第三章
主人公の名前設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
3か月後。
レジスタンス拠点。
整備途中の機材やいろんな資材が乱雑に置かれた倉庫では、レジスタンスメンバーたちが入れ替わり立ち代わり動いていた。
「……ここ、持っててくれ」
「うん」
言われた通りにパイが鉄板の端を押さえると、ライムが工具をカチンと打ち付ける
パイは黙々と作業に付き合っていたが、内心ではちょっとした不思議を感じていた。かつての自分は、こんなに人の輪に交じることなかった。けれど今は、たまにはこういうのも悪くない──そう思えている自分がいることに驚きと新鮮さを感じていた。
トランクスが負傷したあの夜から、パイとトランクスは、定期的にこの拠点を訪れるようになっていた。人造人間の動向を探るための情報交換、それと……仲間との、ささやかな交流のために。
最初は遠巻きにしていた周囲の人間たちも、いまではパイに気軽に声をかけてくる。
「パイさん、こっち手伝って!」「ほら、差し入れ食べて」と何かと気遣ってくれる人たちの存在は、こわばっていた彼女の心をほぐしていった。ふとした会話、気取らないやりとり──小さなやさしさは重く張りつめていた心に少しずつ風を通してくれた。
「……ほらよ。だいたい終わり」
ライムが作業の手を止めて、額の汗を拭きながら笑いかけた。
「ありがと、パイ姉さん」
「……姉さんはやめて」
淡々と返しながらも、その表情はごくわずかに緩んでいた。
しかし、パイはそれと同時にこの拠点に通うようになってからもやもやした感情を抱えていた。その原因……それは今もパイの背後にあった。
後ろでは、トランクスが若い女性たちの手伝いで力仕事をしていた。軽々と思い物を持ち上げ手助けしてくれる彼の姿に、若い女たちの目が輝いていた。
「トランクスさんって、本当に強くてかっこいいですよね」
「しかも礼儀正しいし、優しいし……」
「トランクスさんが手伝ってくれると……」
そんな声が飛び交う中、パイは使った工具の片付けをしていた。手は動いていたが、耳は嫌でもその騒ぎを拾ってしまう。
拠点に通うようになってから、礼儀正しく、強く、端正な顔立ちをしたトランクスはレジスタンスの若い女性たちの間ですぐに人気になった。彼が手伝ったり声を交わすたびに、彼女たちは色めき立つ。
(ふん……なにが“かっこいい”よ)
思わず感じた自分の中の面白くない感情に、パイは苦々しく眉をひそめた。馬鹿みたいだ。別に、彼が誰に褒められようと関係ない。そう思おうとしても、なんだか面白くなかった。
そっとトランクスの方に目を向けると、軽く照れたように頭をかきながら、「いや、そんな……」と応えている。きっと自覚がないんだろう。だけど、あのいつものはにかんだような笑顔。優しくて、でも照れてちょっと困ったような……。
(……なによ、それ。私に向けていた笑顔とまったく同じじゃない。……私のこと、好きな目で見てたくせに)
今まで彼に好意を向けられていると思って、どうしていいかわからず戸惑っていた自分が、滑稽な愚か者に思えてくる。
(年の近い女の子なら私じゃなくてもよかったんだ)
喉の奥が熱くなる。なんでこんなにも腹を立てているのか、自分でもよくわからなかった。わからないまま、息を吸い込むと、工具を持って出口に向かって歩きだし、通り過ぎ様に少しだけ冷たい声でトランクスに呼びかけた。
「……アンタ、いつからああいうのに弱かったっけ」
トランクスが、はっとしてこちらを見た。
「え?」
「別に。モテてよかったねって言っただけ」
パイは言うだけ言うと、さっさと背を向ける。後ろから彼が何か言いかけた気がしたけど、聞こえないふりをしてその場を離れた。
