ヴェンツェル夢
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【眼鏡萌え?】
綺麗な銀髪に整った顔立ち。
じ――……
「何だ」
素っ気無い口調、血の様に赤い瞳。
格好良過ぎると思いませんか。
『そうだヴェンツェル!眼鏡だよ!』
「急に何だ?」
『眼鏡かけよう、眼鏡!』
「オマエ、頭でも打ったのか?」
う、酷い。
『打ってないよ。ただ……眼鏡かけたら、今よりもっと格好いいだろうなぁって思っただけ』
ヴェンツェルは呆れた顔をする。
「そんなに眼鏡が良いならクラウスの所へ行くんだな」
『っ!?行かないよ!』
「眼鏡が好きなんだろう?」
『好きって言うか』
ヴェンツェルが好きだからかけて欲しい。
って、じゃぁわたしって眼鏡好きなんじゃ?
『好き、なのかな』
「ならばクラウスの元へ行け」
そう言うヴェンツェルはニヤリと笑う。
『ゔー、ヴェンツェルの意地悪』
わたしがヴェンツェルから離れたくないの分かってて言ってるんだ、絶対。
「文句があるなら出て行ったらどうだ?」
『それはイヤ!』
やっぱりヴェンツェルは冷たい。
「それより、いいのか?リスルゥがオマエの下着で遊んでいたぞ?」
『えっ!?』
外からはリスルゥの「ふしーっ!」とか言う声が聞こえる。
外にはわたしの下着を干している訳で。
『りっ、リスルゥ~?!ちょっ、それで遊ばないで!!』
「なんで?」
あぁもう、やだ。
「フッ。哀れだな」
『ヴェンツェルのバカ!!』
「俺はバカではない。オマエがバカで間抜けなだけだ」
あぁもう、そもそも何でわたしがこんな目に会わなきゃ
『そう、眼鏡!』
「?」
『ちょっと出かけて来るね!』
「おいどこへ……」
『夕方には帰るから!』
ムスっとした顔のヴェンツェルを残し、わたしは路地裏に向かった。
『あれー?そろそろ来ても良いんじゃないの?』
夕方に近付くにつれて、妙に薄暗くなってきた路地裏。
――ポム。
そう肩を叩かれても最初の頃の様に悲鳴をあげなくなった。
「つれないですねえアユムさん。当初の悲鳴が初々し
『それよりさ!スティラルカ』
「なんですか、私のアユムさん」
変態発言は放っておいて。
『眼鏡持ってたよね?ちょうだい?』
「どうしたんですか?まさかっ!?私に内緒で眼鏡萌えに目覚めてしまって
『ないから』
バカ話している場合じゃない。
もうすぐ日が沈むから早く帰らないと。
『この前「眼鏡はいりませんか?」とか言ってたでしょ?』
「言ってました言ってました。はい、眼鏡です、どうぞ」
アレ?そんなにあっさり?
ちょっと拍子抜けしちゃった。
『あ、ありがと?』
「いえいえ。アユムさんのためならスッチー、スマキにしてプレゼントしますよ」
『それはいらない』
早く立ち去るのが一番。
――ポム。
「で、アユムさん?その眼鏡どうするつもりなんですか?」
『え?えっと、あの、離して?』
「いくらアユムさんの頼みでも、言うまで離しませんよ?」
ヴェンツェル、助けて……くれるわけないよね。
「ご愁傷様です」
!?
『ユエ、いたんだ……助けてくれない?』
「ユエは私のメイドですから~ね、ユエ?」
「はい」
あぁ、わたしどうなっちゃうの?
「……オマエは何をしているんだ?」
『ヴェンツェル!』
助けに来てくれた!?
「おやベンちゃんじゃありませんか。迎えに来たという事はアユムさんが心配だったんですね、それはまさしく"変″」
また何か訳の解らない事を言い出したよ。
「スティラルカ様、それは"恋″です」
ユエ、ナイス突っ込み!
「なにを訳のわからんことを言っている、帰るぞ」
『う、うん』
ヴェンツェルがわたしの腕を引くが、スティラルカはまだ離してくれない。
「あぁなるほど。そういう事ならスッチーに任せて下さい♪」
『何が』
なるほどなのか聞きかけた瞬間。
「っ!?」
スティラルカがヴェンツェルに眼鏡を装着した。
「くそっ、外れん!この変態がっ!!」
『す、スティラルカ?』
「大丈夫ですよ、それの効力は一日。本意ではありませんが、思うぞんぶんベンちゃんを舐め回してあげて下さいねアユムさん」
そう言い残して、紫の変態は夜の闇に紛れて行った。
と言うか、舐め回してって何。
「チッ」
『ヴェンツェル?』
「付けられたものは仕方無い、帰るぞ」
スタスタと速足で歩くヴェンツェル。
『お、怒ってる?』
「当たり前だ」
『……ごめんなさい』
謝った途端にヴェンツェルが止まる。
「許さん」
『えっ、』
振り返ったヴェンツェルは、近付いて来る。
『痛っ、ひゃっ!!』
わたしの首に噛み付いて、舐めた。
「覚悟しておけ?」
ニヤリと笑ったヴェンツェルは艶やかで。
すごく格好良かった。
『やっぱり、眼鏡似合うね』
「似合ってたまるか」
少し照れた様に言うヴェンツェルは、もう一度わたしの首に顔を近付けて甘い痕を残した。
「マスタ!それなになに?」
ヴェンツェルの眼鏡姿を見て、リスルゥがはしゃぐ。
「煩い」
「あ、わかった!アイツのまね!」
『アイツって、クラウスのこと?』
「うん!」
ヴェンツェルが好んでクラウスのまねをしたって考えたら……爆笑するしかなかった。
『あは、あはははははっ!』
「くだらん、俺はもう寝る……アユム」
ヴェンツェルはわたしを抱き抱え、ベッドへ放り投げた。
『いったぁっ!』
「オマエは寝かせてやらん」
ヴェンツェルに抱き締められて、真横に顔が来る状態。
『っ、』
「スー……スー……」
だけどヴェンツェルは寝ちゃった。
『本当、意地悪なんだから』
でも大好きなんだよね。
《END》眼鏡メガネめがねの夢
2007.6.30(2024.6.26最終修正)