TOS/Promise -約束- プチリメイク版
【Story 5】
毎度の如く、夢を見た。
救いの塔に向かったらクラトスが居て、俺達は負けた。
そこから彗星デリス・カーラーンへ連行されたけど、リーガルの力で牢獄から脱出して――そこで目が醒めた。
もう少し……あともう少しなんだ。
もう少しで、思い出せそうなんだ。
忘却したはずの、遥か昔の記憶が――。
◆ ◆ ◆
最近、夢が終わりに近くなってる事に気付いた。
これから、どうなるのかな。
「……イド――ロイド?」
「……ん? あ、ごめん。ちょっとぼーっとしてた」
今日は日曜日だから、クラトスと近くの公園まで来た。
せっかくユアン先生に店番を押し付けてまで来てくれたのに、何を話せばいいんだろう。
「……ロイド、お前は夢を見てはいないか?」
「夢? 見てるよ」
「……遠い過去の自分と、周りの人物、それらを取り巻いているような夢を……」
「やっぱり、クラトスも見てたんだな……」
「お前は、どの辺りを旅しているのだ?」
「えっと……デリス・カーラーンから帰ってきた頃かな」
「……あと、もう少しなのだな」
「何が?」
「学校の友人や教師にも夢の事を話してみると良い。何か、知っているかもしれぬな」
「……クラトス」
「何だ?」
「俺達の何かを――どうして隠すんだ?」
「……いずれ分かる事だ。知って良かったと取るか、知らなかった方が良かったと取るかは、お前次第だ」
「――やっぱり、敵なのか」
「お前の夢の進行度から言うと、まだ敵だがな」
「『まだ』? じゃあ、クラトスの夢はどこまで進んでるんだ?」
「……全てを悟った。とても辛く、悲しい過去を……な。ちなみに、あの夢は夢ではなく、前世で間違いないだろう」
「前世? それにしてはあまりにも、似すぎだと思うけど……」
「似ているから、前世なのだ……」
「じゃあ、あんたやコレットは今も天使なのか?」
「羽も出現しないし、天使術も使えん。人間だ」
「そっか……」
話が終わった後、俺達はクルシスに戻った。
休日で人足の絶えない店内で、ユアン先生が一人でに対応に追われている。
その波に乗るようにして俺はケーキを買って帰宅した。
今日は17時半くらいに帰宅したから、親父にも怒られない。
帰るなり夢の続きが気になって、ベッドに横になる。
けど……なかなか寝つけない。
寝るのを諦めて、暗いキッチンを携帯の画面で照らしながらケーキを食べた。
ラスト一個だったから買ってみた、この『追憶』というショコラケーキ――とても懐かしい味がする。
まるで、子供の頃に食べた事があるような……。
◆ ◆ ◆
今回の夢で、俺はクラトスとの関係を知ってしまった。
ユアン先生がクラトスを連れて、『本当の父親』と言っていた。
……やっぱりそうだったんだ。
その後、前にクルシスで見た写真の少年――ミトスが最大の敵だったって事も明かされた。
実の父に恋してるなんて、何だか不思議な気分だな……。
ん? いや、これは前世の俺達の関係であって、今の俺達とは限らないはずだ。
それなのに――この気持ちを伝えていいのか、少し不安に思えてきてしまった。
でも……俺は伝えるよ。この溢れる想いを。
だから、とりあえず聞いてくれ、クラトス――。
【Story 5 Proof -証拠- 遠き日の二人】
毎度の如く、夢を見た。
救いの塔に向かったらクラトスが居て、俺達は負けた。
そこから彗星デリス・カーラーンへ連行されたけど、リーガルの力で牢獄から脱出して――そこで目が醒めた。
もう少し……あともう少しなんだ。
もう少しで、思い出せそうなんだ。
忘却したはずの、遥か昔の記憶が――。
◆ ◆ ◆
最近、夢が終わりに近くなってる事に気付いた。
これから、どうなるのかな。
「……イド――ロイド?」
「……ん? あ、ごめん。ちょっとぼーっとしてた」
今日は日曜日だから、クラトスと近くの公園まで来た。
せっかくユアン先生に店番を押し付けてまで来てくれたのに、何を話せばいいんだろう。
「……ロイド、お前は夢を見てはいないか?」
「夢? 見てるよ」
「……遠い過去の自分と、周りの人物、それらを取り巻いているような夢を……」
「やっぱり、クラトスも見てたんだな……」
「お前は、どの辺りを旅しているのだ?」
「えっと……デリス・カーラーンから帰ってきた頃かな」
「……あと、もう少しなのだな」
「何が?」
「学校の友人や教師にも夢の事を話してみると良い。何か、知っているかもしれぬな」
「……クラトス」
「何だ?」
「俺達の何かを――どうして隠すんだ?」
「……いずれ分かる事だ。知って良かったと取るか、知らなかった方が良かったと取るかは、お前次第だ」
「――やっぱり、敵なのか」
「お前の夢の進行度から言うと、まだ敵だがな」
「『まだ』? じゃあ、クラトスの夢はどこまで進んでるんだ?」
「……全てを悟った。とても辛く、悲しい過去を……な。ちなみに、あの夢は夢ではなく、前世で間違いないだろう」
「前世? それにしてはあまりにも、似すぎだと思うけど……」
「似ているから、前世なのだ……」
「じゃあ、あんたやコレットは今も天使なのか?」
「羽も出現しないし、天使術も使えん。人間だ」
「そっか……」
話が終わった後、俺達はクルシスに戻った。
休日で人足の絶えない店内で、ユアン先生が一人でに対応に追われている。
その波に乗るようにして俺はケーキを買って帰宅した。
今日は17時半くらいに帰宅したから、親父にも怒られない。
帰るなり夢の続きが気になって、ベッドに横になる。
けど……なかなか寝つけない。
寝るのを諦めて、暗いキッチンを携帯の画面で照らしながらケーキを食べた。
ラスト一個だったから買ってみた、この『追憶』というショコラケーキ――とても懐かしい味がする。
まるで、子供の頃に食べた事があるような……。
◆ ◆ ◆
今回の夢で、俺はクラトスとの関係を知ってしまった。
ユアン先生がクラトスを連れて、『本当の父親』と言っていた。
……やっぱりそうだったんだ。
その後、前にクルシスで見た写真の少年――ミトスが最大の敵だったって事も明かされた。
実の父に恋してるなんて、何だか不思議な気分だな……。
ん? いや、これは前世の俺達の関係であって、今の俺達とは限らないはずだ。
それなのに――この気持ちを伝えていいのか、少し不安に思えてきてしまった。
でも……俺は伝えるよ。この溢れる想いを。
だから、とりあえず聞いてくれ、クラトス――。
【Story 5 Proof -証拠- 遠き日の二人】