brother.──プロローグ(1〜終)
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brother.3
恭弥お兄さんの、遊び相手。
思わぬところで役を任命されて、はっとした。
母親を失って傷心の身である自分を露骨に腫れ物みたいに扱うのではなく、間接的に気遣われているように感じた。
夫婦の温かい気遣いに、目が潤みそうになった。が、
「……この子じゃ、僕の遊び相手にはならないよ」
そっぽを向く恭弥に、夫婦は揃って苦笑いした。
父親が、こら。と諭すのもスルーして鼻を鳴らす恭弥。
名前は『年上のお兄さんが何をして遊ぶかなんてわからないし当然といえば、当然か』と一人納得して、話を仕切り直す。
「おじ様、おば様。私を引き取ってくださり、ありがとうございます。なんでも、お家の手伝いさせていただきます……よろしくお願いします。
それであの……"お兄さん"、これからお世話になります」
お辞儀をして顔をあげると、彼は少し目を開いてなにか言いたげな目で名前を見た。疑問に思うも、彼は何も言わなかった。
『……じゃあ、家族としての紹介も終わったことだし、済まないが僕らは仕事に戻るよ』
『お夕飯は、家政婦さんが用意してくださるから。彼女達になんでも聞きなさいね』
『名前ちゃん、恭弥をよろしく頼むよ』
『お風呂も、家政婦さんが沸かしてくださるわ。……そうそう、椎南ちゃんが持ってきた荷物は奥の間に運んであるから、好きにしてね。自分の家だと思っていいのよ』
それだけ云うと 、あわただしくも雲雀夫妻は各々外部へ連絡をいれると即座に屋敷を出ていった。
その場に残った二人。見上げれば、ばちっと目が合ってしまい思わず俯く。
「あ……お忙しいんですね、お二人共」
「……」
「あの私、まだお屋敷の色んなお部屋の場所とか、よくわかってないのですけど。早く色々覚えますから、何かお手伝いとか……何でもおっしゃってください」
「……」
「……えっと、お兄さん?」
「君さ」
「?はい、」
「気に入らない」
(ッ!?)
今まで黙っていたはずの恭弥の一言は、あまりに突然で、理解に時間がかかった。
「え……どう、して?いやあの、すみません。私なにか……」
(お兄さん、なんで…)
「君さ。この前母親、死んだんでしょ」
「え、……なんで、…そんな、こと」
柔い部分をつかれる。
恭弥の意図がわからず困惑した。
恭弥お兄さんの、遊び相手。
思わぬところで役を任命されて、はっとした。
母親を失って傷心の身である自分を露骨に腫れ物みたいに扱うのではなく、間接的に気遣われているように感じた。
夫婦の温かい気遣いに、目が潤みそうになった。が、
「……この子じゃ、僕の遊び相手にはならないよ」
そっぽを向く恭弥に、夫婦は揃って苦笑いした。
父親が、こら。と諭すのもスルーして鼻を鳴らす恭弥。
名前は『年上のお兄さんが何をして遊ぶかなんてわからないし当然といえば、当然か』と一人納得して、話を仕切り直す。
「おじ様、おば様。私を引き取ってくださり、ありがとうございます。なんでも、お家の手伝いさせていただきます……よろしくお願いします。
それであの……"お兄さん"、これからお世話になります」
お辞儀をして顔をあげると、彼は少し目を開いてなにか言いたげな目で名前を見た。疑問に思うも、彼は何も言わなかった。
『……じゃあ、家族としての紹介も終わったことだし、済まないが僕らは仕事に戻るよ』
『お夕飯は、家政婦さんが用意してくださるから。彼女達になんでも聞きなさいね』
『名前ちゃん、恭弥をよろしく頼むよ』
『お風呂も、家政婦さんが沸かしてくださるわ。……そうそう、椎南ちゃんが持ってきた荷物は奥の間に運んであるから、好きにしてね。自分の家だと思っていいのよ』
それだけ云うと 、あわただしくも雲雀夫妻は各々外部へ連絡をいれると即座に屋敷を出ていった。
その場に残った二人。見上げれば、ばちっと目が合ってしまい思わず俯く。
「あ……お忙しいんですね、お二人共」
「……」
「あの私、まだお屋敷の色んなお部屋の場所とか、よくわかってないのですけど。早く色々覚えますから、何かお手伝いとか……何でもおっしゃってください」
「……」
「……えっと、お兄さん?」
「君さ」
「?はい、」
「気に入らない」
(ッ!?)
今まで黙っていたはずの恭弥の一言は、あまりに突然で、理解に時間がかかった。
「え……どう、して?いやあの、すみません。私なにか……」
(お兄さん、なんで…)
「君さ。この前母親、死んだんでしょ」
「え、……なんで、…そんな、こと」
柔い部分をつかれる。
恭弥の意図がわからず困惑した。