第一章
主人公の名前設定
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空を飛びながら、家路につく。
けれど、頭の中はぐるぐると、まとまりのない思考で埋め尽くされていた。
最近、トランクスとの距離感がうまくつかめない。
彼と初めて出会ったのは、まだ私が十二歳のとき。兄の悟飯が「一緒に修行する子がいる」と連れてきたのが、十歳のトランクスだった。
突然の“弟弟子”の登場は、ちっとも嬉しくなかった。
兄が「俺より才能がある」と目を輝かせて語る姿に嫉妬したし、大好きな兄を取られたような気がして、胸の奥がチクリとした。
けれど、一緒に修行を重ねていくうちに、そんな感情は自然と消えていった。
トランクスは、私にとって初めての“友達”だった。
サイヤ人の血を引く私たちにとって、お互いは唯一無二の存在。誰よりも力を理解し、誰よりも痛みを知る、かけがえのない仲間になった。
修行のあとは、焚火を囲んで語り合う時間が好きだった。
トランクスはよく「世界が平和になったら冒険に出たい」と語った。母親のブルマから、若いころの悟空との旅の話を聞いて育ったらしい。ブルマと悟空の旅――聞くだけで胸が躍った。私も、まだ見ぬ世界をこの目で見てみたいと思った。
「いつか、世界中を冒険したい」
それは、やがて私たち二人の“合言葉”になった。
過酷な現実の中で、厳しい修行の合間に交わした小さな夢。
それは、ささやかだけれど確かな希望だった。
そのふたりの姿を、兄はいつも優しく見守ってくれていた。
あのころは……本当に、よかった。
でも――悟飯がいなくなってから、私たちの関係はどこかぎこちなくなっていった。
トランクスからの好意には気づいている。
だけど私は、兄が死んだ日から、心のどこかにぽっかりと穴が開いたままだ。
あのとき、感情の一部が止まってしまったように感じている。
トランクスの気持ちを受け入れることも、はっきり拒絶することもできないまま、私は距離を保ち続けてきた。
無邪気に一緒に夢を語っていたあの頃が、懐かしくて、切ない。
今では、隣にいてもどこか遠く感じる。
でも――きっと、誰もがいつまでも子どものままではいられない。
それが、大人になるということなのだろう。
もう戻れない時間を思うと、胸の奥に鈍い痛みが広がった。
パオズ山の自宅にたどり着いた頃には、辺りは薄紫色の夕闇に包まれていた。
ほっとするはずの家は、どこか切ない。
ここで一緒に暮らしていた大切な人たちはみんな、人造人間の手によって奪われていった。
自分の弱さが、許せなかった。
もっと強かったら――兄は死なずに済んだのに。
そう思うと、苦しくてたまらない。
私の力では人造人間を倒せない。
できることは、ただ一つ。
力を持つトランクスの修行を支えることだけ。
その役目だけを心の支えに、使命のようにして、私はどうにか毎日をやり過ごしていた。
あのころ夢見た未来は、もう私の目には映らない。
けれど、頭の中はぐるぐると、まとまりのない思考で埋め尽くされていた。
最近、トランクスとの距離感がうまくつかめない。
彼と初めて出会ったのは、まだ私が十二歳のとき。兄の悟飯が「一緒に修行する子がいる」と連れてきたのが、十歳のトランクスだった。
突然の“弟弟子”の登場は、ちっとも嬉しくなかった。
兄が「俺より才能がある」と目を輝かせて語る姿に嫉妬したし、大好きな兄を取られたような気がして、胸の奥がチクリとした。
けれど、一緒に修行を重ねていくうちに、そんな感情は自然と消えていった。
トランクスは、私にとって初めての“友達”だった。
サイヤ人の血を引く私たちにとって、お互いは唯一無二の存在。誰よりも力を理解し、誰よりも痛みを知る、かけがえのない仲間になった。
修行のあとは、焚火を囲んで語り合う時間が好きだった。
トランクスはよく「世界が平和になったら冒険に出たい」と語った。母親のブルマから、若いころの悟空との旅の話を聞いて育ったらしい。ブルマと悟空の旅――聞くだけで胸が躍った。私も、まだ見ぬ世界をこの目で見てみたいと思った。
「いつか、世界中を冒険したい」
それは、やがて私たち二人の“合言葉”になった。
過酷な現実の中で、厳しい修行の合間に交わした小さな夢。
それは、ささやかだけれど確かな希望だった。
そのふたりの姿を、兄はいつも優しく見守ってくれていた。
あのころは……本当に、よかった。
でも――悟飯がいなくなってから、私たちの関係はどこかぎこちなくなっていった。
トランクスからの好意には気づいている。
だけど私は、兄が死んだ日から、心のどこかにぽっかりと穴が開いたままだ。
あのとき、感情の一部が止まってしまったように感じている。
トランクスの気持ちを受け入れることも、はっきり拒絶することもできないまま、私は距離を保ち続けてきた。
無邪気に一緒に夢を語っていたあの頃が、懐かしくて、切ない。
今では、隣にいてもどこか遠く感じる。
でも――きっと、誰もがいつまでも子どものままではいられない。
それが、大人になるということなのだろう。
もう戻れない時間を思うと、胸の奥に鈍い痛みが広がった。
パオズ山の自宅にたどり着いた頃には、辺りは薄紫色の夕闇に包まれていた。
ほっとするはずの家は、どこか切ない。
ここで一緒に暮らしていた大切な人たちはみんな、人造人間の手によって奪われていった。
自分の弱さが、許せなかった。
もっと強かったら――兄は死なずに済んだのに。
そう思うと、苦しくてたまらない。
私の力では人造人間を倒せない。
できることは、ただ一つ。
力を持つトランクスの修行を支えることだけ。
その役目だけを心の支えに、使命のようにして、私はどうにか毎日をやり過ごしていた。
あのころ夢見た未来は、もう私の目には映らない。