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監視対象ゼロ 推定5才──
アウライアはゼロを連れ出してノクティスに会わせた。
「私の赤ちゃんよ」
『小さい』
「育てばゼロみたいに大きくなるわ」
『大きくなるの?』
「ええ、男の子だからね。ゼロより大きくなっちゃうわよ」
『こんなに小さいのに?』
「そう!こんなに小さいのに!」
笑ってゼロにノクティスを抱かせる。
『あったかい...!』
「ノクティスっていうの、仲良くしてあげて欲しいな」
『のくてぃす?』
赤子は呼ばれたことが分かるのか、小さく声をあげて私の髪を引っ張る。
『のくてぃす、痛い』
「髪が好きなのよねぇこの子。いっつも引っ張るのよ。おいで、髪結ってあげる」
ノクティスは髪を引っ張りながらニコニコと笑う。
『ううん。のくてぃすが好きなら我慢する』
アウライアは目を丸くし2人の姿に本当の姉弟みたいだわ、と微笑ましい光景をレギスに伝えた。
ゼロは完全にノクティスの玩具になっていた。
揉みくちゃにされても『のくてぃすはかわいい』と怒ることも泣くこともなかった。
『王女さま、のくてぃすが泣きやまない』
「うーん、何かしら」
頭をかしげ思いついたようにゼロは唄う。
「あら、眠かったのね…ふふっ心地良さそうに寝てるわよ」
『のくてぃすはよく寝る』
「赤ちゃんは沢山泣いて眠るものよ、ゼロも疲れたでしょう?お菓子を用意させるわ、一緒に食べましょう」
そうして時は過ぎ、ノクティスはすくすくと成長しゼロと一緒に絵本を見たり、散歩したり...
けれど暖かな日々は長くは続かなかった。
『王女さま、眠っちゃったの?』
窶れた体は冷たくて温めるようにゼロは手を重ねる。ケアルガやエスナ、リレイズと魔法をかけていくゼロにレギスは詠唱を止めさせた。
もう二度と目を開けることは無いのだ、と初めて直面する死に泣きじゃくる。
アウライアの死をまだ理解出来ないノクティスと泣き続けるゼロを、レギスは包むように優しく抱きしめた。
そしてノクティスには乳母がつき、今までのように会うことはなくなった。
ゼロはまた1人になった。
─────────────
「ねぇねは?」
「ノクティス王子には姉弟はおりませんよ?」
「えっ?!嘘だ!!!いるもん!!!会わせてよ!!」
ノクティスは叫ぶように乳母を非難する。
「いつも遊んでたんだ!」
「名前は分かりますか?」
「えぇと...知らない...」
ノクティスは思い出そうとするが出てこず、泣きそうになる。
お父さんに話すと会いたいか?と問われ、思い切り頷いた。お父さんは笑って、明日会わせてくれると約束した。その夜は緊張してなかなか寝付けなかった。
翌日──。
ゼロは警護隊により王子の元へと連れて行かれた。
ノクティスはゼロを見るやいなや目を輝かせ、嬉々として「ねぇね!会いたかった!!」と飛びつきゼロは驚いた後、ノクティスを抱き留める。
ノクティスはゼロの手を引き「お願いがあるんだ、前みたいに歌ってよ!僕あの歌が好きなんだ!」と乞う。ゼロは戸惑いながらも嬉しそうに唄った。
レギスも改まって聴くのは初めてだ。
ノクティスが気に入るのも理解出来た。
歌声に微かな魔素を感じたからだ。
ノクティスはゼロによく懐いていた。
食事の席でも次はいつ会えるの?と聞いてくるほどに。
レギスはゼロの幽閉を解く事を決めた。
───────────
王子は私が「お気に入り」だそうで、会いたいと聞かされてはどうすればいいのか悩んだ。
身分の差を徹底的にスキエンティア様から教育されたからだ。
「ゼロねぇね」と舌っ足らずな声がする。
『ねぇね』とは何なのか...
