ぶように言い切ったとき、自分の中の「弱さ」に火をつけた気がした。
これは無謀な戦いじゃない、自分の手で、未来を取り戻すための戦いだ。
心が、怒りに、焦燥に、決意に、ぐらぐらと燃え上がる。
そこへ突然、ラジオの無機質な声が響いた。
―番組の途中ですが、人造人間情報をお伝えします。現在襲われているのは西の都の南方300キロメートルの……
「すぐ近くだ…」
息を呑むブルマの横で、トランクスの目が鋭くなる。
「ちょ…ちょっとトランクスあんたまさか……」
「オレいってくる。絶対倒してみせるよ!!」
母の制止も聞かず、ぐらぐらと煮えたぎる心のままに、足は動き出していた。
「ちょっと!!トランクス、待ちなさい!!」
「殺されたみんなの仇を今日こそ討ってやる!!まっていろよ人造人間……!!!」
あのとき、泣き崩れるパイに手を差し伸べられなかった自分。
あのとき、悟飯さんの命を救えなかった自分。
そんな自分に、今別れを告げる時だ。
トランクスは空へと飛び立った。
熱い湯が全身を流れていく――。汗と土、そしてやるせない気持ちも一緒に洗い流してくれることを願っていた。
湯気の立ちこめる浴室の中、ふと3年前のあの光景が脳裏に蘇る。
髪を洗う手が止まり、無意識に目を閉じた。
──気づいたときには、すべてが終わっていた。
慌てて駆け付けた先で見たものは瓦礫に沈む街と、力なく横たわる悟飯さんの姿、そして
その横で声もなく泣き崩れていたパイの背中だった。肩を震わせ、何度も「お兄ちゃん」と呼びかけていた彼女の姿が、焼きついたまま消えない。
何もできなかった。
強くて憧れだったあの悟飯さんが力なくただ横たわっている姿に、死というものの残酷さを実感して強い衝撃を受けた。
パイに寄り添うことも、声をかけることもできなかった。抱きしめる腕も、なぐさめる言葉も、自分には何ひとつなかった。
シャワーを止め、体を拭いて部屋着に着替えたトランクスは、鏡の中の自分を静かに見つめた。
「強くなりたい」とずっと思っていた。でも、あの日からは「ならなきゃ」に変わった。
もう誰にも泣いてほしくなかった。
パイも、きっと同じ…それ以上の痛みを抱えている。パイの力では人造人間には勝てないだろう。それでも修行を続ける彼女の背中が、今のトランクスを突き動かしている。
拳を強く握る。胸の奥からこみ上げる焦燥と、湧きあがる決意。
(あの時の自分じゃなくて、あるいは今の自分なら…)
静かな決意が、夜の静寂に溶けていった。
*****
――翌朝。
トランクスは研究所の奥で、母ブルマに呼ばれて足を止めた。
「ねえねえ、ついにタイムマシン往復分のエネルギーがチャージできたわよ!! チャージするだけで8か月もかかってたんじゃテストもできないわね。ちゃんといって帰ってこれると思うんだけど。研究所さえこわれなかったらもっと完璧なものがつくれてたはずなんだけどな……」
目の前に佇むのは、長い時間をかけて準備してきた、未来を変えるための装置。
けれど、トランクスはタイムマシンを見つめながらも、その視線の奥には静かな決意が滲んでいた。
「……オレ今の実力ならたぶん人造人間を倒せると思う……。わざわざ過去に行って研究してこなくても……」
自分の拳を握りしめる。パイを、母さんを、もう誰も失いたくない。
しかし、母はトランクスの焦燥感を見抜いていた。
「あんた甘いわよ。たしかにものすごく強くなったけど、3年前に悟飯くんが殺されたこと忘れたわけじゃないでしょ?あのときの悟飯君と今のあんた、そんなにすごく違っているとは思えないわ……」
突き刺さるような現実だった。
……けれど、もう逃げたくなかった。
「母さんはっきり言って今度はオレ自信があるんだ!!」
叫ぶように言い切ったとき、自分の中の「弱さ」に火をつけた気がした。
これは無謀な戦いじゃない、自分の手で、未来を取り戻すための戦いだ。
心が、怒りに、焦燥に、決意に、ぐらぐらと燃え上がる。
そこへ突然、ラジオの無機質な声が響いた。
―番組の途中ですが、人造人間情報をお伝えします。現在襲われているのは西の都の南方300キロメートルの……
「すぐ近くだ…」
息を呑むブルマの横で、トランクスの目が鋭くなる。
「ちょ…ちょっとトランクスあんたまさか……」
「オレいってくる。絶対倒してみせるよ!!」
母の制止も聞かず、ぐらぐらと煮えたぎる心のままに、足は動き出していた。
「ちょっと!!トランクス、待ちなさい!!」
「殺されたみんなの仇を今日こそ討ってやる!!まっていろよ人造人間……!!!」
あのとき、泣き崩れるパイに手を差し伸べられなかった自分。
あのとき、悟飯さんの命を救えなかった自分。
そんな自分に、今別れを告げる時だ。
トランクスは空へと飛び立った。