スティラルカ夢
アナタの名前を呼んでもいいですかー?嫌ですか。嫌と言ってもスッチーは勝手に呼びますよ~!
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【紫色の誕生日】
「………」
ニコニコニコ。
スティラルカはニコニコしながらわたしを見つめる。
『っ、』
誰か、目の前にいる変態をなんとかして!
『な、何?』
「なんでもありませんよー、フフ」
何なのその笑いは!
もしかして、バレてる?
『スティラルカ?』
「はい、なんでしょう?私のアユムさん?」
『スティラルカのじゃないから……やっぱり何でもない』
バレてはいないのかな?
今日のために色々用意してたこと。
屋敷の飾り付け計画。
今日がスティラルカの誕生日だってユエから聞いて、ちょっと頑張ってみたんだけど。
「フフ、フフフフ」
絶対バレてる!もう確実に!!
『その笑い、気持ち悪い』
「楽しいからいいんですよー」
はぁ、先が思いやられる。
何故か知らないけど(たぶんわたしが用意するの知ってるからだと思うけど)
「出かけてきますねー」
スティラルカはそう言って出かけてくれた。
「夜は一緒に出かけましょうねー。私の愛が空から降ります♪」
ついでに変な言葉を残して。
『よし、やるぞー!』
実はエマにケーキの作り方教わってたんだよね。
それからユエにエリダラーダの字も。
あっちにつるして、こっちもつるして。
あそこに貼って。
文字を書いて、と。
『うん、上出来!』
後はコレをこう置いて、綺麗にして。
メインのケーキを真ん中に置く。
「ただいま帰りましたよーアユムさんっ」
びっくりした!
『い、いきなり入ってこないでよスティラルカ』
「いいじゃないですか~私のお屋敷なんですから」
まぁそうなんだけど。
『とにかく、お帰り』
「ケーキですか?」
スティラルカは机を指差す。
『今日誕生日でしょ?だからケーキをね、作ってみたんだけど』
スティラルカはフワッとわたしを抱き締めた。
「ありがとうございますアユムさん、何だか胸がモヤモヤしてきました」
『モヤモヤって変じゃない?』
「あ、そうでした、モヤモヤじゃなくてムラムラでした♪」
何故か危機を感じるのは気のせい?
「だからアユムさん、このムラムラをなんとかして……」
スティラルカの綺麗な顔が近付く。
『っ、離して!』
――パッ。
なぜかすんなり離してくれた。
「そうですね、夜にたっぷり味あわせてもらいますし、ケーキを先にいただきましょう」
何をたっぷり?!
……わかるんだけどね。
「美味しかったですよ、アユムさん」
スティラルカはわたしの作ったケーキをペロリと全部食べた。
『そう?よかった』
「では、さっそく行きますよ?」
はい??
「ユエー、後片付けをお願いしますねー」
「わかりました」
スティラルカはわたしの手を引っ張る。
『行くって、こんな時間からどこに?』
外は真っ暗。
「言ったでしょう?空から私の愛情が降りますよ~って、では行きましょう♪」
は、はぁぁああああっ?
着いたのは森。
ひたすら見えるのは木と暗い空だけ。
「見てて下さいね~」
スティラルカが指差したのは空だった。
……はずなのに周囲が見晴らしの良い野原になった。
たぶん、スティラルカの法術のせいだ。
『地平線が見える』
空には一面の星空。
『わぁー、キレー』
「では、今から溢れんばかりの愛を降らしますよー」
スティラルカが言い終えたとたんに、空に輝いてた星が流れだした。
流星群みたいに。
『 』
空を流れる色とりどりの星が綺麗すぎて、わたしは言葉が出なかった。
「アユムさーん?」
スティラルカはニッコリ笑っていた。
「気に入っていただけましたか?」
『うん、ありがとうスティラルカ』
……あ。
わたしからのプレゼントの事すっかり忘れてた。
『スティラルカ、これ』
わたしはポケットから手紙を取り出し、渡す。
『一応誕生日プレゼントなんだけど……』
ユエが言うには「絶対に喜びます」らしい。
だからユエに字を教わって、ラブレターを書いてみた。
「おや、開けても良いですかー?」
『うん』
ひとしきり手紙を読み切ると、丁寧に封筒に直すスティラルカ。
「アユムさん♪」
――ギューっ。
スティラルカが正面から優しくわたしを抱き締めた。
「反則ですよ、こんなに頑張ってラブレターを書いてくれるなんて……私、本当に我慢できなくなってしまうじゃないですかー」
そう言うと、わたしの首に紫色のリボンを結んだ。
『え、何!?』
「何って、リボンですよ?私色の」
それは見ればわかるから。
『じゃなくて、何でリボンなんか」
「愛です!」
あい?勝手にプレゼントにされただけじゃ?
「さぁ、帰りましょうアユムさん♪」
気付いたら、辺りは元の森に戻っていた。
『帰って何する気?』
リボンを結んだままのわたしは、一体何をされるのっ?!
『何ってナニですよ~、それと美味しくアユムさんを、少ーしだけいただきます』
『やめて?!それだけはやめて!』
「良いじゃないですかー、減るものでもないですしー」
減るって!絶対貧血で倒れるって!!
「それに今日は誕生日なんですから、ひとつぐらい私のワガママを聞いてくれてもイイですよねー?」
『……うっ』
今日は大切な人の誕生日で特別な日。
結局わたしは断りきれず……晩に倒れた。
原因はあの、紫の変態。
《END》おたおめって言ってくださいねー
2007.10.2(2024.6.28最終修正)
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