クラウス夢
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【感謝の相手】
in地球(春)
クラウスがわたしと一緒に、エリダラーダから地球帰って来たのは、もう1年ぐらい前になる。
「アユムさん、朝ですよ、起きて下さい」
浅い眠りのなか、クラウスの優しい声が聞こえる。
わたしはまだ眠くて、みじろぎをした。
『ん……もうちょっと寝かせて……』
何がどうなったのかは解らないけど、初めてクラウスを見たはずの両親がクラウスを知っていた。
――何言ってるのよ、クラウスさんは留学生でしょ?
(母親)
――クラウスくんはもともと今日来る予定だったんだが……アユムには伝え忘れていたな、すまんすまん。
(父親)
留学生って。
しかも来る予定だったってなに!?
「アユムさん、そろそろ起きないと、おそい……」
えっ!?もしかしてわたし襲われる!?
『起きます!起きさせていただきます!』
「……遅い出発になりますよって言おうとしたんですけど」
うそ?わたしの勘違い?
「顔が真っ赤ですよ。それともアユムさん、本当に良いんですか?」
『へっ?』
何が?
「アユムさんを襲っても」
『~~っ?!』
ボフッ。
という音と同時に、わたしは顔を枕にうめた。
誰か……こんなハレンチな人クラウスじゃないよ。
助けて?
「アユムさん、大丈夫ですか?!」
『うぅ……』
「すみません、少しからかいすぎました」
こんな甘ったるい毎日が日常になっても、まだ夢みたいだなって思うときがある。
『クラウス』
「何ですか?」
手招きをすると、不思議そうに顔を近付けてくるクラウス。
わたしは身を乗り出して、クラウスの頬にチュッとキスをした。
「?!?!?!」
『アハッ、さっきの仕返しだよ』
「~~っ!貴女って人は……おや?どうかしましたか?」
真顔でじーっと見つめていたから、クラウスが変な顔してる。
『ううん、ただ夢じゃないんだなぁーって思っただけ』
ふぅっと溜め息を漏らしたクラウスは、わたしの頬に手を添える。
「当たり前じゃないですか。こうしてアユムさんと幸せに暮らしているのが夢なら、泣いてしまいますよ?」
『アハハ、ごめんごめん。じゃあ行こっか』
クラウスが誘ってくれた花畑へ。
「はい」
これから先なんて、どうなるか分からないけど。
『クラウス、わたしクラウスとずっと一緒にいたいな』
この気持ちは変わらないってわかるから。
「私もずっと、アユムさんと一緒にいたいです」
今がすごく幸せだよ、クラウス。
わたしをエリダラーダへ導いてくれたヴェンツェルに、今はすっごく感謝してる。
『ありがとう』
inエリダラーダ
木の上で寝ていたヴェンツェル。
「ハックしゅん!!」
クシャミをして、ヴェンツェルは起きた。
何かを感じとったのか。
「チッ。くだらんことだ、アユム……イヴの娘」
そう、うわ言の様に呟いた。
「みゃぁう?」
ヴェンツェルのお腹の上には猫型リスルゥ。
ヴェンツェルはリスルゥを撫でて、再び眠りにつく。
彼が夢に見るのは、二度と会うことの無い二人の幸せそうな笑顔。
――やはり、世界はどこかで繋がっているのかもしれんな……言うまでも無い戯言か。
そんなことを思っているうちに、彼の居るエリダラーダの時間は流れてゆく。
《END》世界はきっと繋がっている
2007.9.18(2024.6.27最終修正)