第三章
主人公の名前設定
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倉庫を出ると、乾いた風が頬をかすめていった。パイは立ち止まり、空を見上げる。夕方の空は鈍く曇っていて、厚い雲が早足で西へと流れていく。
(……なにやってるんだろ、私……)
溜息まじりにそう思う。外の風にあたっていると、先ほどの怒りはゆっくりと冷めていき、代わりに感情的になったことへの自己嫌悪が心の中に苦く広がっていく。
(……私があんなふうに怒る権利なんか、ないのに)
兄の死以来、トランクスがどれだけ歩み寄ってきてくれても、寄り添っていてくれても、心の扉を閉ざしていたのは、他ならぬ自分だった。だから彼がほかの女の子と仲良くしようと、怒るのはお門違いだ。
(でも……最近はまた昔みたいに話せるようになって来ていたのに……)
あの日──暴走した自分をかばって負傷した彼の姿を見て、彼を失っていたかもしれない怖さに改めて気づいた。ひとりぼっちになった自分のそばにずっといてくれたのは、他の誰でもないトランクスだった。失いたくないと心の底から強く思った。
気がつけば、パイの中でトランクスははもうただの「弟弟子みたいな存在」とは少し変わってきていたし、「仲間」であり「友達」でもあるけれどそれだけじゃない……。
そうはいっても、では彼のことをどう思っているのか、自分でもうまく言葉にできない。考えると胸の奥がもやもやと曇っていく。
でもあの夜、病室で抱きとめてくれた彼の腕の中で感じた体温。昔よりも広くなった肩、たくましくなった腕……。そして、最近──ふとしたときに並んで歩く彼の背が、昔より高くなり、横顔が大人びてきているのに気づいて、胸がドキッとしたこともある。
拠点に通い、たくさんの人たちと関わるようになっても、やっぱりそばにいて一番安心できるのはトランクスで……。それなのに、本人はと言えば……さっきのトランクス!
(あんな風に照れて笑って……。何、あれ。私だけに向けていた笑顔だと思っていたのに)
やっぱり面白くない。胸の奥に再び苛立ちがじわじわと湧き上がってきて、それを認めたくなくて、余計に苦しくなる。
(だめだ……これじゃ同じことの繰り返しだ。ぐるぐる考えすぎて、わけがわからなくなる)
目を閉じて、風に吹かれながら、ゆっくりと息を吐く。
そのときだった。
「よぉ、また怒ってるの?」
後ろから声をかけられて、振り返ってみると、にっこり微笑んだチャンが肩に道具袋を下げて立っていた。
(……なにやってるんだろ、私……)
溜息まじりにそう思う。外の風にあたっていると、先ほどの怒りはゆっくりと冷めていき、代わりに感情的になったことへの自己嫌悪が心の中に苦く広がっていく。
(……私があんなふうに怒る権利なんか、ないのに)
兄の死以来、トランクスがどれだけ歩み寄ってきてくれても、寄り添っていてくれても、心の扉を閉ざしていたのは、他ならぬ自分だった。だから彼がほかの女の子と仲良くしようと、怒るのはお門違いだ。
(でも……最近はまた昔みたいに話せるようになって来ていたのに……)
あの日──暴走した自分をかばって負傷した彼の姿を見て、彼を失っていたかもしれない怖さに改めて気づいた。ひとりぼっちになった自分のそばにずっといてくれたのは、他の誰でもないトランクスだった。失いたくないと心の底から強く思った。
気がつけば、パイの中でトランクスははもうただの「弟弟子みたいな存在」とは少し変わってきていたし、「仲間」であり「友達」でもあるけれどそれだけじゃない……。
そうはいっても、では彼のことをどう思っているのか、自分でもうまく言葉にできない。考えると胸の奥がもやもやと曇っていく。
でもあの夜、病室で抱きとめてくれた彼の腕の中で感じた体温。昔よりも広くなった肩、たくましくなった腕……。そして、最近──ふとしたときに並んで歩く彼の背が、昔より高くなり、横顔が大人びてきているのに気づいて、胸がドキッとしたこともある。
拠点に通い、たくさんの人たちと関わるようになっても、やっぱりそばにいて一番安心できるのはトランクスで……。それなのに、本人はと言えば……さっきのトランクス!
(あんな風に照れて笑って……。何、あれ。私だけに向けていた笑顔だと思っていたのに)
やっぱり面白くない。胸の奥に再び苛立ちがじわじわと湧き上がってきて、それを認めたくなくて、余計に苦しくなる。
(だめだ……これじゃ同じことの繰り返しだ。ぐるぐる考えすぎて、わけがわからなくなる)
目を閉じて、風に吹かれながら、ゆっくりと息を吐く。
そのときだった。
「よぉ、また怒ってるの?」
後ろから声をかけられて、振り返ってみると、にっこり微笑んだチャンが肩に道具袋を下げて立っていた。