(……バカみたい。私ばっかり、あれこれ戸惑って……。悩んで損した)
レジスタンス拠点。
整備途中の機材やいろんな資材が乱雑に置かれた倉庫では、レジスタンスメンバーたちが入れ替わり立ち代わり動いていた。
「……ここ、持っててくれ」
「うん」
言われた通りにパイが鉄板の端を押さえると、ライムが工具をカチンと打ち付ける
パイは黙々と作業に付き合っていたが、内心ではちょっとした不思議を感じていた。かつての自分は、こんなに人の輪に交じることなかった。けれど今は、たまにはこういうのも悪くない──そう思えている自分がいることに驚きと新鮮さを感じていた。
トランクスが負傷したあの夜から、パイとトランクスは、定期的にこの拠点を訪れるようになっていた。人造人間の動向を探るための情報交換、それと……仲間との、ささやかな交流のために。
最初は遠巻きにしていた周囲の人間たちも、いまではパイに気軽に声をかけてくる。
「パイさん、こっち手伝って!」「ほら、差し入れ食べて」と何かと気遣ってくれる人たちの存在は、こわばっていた彼女の心をほぐしていった。ふとした会話、気取らないやりとり──小さなやさしさは重く張りつめていた心に少しずつ風を通してくれた。
「……ほらよ。だいたい終わり」
ライムが作業の手を止めて、額の汗を拭きながら笑いかけた。
「ありがと、パイ姉さん」
「……姉さんはやめて」
淡々と返しながらも、その表情はごくわずかに緩んでいた。
しかし、パイはそれと同時にこの拠点に通うようになってからもやもやした感情を抱えていた。その原因……それは今もパイの背後にあった。
後ろでは、トランクスが若い女性たちの手伝いで力仕事をしていた。軽々と思い物を持ち上げ手助けしてくれる彼の姿に、若い女たちの目が輝いていた。
「トランクスさんって、本当に強くてかっこいいですよね」
「しかも礼儀正しいし、優しいし……」
「トランクスさんが手伝ってくれると……」
そんな声が飛び交う中、パイは使った工具の片付けをしていた。手は動いていたが、耳は嫌でもその騒ぎを拾ってしまう。
拠点に通うようになってから、礼儀正しく、強く、端正な顔立ちをしたトランクスはレジスタンスの若い女性たちの間ですぐに人気になった。彼が手伝ったり声を交わすたびに、彼女たちは色めき立つ。
(ふん……なにが“かっこいい”よ)
思わず感じた自分の中の面白くない感情に、パイは苦々しく眉をひそめた。馬鹿みたいだ。別に、彼が誰に褒められようと関係ない。そう思おうとしても、なんだか面白くなかった。
そっとトランクスの方に目を向けると、軽く照れたように頭をかきながら、「いや、そんな……」と応えている。きっと自覚がないんだろう。だけど、あのいつものはにかんだような笑顔。優しくて、でも照れてちょっと困ったような……。
(……なによ、それ。私に向けていた笑顔とまったく同じじゃない。……私のこと、好きな目で見てたくせに)
今まで彼に好意を向けられていると思って、どうしていいかわからず戸惑っていた自分が、滑稽な愚か者に思えてくる。
(年の近い女の子なら私じゃなくてもよかったんだ)
喉の奥が熱くなる。なんでこんなにも腹を立てているのか、自分でもよくわからなかった。わからないまま、息を吸い込むと、工具を持って出口に向かって歩きだし、通り過ぎ様に少しだけ冷たい声でトランクスに呼びかけた。
「……アンタ、いつからああいうのに弱かったっけ」
トランクスが、はっとしてこちらを見た。
「え?」
「別に。モテてよかったねって言っただけ」
パイは言うだけ言うと、さっさと背を向ける。後ろから彼が何か言いかけた気がしたけど、聞こえないふりをしてその場を離れた。
(……バカみたい。私ばっかり、あれこれ戸惑って……。悩んで損した)