ヴェンツェル夢
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【Happy Birthday!】
今日は4月9日。
エリダラーダでは、それはそれは重大な日なんだけど……
『ホントは違うんだよね、わたしにとって重大な日ってだけで』
今日はヴェンツェルの誕生日。
何を渡そうか悩んで悩んで悩んで……エンドレス。
で、今18:00。路地裏にいる。
「アユム!見つけたっ!」
リスルゥが何故か真上から降って……って、え?!
降って!?
――バフッ。
「ふみゃっ」
わたしは見事に押し倒され、背中を思いっきり地面にぶつけた。
『い、痛……リスルゥ早く退いて』
リスルゥはサッと退いてくれる。
「アユム、アユム!マスタがねっ、アユムを連れて来いって!」
ヴェンツェルが?また何を考えてるんだか。
リスルゥがわたしの腕を引っ張る。
『ちょっと待って、まだプレゼント決まってないから』
「ぷれぜんと?」
『うん、今日はヴェンツェルの誕生日だから何かあげようと思って』
リスルゥはわかった!と言うと引っ張るのをやめた。
「じゃぁ、じゃぁ、リスルゥもマスタに何かあげるっ!」
そう言うと森の方に消えて行った。
もしかして、前にルツが食べてたナメクジみたいな物を取りに行ったとか?
……まさかね。
『はぁ、どうしようかなぁ』
何も用意してないわけじゃないんだけど。
わたしの瞳の色と赤色が中で混ざりあっている、ビー玉サイズの水晶玉が付いた首飾り。
買ってはみたけど、いざとなると渡しにくい。
「遅い」
声に慌てて首飾りをポケットに押し込んだ。
『ヴ、ヴェンツェル?』
ヴェンツェルは屋根の上からわたしの目の前に降りる。
そしてじーっとわたしを見つめる。
「何をしていた?」
『えっと、その、色々悩んでて……』
にやっと笑うと、ヴェンツェルはわたしの服のポケットに手を入れる。
「これか」
ヴェンツェルに買った首飾りを取られた。
『ちょっ、それは』
「プレゼントなんだろう?」
は?何で知ってるの?
ヴェンツェルは首飾りを自分の首にかける。
「アユムにしては悪くないな」
『わたしにしてはってどーいう意味よ!』
「そのままだ」
わたしのセンスが悪いとでも!?
「それより腹が減った、何か作れ」
命令!?
『む……仕方無いなぁ、今日だけだからねっ!』
わたしは嬉しいけど恥かしくて、スタスタと歩いて行く。
「アユム」
『何……っふ?!』
振り返った瞬間に触れるだけのキスをされた。
「礼だ」
ヴェンツェルは楽しそうに笑っている。
『こっ、ここ、こんなのお礼じゃなーい!!』
「なら体で払ってやろうか?」
『いらないっ!』
実はちょっと嬉しかったけどね。
『ところで何でプレゼントのこと知ってたの?』
ヴェンツェルは答えない。
『もしかしてわたしが悩んでるとこ、見てた!?』
「そうだ」
真顔で答えないでよ。
見られてたとは、恥かしい。
その夜。
リスルゥがヴェンツェルに"アレ″を持ち帰り
「いらん」と断られたのは言うまでもない。
《END》ナメクジなど食えるか
2007.3.16(2024.6.26最終修正)
今日は4月9日。
エリダラーダでは、それはそれは重大な日なんだけど……
『ホントは違うんだよね、わたしにとって重大な日ってだけで』
今日はヴェンツェルの誕生日。
何を渡そうか悩んで悩んで悩んで……エンドレス。
で、今18:00。路地裏にいる。
「アユム!見つけたっ!」
リスルゥが何故か真上から降って……って、え?!
降って!?
――バフッ。
「ふみゃっ」
わたしは見事に押し倒され、背中を思いっきり地面にぶつけた。
『い、痛……リスルゥ早く退いて』
リスルゥはサッと退いてくれる。
「アユム、アユム!マスタがねっ、アユムを連れて来いって!」
ヴェンツェルが?また何を考えてるんだか。
リスルゥがわたしの腕を引っ張る。
『ちょっと待って、まだプレゼント決まってないから』
「ぷれぜんと?」
『うん、今日はヴェンツェルの誕生日だから何かあげようと思って』
リスルゥはわかった!と言うと引っ張るのをやめた。
「じゃぁ、じゃぁ、リスルゥもマスタに何かあげるっ!」
そう言うと森の方に消えて行った。
もしかして、前にルツが食べてたナメクジみたいな物を取りに行ったとか?
……まさかね。
『はぁ、どうしようかなぁ』
何も用意してないわけじゃないんだけど。
わたしの瞳の色と赤色が中で混ざりあっている、ビー玉サイズの水晶玉が付いた首飾り。
買ってはみたけど、いざとなると渡しにくい。
「遅い」
声に慌てて首飾りをポケットに押し込んだ。
『ヴ、ヴェンツェル?』
ヴェンツェルは屋根の上からわたしの目の前に降りる。
そしてじーっとわたしを見つめる。
「何をしていた?」
『えっと、その、色々悩んでて……』
にやっと笑うと、ヴェンツェルはわたしの服のポケットに手を入れる。
「これか」
ヴェンツェルに買った首飾りを取られた。
『ちょっ、それは』
「プレゼントなんだろう?」
は?何で知ってるの?
ヴェンツェルは首飾りを自分の首にかける。
「アユムにしては悪くないな」
『わたしにしてはってどーいう意味よ!』
「そのままだ」
わたしのセンスが悪いとでも!?
「それより腹が減った、何か作れ」
命令!?
『む……仕方無いなぁ、今日だけだからねっ!』
わたしは嬉しいけど恥かしくて、スタスタと歩いて行く。
「アユム」
『何……っふ?!』
振り返った瞬間に触れるだけのキスをされた。
「礼だ」
ヴェンツェルは楽しそうに笑っている。
『こっ、ここ、こんなのお礼じゃなーい!!』
「なら体で払ってやろうか?」
『いらないっ!』
実はちょっと嬉しかったけどね。
『ところで何でプレゼントのこと知ってたの?』
ヴェンツェルは答えない。
『もしかしてわたしが悩んでるとこ、見てた!?』
「そうだ」
真顔で答えないでよ。
見られてたとは、恥かしい。
その夜。
リスルゥがヴェンツェルに"アレ″を持ち帰り
「いらん」と断られたのは言うまでもない。
《END》ナメクジなど食えるか
2007.3.16(2024.6.26最終修正)