日常編(1〜)
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8.出逢い
−
「あ……これ、制服」
彼から手渡された紙袋には、丁寧にアイロンがけされた制服の上下が入っていた。
保健室内の、“衣類”とシールの貼ってある引き出しを探し出し、皺にならないように制服をしまいこんだ。
「確認したわ」
「ありがとう!これで、用は済んだから…」
「…待って、」
「え?」
保健室を去ろうとした沢田を引き留めた。
「貴方、怪我してるじゃない」
「えっ!?ああ……これ?」
よく見ると沢田は、全身アザや擦り傷だらけだった。放っておけなくて、声をかけた。
……
-
(保健室に入ったら、なぜか保健の先生がいなくて。同じ学年の……すごく可愛い女の子がいた)
この女子生徒は、休んでる保健医に代わって保健室の仕事をしているらしい。
(この前死ぬ気になった時に制服が破れちゃって、あの時に保健室で借りた制服を返しに来ただけなんだけど……)
ちなみに今体操着を着ているのは、昼休みに飛び降りようとした山本を助けたくて、死ぬ気になったからだ。結局一緒になって落ちてしまったのだが……
大切な友達に、大事がなくて良かった。制服を犠牲にしたが、それとは比べるべくもない絆を守ることができたと思っているので、なんてことはない。いや、母さんには……また怒られるかもしれないが。
そういった経緯を知らない女子生徒は、思いつめた顔で見つめてくる。
「沢田君……私に何か出来ることがあったら、言って?」
(あれ……なんか、めちゃめちゃ心配されてるんですけど!)
「いやいや!こんなの、いつものことなんだ。俺ドジだからさ」
見た目がボロボロ過ぎて、なにかいらぬ心配をかけてしまっただろうか?
焦ってフォローを入れるも、彼女の疑念はなかなか晴れないようだ。
「本当に、大丈夫だよ!?」
「……そう。じゃ、そこ座って?」
その子はなぜか自分を椅子に座るようにうながした。
「腕見せて」
「へ……ッ!?なッ!」
急に腕をとられ、持ち上げられ擦りむいたヒジを見られた。
慣れない女の子の手に触れてる事実に、顔に熱が集まってくる。
「あの、コレクライ……大丈夫…デス」
「だめ。ちゃんと対処しないと治りが遅くなるんだから」
「ぅ…じゃ、お願い、します…」
(情けないし、恥ずかしいよ…)
おたおたとしているうちに、少女は慣れた手つきで治療を施していく。清潔な布で傷口をキレイにされ、絆創膏を貼られ、気付けば治療が終わっていた。
「はい、できた」
−
「あ……これ、制服」
彼から手渡された紙袋には、丁寧にアイロンがけされた制服の上下が入っていた。
保健室内の、“衣類”とシールの貼ってある引き出しを探し出し、皺にならないように制服をしまいこんだ。
「確認したわ」
「ありがとう!これで、用は済んだから…」
「…待って、」
「え?」
保健室を去ろうとした沢田を引き留めた。
「貴方、怪我してるじゃない」
「えっ!?ああ……これ?」
よく見ると沢田は、全身アザや擦り傷だらけだった。放っておけなくて、声をかけた。
……
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(保健室に入ったら、なぜか保健の先生がいなくて。同じ学年の……すごく可愛い女の子がいた)
この女子生徒は、休んでる保健医に代わって保健室の仕事をしているらしい。
(この前死ぬ気になった時に制服が破れちゃって、あの時に保健室で借りた制服を返しに来ただけなんだけど……)
ちなみに今体操着を着ているのは、昼休みに飛び降りようとした山本を助けたくて、死ぬ気になったからだ。結局一緒になって落ちてしまったのだが……
大切な友達に、大事がなくて良かった。制服を犠牲にしたが、それとは比べるべくもない絆を守ることができたと思っているので、なんてことはない。いや、母さんには……また怒られるかもしれないが。
そういった経緯を知らない女子生徒は、思いつめた顔で見つめてくる。
「沢田君……私に何か出来ることがあったら、言って?」
(あれ……なんか、めちゃめちゃ心配されてるんですけど!)
「いやいや!こんなの、いつものことなんだ。俺ドジだからさ」
見た目がボロボロ過ぎて、なにかいらぬ心配をかけてしまっただろうか?
焦ってフォローを入れるも、彼女の疑念はなかなか晴れないようだ。
「本当に、大丈夫だよ!?」
「……そう。じゃ、そこ座って?」
その子はなぜか自分を椅子に座るようにうながした。
「腕見せて」
「へ……ッ!?なッ!」
急に腕をとられ、持ち上げられ擦りむいたヒジを見られた。
慣れない女の子の手に触れてる事実に、顔に熱が集まってくる。
「あの、コレクライ……大丈夫…デス」
「だめ。ちゃんと対処しないと治りが遅くなるんだから」
「ぅ…じゃ、お願い、します…」
(情けないし、恥ずかしいよ…)
おたおたとしているうちに、少女は慣れた手つきで治療を施していく。清潔な布で傷口をキレイにされ、絆創膏を貼られ、気付けば治療が終わっていた。
「はい、できた」