日常編(1〜)
名前変換
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13.side-h
−
「俺の事なんざ、どうでもいいんだよ」
「は?」
「…オメェに用があんだよ。ちょっと、ツラ貸せや」
「……は?」
-
変わって職員室。
「──いいか、沢田。夏休み明けの実力テストでは……〜だからな、今以上に努力を……っておい!聞いとるのか、沢田!」
「ッ……あぁ、はい!すみませんッ!」
ツナは何となく、あの場を放置して出てきてしまったのが気にかかった。
しかし、あいにく今はうるさい教師のお説教の最中だ。
(……獄寺くん、何もやらかしてないといいけど)
長々と続くありがたいお説教を、生返事で受け流しながらこっそり溜息をついた。
そんなツナの心配をよそに、獄寺はいつも通り……やらかしているのだが。
…
-
──ちょっと、ツラ貸せや。
ドラマでよく聞く不良の常套句を言われたのは初めてで、名前は驚きぽかんと口を開いたが、横に居た友人二人が相手の剣幕に圧され明らかにビビっていたので、なんとか間を取り持ち、心配ないわと二人を落ち着かせた。
少々……いやかなり納得いかないが。ついてこいと言われるがままに、屋上を出ていく彼の背を追った。
…
「で、用って?」
人気の無い校舎裏までくると、立ち止まった男に問いかける。
……ここは暑い。友人達と楽しい時間を過ごすなら別だが……正直、日光に当たるのも好ましくない。言いたいことがあるなら早く済ませてほしい。
「……オメェのことを、知りたがってる御方がいる。名前を教えろ」
「え、そんなこと?」
「いいから教えやがれ」
男の礼を欠いた言い回しに、名前はじわじわと苛々を募らせる。
「……その御方とやらが、直接私に聞きにくればいいんじゃないの?」
真面目で人には優しく、礼には礼で返す名前だが、登場するなり自分の名前も名乗らないような開幕失礼な男に教える名前は無い。名前は言い方が刺々しくなるのも構わずに言い返す。
「ッ…それができねーから、俺が聞いてんだろ!」
眉間に皺を寄せた男は、苦虫を噛み潰したように唸る。
「知らないわよ……その人、随分弱虫なのね」
冷たく射竦めるような視線は、義兄譲りのそれだ。
分かりやすく煽る名前の言葉が、男に火をつける。
「あぁ!?テメェ、十代目のことを悪く言うなら許さねぇ……ッ果たすぞコラ」
「やれるものなら、やってみなさいよ?」
まさに、一触即発。
人気のない校舎裏に呼び出され、直射日光に当たるのをいやがる名前の性分が、余計に彼女をせっついた物言いにさせた。
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「俺の事なんざ、どうでもいいんだよ」
「は?」
「…オメェに用があんだよ。ちょっと、ツラ貸せや」
「……は?」
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変わって職員室。
「──いいか、沢田。夏休み明けの実力テストでは……〜だからな、今以上に努力を……っておい!聞いとるのか、沢田!」
「ッ……あぁ、はい!すみませんッ!」
ツナは何となく、あの場を放置して出てきてしまったのが気にかかった。
しかし、あいにく今はうるさい教師のお説教の最中だ。
(……獄寺くん、何もやらかしてないといいけど)
長々と続くありがたいお説教を、生返事で受け流しながらこっそり溜息をついた。
そんなツナの心配をよそに、獄寺はいつも通り……やらかしているのだが。
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──ちょっと、ツラ貸せや。
ドラマでよく聞く不良の常套句を言われたのは初めてで、名前は驚きぽかんと口を開いたが、横に居た友人二人が相手の剣幕に圧され明らかにビビっていたので、なんとか間を取り持ち、心配ないわと二人を落ち着かせた。
少々……いやかなり納得いかないが。ついてこいと言われるがままに、屋上を出ていく彼の背を追った。
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「で、用って?」
人気の無い校舎裏までくると、立ち止まった男に問いかける。
……ここは暑い。友人達と楽しい時間を過ごすなら別だが……正直、日光に当たるのも好ましくない。言いたいことがあるなら早く済ませてほしい。
「……オメェのことを、知りたがってる御方がいる。名前を教えろ」
「え、そんなこと?」
「いいから教えやがれ」
男の礼を欠いた言い回しに、名前はじわじわと苛々を募らせる。
「……その御方とやらが、直接私に聞きにくればいいんじゃないの?」
真面目で人には優しく、礼には礼で返す名前だが、登場するなり自分の名前も名乗らないような開幕失礼な男に教える名前は無い。名前は言い方が刺々しくなるのも構わずに言い返す。
「ッ…それができねーから、俺が聞いてんだろ!」
眉間に皺を寄せた男は、苦虫を噛み潰したように唸る。
「知らないわよ……その人、随分弱虫なのね」
冷たく射竦めるような視線は、義兄譲りのそれだ。
分かりやすく煽る名前の言葉が、男に火をつける。
「あぁ!?テメェ、十代目のことを悪く言うなら許さねぇ……ッ果たすぞコラ」
「やれるものなら、やってみなさいよ?」
まさに、一触即発。
人気のない校舎裏に呼び出され、直射日光に当たるのをいやがる名前の性分が、余計に彼女をせっついた物言いにさせた。