レナート夢
キュートなプリちゃんのネームを呼びたいんだ
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【さようなら】
『寒い……』
ここはどこ?
空は青黒く曇っていて星も見えない。
薄暗く黄色い永遠と続く砂漠。
「ハァッ、ハァッ……アユム、うっ……」
背後から声がする。
『レナート?』
「ハァッ……アユムっ!俺は!」
フワッと抱き締められるわたしの体。
熱い息がかかる。
「俺はバカだ!!」
『え?』
キツく抱き締められて苦しい。
「離したく無い、ずっと……アユム……」
『どうし、っ』
突然わたしの体から光が出た。
『何なのコレ』
「ソーリー、これで……」
悲しそうなレナートが最後に言った。
「フェァウェル」
それ以上は聞こえなかった。
英語が苦手なわたしは意味が解らなくて。
気付いたら地球の自分の部屋にいた。
『何でっ!?』
辺りを見回す。
『夢?』
でも目に焼き付いているのは苦しそうなレナートの顔。
『あれは』
机上の辞書が目についてわたしはそれを手にとった。
『フェァウェル……farewell?別れ、さようなら?』
わけがわからない。
ホルシードで一緒に暮らし始めたのに。
「……、……」
『な、に?』
「……アユム?」
『えっ、』
目を開けて目をこすってみる。
夢じゃない。
レナートがわたしを心配そうに覗き込んでいた。
『夢?』
「アユム?」
『アハ、夢、夢かぁ……』
レナートがわたしを抱き締める。
『レナート?』
「どうしたんだ?ダーリン。スリープしながら泣いてたぜ?今もだけどな」
『ゴメン、わたし……』
レナートがキツくわたしを抱き締める。
まるであの夢みたいに。
『……っ』
「アユム、やっぱり帰りたいか?ホームに」
『違うの、違う。レナートがわたしにさようならって、だからわたし……』
レナートは二カッと笑う。
「バカだなアユムは。俺がそんな事言うわけないだろ?」
『……うん』
「アユム、そんなドリームはフォゲットするんだ。良いな?」
忘れろって事?
『そうだね、忘れる』
レナートじゃなくて、悪夢にさよならするよ。
『レナート、起こしてくれてありがとう』
「じゃぁお礼にキスしてくれよ」
『え』
突然唇が重なって。
『ちょっ!』
「ベリーキュートだぜアユム♪」
『うぅ、バカ』
絶対わたしの顔真っ赤だよ。
「アユムを愛してる。ずっと……愛してる」
いきなり真顔で言われたから驚いた。
『わたしもレナートを愛してる』
わたしにはレナートがいる。
レナートがいるなら、悲しくない。
何度悪夢を見ても、きっと大丈夫。
「シャイなアユムが言ってくれるとは思わなかったぜ、明日はレインか?」
『ひどいなぁもう!』
「クックッ」
レナートが笑顔なら――
『ずっと側にいてね』
「あぁ」
――涙ともさようなら。
《END》悪夢にグッバイ
2007.9.13(2024.6.27最終修正)