タイミング良く現れたレギス陛下に王子のいう「ねぇね」について訊ねた。
お姉さん、という意味だそうだ。
与えられた本の中に家族というものがあった。
どうして自分にはいないのか、寂しかった。
姉弟という繋がりはゼロには眩しい存在だった。
物心つく頃には好奇や警戒の眼差しばかりで、王子のように無邪気に慕ってくれる事が堪らなく嬉しかった。
『私は...』
「ノクティスの事が嫌いでなければ、姉としてでも友としてでも良い、一緒に過ごしてあげてはくれぬだろうか?」と優しく微笑まれ頷いた。
ノクティスはゼロと仲良くしているようで「お父さん、今日はゼロねぇねとね...」と楽しそうに喋るのだ。その姿がレギスにとっても幸せだった。
アウライアはゼロを連れ出してノクティスに会わせた。
「私の赤ちゃんよ」
『小さい』
「育てばゼロみたいに大きくなるわ」
『大きくなるの?』
「ええ、男の子だからね。ゼロより大きくなっちゃうわよ」
『こんなに小さいのに?』
「そう!こんなに小さいのに!」
笑ってゼロにノクティスを抱かせる。
『あったかい...!』
「ノクティスっていうの、仲良くしてあげて欲しいな」
『のくてぃす?』
赤子は呼ばれたことが分かるのか、小さく声をあげて私の髪を引っ張る。
『のくてぃす、痛い』
「髪が好きなのよねぇこの子。いっつも引っ張るのよ。おいで、髪結ってあげる」
ノクティスは髪を引っ張りながらニコニコと笑う。
『ううん。のくてぃすが好きなら我慢する』
アウライアは目を丸くし2人の姿に本当の姉弟みたいだわ、と微笑ましい光景をレギスに伝えた。
ゼロは完全にノクティスの玩具になっていた。
揉みくちゃにされても『のくてぃすはかわいい』と怒ることも泣くこともなかった。
『王女さま、のくてぃすが泣きやまない』
「うーん、何かしら」
頭をかしげ思いついたようにゼロは唄う。
「あら、眠かったのね…ふふっ心地良さそうに寝てるわよ」
『のくてぃすはよく寝る』
「赤ちゃんは沢山泣いて眠るものよ、ゼロも疲れたでしょう?お菓子を用意させるわ、一緒に食べましょう」
そうして時は過ぎ、ノクティスはすくすくと成長しゼロと一緒に絵本を見たり、散歩したり...
けれど暖かな日々は長くは続かなかった。
『王女さま、眠っちゃったの?』
窶れた体は冷たくて温めるようにゼロは手を重ねる。ケアルガやエスナ、リレイズと魔法をかけていくゼロにレギスは詠唱を止めさせた。
もう二度と目を開けることは無いのだ、と初めて直面する死に泣きじゃくる。
アウライアの死をまだ理解出来ないノクティスと泣き続けるゼロを、レギスは包むように優しく抱きしめた。
そしてノクティスには乳母がつき、今までのように会うことはなくなった。
ゼロはまた1人になった。
─────────────
「ねぇねは?」
「ノクティス王子には姉弟はおりませんよ?」
「えっ?!嘘だ!!!いるもん!!!会わせてよ!!」
ノクティスは叫ぶように乳母を非難する。
「いつも遊んでたんだ!」
「名前は分かりますか?」
「えぇと...知らない...」
ノクティスは思い出そうとするが出てこず、泣きそうになる。
お父さんに話すと会いたいか?と問われ、思い切り頷いた。お父さんは笑って、明日会わせてくれると約束した。その夜は緊張してなかなか寝付けなかった。
翌日──。
ゼロは警護隊により王子の元へと連れて行かれた。
ノクティスはゼロを見るやいなや目を輝かせ、嬉々として「ねぇね!会いたかった!!」と飛びつきゼロは驚いた後、ノクティスを抱き留める。
ノクティスはゼロの手を引き「お願いがあるんだ、前みたいに歌ってよ!僕あの歌が好きなんだ!」と乞う。ゼロは戸惑いながらも嬉しそうに唄った。
レギスも改まって聴くのは初めてだ。
ノクティスが気に入るのも理解出来た。
歌声に微かな魔素を感じたからだ。
ノクティスはゼロによく懐いていた。
食事の席でも次はいつ会えるの?と聞いてくるほどに。
レギスはゼロの幽閉を解く事を決めた。
───────────
王子は私が「お気に入り」だそうで、会いたいと聞かされてはどうすればいいのか悩んだ。
身分の差を徹底的にスキエンティア様から教育されたからだ。
「ゼロねぇね」と舌っ足らずな声がする。
『ねぇね』とは何なのか...
タイミング良く現れたレギス陛下に王子のいう「ねぇね」について訊ねた。
お姉さん、という意味だそうだ。
与えられた本の中に家族というものがあった。
どうして自分にはいないのか、寂しかった。
姉弟という繋がりはゼロには眩しい存在だった。
物心つく頃には好奇や警戒の眼差しばかりで、王子のように無邪気に慕ってくれる事が堪らなく嬉しかった。
『私は...』
「ノクティスの事が嫌いでなければ、姉としてでも友としてでも良い、一緒に過ごしてあげてはくれぬだろうか?」と優しく微笑まれ頷いた。
ノクティスはゼロと仲良くしているようで「お父さん、今日はゼロねぇねとね...」と楽しそうに喋るのだ。その姿がレギスにとっても幸せだった。