1-25
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
ゼロは美しい少女へと成長した。
ノクティスもまた可愛らしい少年へと育った。
幽閉からは開放されたが、王城内での軟禁生活という点に変わりはなかった。
自由に動ける範囲が少しばかり広がっただけだ。
ゼロはノクティスの存在が心の支えとなったようで、笑うようになった。
大人達では変えてやることは出来なかったであろう。
ノクティスがゼロを変えたのだ。
2人は血が繋がらずとも姉弟であった。
そろそろゼロに自身の出生について自覚させねばならない。
ノクティスにもルシス王家として学ぶことが山ほどある。レギスは苦悩した。
クレイラスはゼロの事を任せてくれないかとレギスに願い出た。
同じ子を持つ親として見放せないと。
クレイラスならば...とレギスも同意した。
───────────────
ゼロは新たに与えられた1室で、初めて自身の出生を聞かされた。
クレイラスは心配だった。
元凶は帝国だが、子どもにこんな酷な事を伝えねばならない。
ゼロは取り乱すのだろうか…何があっても受け止める覚悟で全てを話した。
ゼロは微笑んだ。
自分が普通では無いことは分かっていた、話してくれたことに感謝を述べた。
『私を生かしてくれた恩を返したい』と。
『クレイラスさま、私を強くしてくださいね』
「──恨まないのか?」
『恨むものがありません。私は此処で沢山与えられてきたのだから』
「──君は虐げられてきたとは考えないのか?」
『はい。私は暖かさを...此処で、確かに感じたから』そう言ってクレイラスに手を伸ばす。
『クレイラスさまの方が辛そうです』
クレイラスはゼロを抱き寄せ静かに涙を流した。
──────────────
それからというもの魔法や剣術の訓練が始まり、新鮮で楽しかった。身体中痛くなることもあったが、ノクティスを守る力だと思うと熱が入った。
「なぁコル、ゼロの事どう思う?」
「...稽古のことか?あの身のこなし方は成長すればもっと強くなると思っている。剣士、というよりは暗器の使い方の方が上手い」
「暗器か...」
「ああ、的当ては絶対に外さない。銃器では全く当たらんのだがな」
コルはそのアンバランスさが不可解で笑っていた。
クレイラスは伏龍王の投剣を思い浮かべゼロ専用の武器を造るぞ!と張り切っていた。
「ゼロは...コルも知ってるだろ?誕生日すら分からないんだ。プレゼントくらい、思い立ったが吉日!ってな」
「ああ、クレイラスらしいな」
───────────
その頃、ノクティスは「真の王」として聖石に選ばれた。
ルシス王家113代に渡って待ち望んでいたことだ。
しかし我が子がその宿命を背負うとは…レギスは幼いノクティスを抱き泣いた。
────────────
ノクティスはお姉ちゃんにはどうして会えないの?と憤っては周囲を困らせていた。
母を喪い、乳母を喪い、ゼロにまで思うように会えず極めて不安定であった。
以前の様に笑うことはなく、無口になっていった。
側近であるイグニスにはノクティスの云う「お姉ちゃん」を知らない。
また訊ねても答えてくれる人はおらず、どうしたら良いのか頭を抱えていた。見兼ねたスキエンティアの叔父がレギス陛下に相談してくれることになった。
レギスはスキエンティアからの報告にどうするべきか迷っていた。
ノクティスもまた可愛らしい少年へと育った。
幽閉からは開放されたが、王城内での軟禁生活という点に変わりはなかった。
自由に動ける範囲が少しばかり広がっただけだ。
ゼロはノクティスの存在が心の支えとなったようで、笑うようになった。
大人達では変えてやることは出来なかったであろう。
ノクティスがゼロを変えたのだ。
2人は血が繋がらずとも姉弟であった。
そろそろゼロに自身の出生について自覚させねばならない。
ノクティスにもルシス王家として学ぶことが山ほどある。レギスは苦悩した。
クレイラスはゼロの事を任せてくれないかとレギスに願い出た。
同じ子を持つ親として見放せないと。
クレイラスならば...とレギスも同意した。
───────────────
ゼロは新たに与えられた1室で、初めて自身の出生を聞かされた。
クレイラスは心配だった。
元凶は帝国だが、子どもにこんな酷な事を伝えねばならない。
ゼロは取り乱すのだろうか…何があっても受け止める覚悟で全てを話した。
ゼロは微笑んだ。
自分が普通では無いことは分かっていた、話してくれたことに感謝を述べた。
『私を生かしてくれた恩を返したい』と。
『クレイラスさま、私を強くしてくださいね』
「──恨まないのか?」
『恨むものがありません。私は此処で沢山与えられてきたのだから』
「──君は虐げられてきたとは考えないのか?」
『はい。私は暖かさを...此処で、確かに感じたから』そう言ってクレイラスに手を伸ばす。
『クレイラスさまの方が辛そうです』
クレイラスはゼロを抱き寄せ静かに涙を流した。
──────────────
それからというもの魔法や剣術の訓練が始まり、新鮮で楽しかった。身体中痛くなることもあったが、ノクティスを守る力だと思うと熱が入った。
「なぁコル、ゼロの事どう思う?」
「...稽古のことか?あの身のこなし方は成長すればもっと強くなると思っている。剣士、というよりは暗器の使い方の方が上手い」
「暗器か...」
「ああ、的当ては絶対に外さない。銃器では全く当たらんのだがな」
コルはそのアンバランスさが不可解で笑っていた。
クレイラスは伏龍王の投剣を思い浮かべゼロ専用の武器を造るぞ!と張り切っていた。
「ゼロは...コルも知ってるだろ?誕生日すら分からないんだ。プレゼントくらい、思い立ったが吉日!ってな」
「ああ、クレイラスらしいな」
───────────
その頃、ノクティスは「真の王」として聖石に選ばれた。
ルシス王家113代に渡って待ち望んでいたことだ。
しかし我が子がその宿命を背負うとは…レギスは幼いノクティスを抱き泣いた。
────────────
ノクティスはお姉ちゃんにはどうして会えないの?と憤っては周囲を困らせていた。
母を喪い、乳母を喪い、ゼロにまで思うように会えず極めて不安定であった。
以前の様に笑うことはなく、無口になっていった。
側近であるイグニスにはノクティスの云う「お姉ちゃん」を知らない。
また訊ねても答えてくれる人はおらず、どうしたら良いのか頭を抱えていた。見兼ねたスキエンティアの叔父がレギス陛下に相談してくれることになった。
レギスはスキエンティアからの報告にどうするべきか迷っていた。