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月日は流れあっという間の1年だった。
レギス陛下は杖をつくようになり、ノクティス王子はエンジンブレードを贈られてからはシフトの訓練に精を出していた。
訓練相手に、とレギス陛下は魔法を持つ私を指名され王子と会う機会は格段と増えた。
ゼロはシフト、というものは出来なかったが真似事は出来た。
私は陛下から魔力を頂くことは出来なかった。
否、私が陛下の魔力を受け取ろうとする度、拒絶反応を起こしてしまうのである。
原因は不明で私自身の持つ魔力と相反してしまうからではないか、と推測された。
王子は初めのうちはシフトに苦戦していたが、ひと月もするとモノにしていた。
基礎体力や身のこなし方はグラディオやイグニスとの鍛錬の成果だろう。
ただし実戦形式となると難しいらしく、滑り落ちそうになったり途中で集中力が切れてしまうこともあった。
『王子、私を敵だと思って下さい』
「傷つけたらどうすんだよ!!!」
ああ、そういう事かと納得していると王子は「親父が何考えてゼロを選んだのか分かんねぇ…」と呟いている。
『回復魔法が使えますから大丈夫です。レギス陛下は王子の魔法を高める為に私を選んだのだと思います』
「そう言ったって...俺は」
ノクティスは優しい子だ。だがそれは甘い、のだ。
『手加減や迷いがあるからシフトに失敗する。勝負に情けは無用...どうぞ、本気を出して下さい』
そう告げ攻撃を仕掛ける。しかしノクティスは防御や回避ばかりで攻撃に踏み切れない。
『甘い!!!女1人にも勝てないのか、王子様?!』
「なっ...ゼロ?!」
『情けないなぁ…ねぇ王子?』
「ふざけんな、やってやる…!」
王子の性格を利用させて貰った。
漸くノクティス王子からの反撃が始まる。
「っだー!くそっ当たんねぇ」
シフトブレイクが決まらず悔しさから滅茶苦茶に動き回る。
『ノクティス王子、相手の動きに惑わされてはなりません、先手を読むのです。魔法を使って動きを封じるのも手ですよ』
攻撃を躱しながら指導する。
王子の素直さが仇となってフェイントに引っかかってしまうのだ。
「んな簡単じゃねーよっ!どうやってんだゼロ!」
『手っ取り早く動きを封じるなら氷魔法を!』
「わかった...あれ?出ねぇ?」
動きを止め王子の片手から発せられる魔法を注視する。冷気と氷の結晶が漂うものの発動が上手くいかないようだ。
『王子、そのままで少し待っててくださいね』
「ん?おう、分かった」
魔法を維持するのも通常ならばかなり堪えるものだがルシス王族には難なく出来る。やはり凄いな…と眺めながら集中して唄う。
魔素が王子の聴覚から脳内、全身に流れていく。小さかった氷塊はどんどん冷気を強め大きくなっていく。
「うおっまじか。すげぇなコレ!」
『だいぶ形になりましたね、では再開しましょう。いざ!』
苦無を王子の足元に投げる。ノクティスはシフトで飛ぶと私の足元にブリザドを放つ。冷気に巻かれる前に跳躍する。
すれ違いざまに視線が絡む。身を翻しノクティスの背後をとり、蹴り飛ばす。ノクティスは瞬時に受け身を取り、シフトする。
シフトするであろうと読んでいた所に投剣を放ち体制を整え、忍刀を振るう。
ノクティスは投剣を避けシフトブレイクが決まる。
『勝負あり、ですね』
「はぁぁぁやっと1本取れたわ。疲れた...」
ぐったりと伸びている王子は実戦形式の戦闘に自信をつけたようだ。
お互いにケアルを詠唱してかける。
『ね、大丈夫って言ったでしょう?』
「ああ、どーもな。...わざとだろ、あれ」
『バレてましたか。王子には覿面でしたね』
「あー誘導試合みたいなもんだろ?強くなりてぇな」
『なれますよ、王子ですから』
「なぁ、勝ったから1つお願い聞いてくれねぇか?」
『??私に出来ることなら何なりと』
「じゃあもう王子って言うのやめてくれ。すげぇ距離感じんだよ。俺ずっとゼロのこと姉貴みたいに思ってるから...」
後半は照れなのか段々声が小さくなっていて思わず笑った。
『私も弟のように思ってますよ』
「ならノクトって呼んでくれ。グラディオ達もノクトって呼んでる」
『ノクト...ね、分かりました!』
「うん、その方が嬉しい…し、敬語もなしな!」
『お願いは1つでは?』
「願いが1つ、命令が1つ!」
『はぁぁもうっ口が達者になったな』
「姉貴の影響じゃねーの?」
『影響与える程そばにいなかった気がするけど?』
「背中見て育つっていうじゃねぇか」
『親の、ね。姉より大きな子がどうしてそう言うかな』
「背、伸びねぇな」
『ちっちゃくて可愛かったノクトはどこ...』
「さぁな。夢じゃねぇの?」
『リアルな夢だったなぁ、引っ付くわ噛まれるわ』
「うっせ」
『じゃあ、また訓練日にね。今日はここまで!お疲れさま』
「オツカレ。今日はよく寝れそうだわ…じゃあな」
『うん、サボんないでよ』
「おー」
ノクトはストレッチしながら久しぶりの姉弟らしい会話が嬉しくてニヤける顔を抑えられなかった。
小さくガッツポーズをとる。
次の訓練日が待ち遠しかった。
レギス陛下は杖をつくようになり、ノクティス王子はエンジンブレードを贈られてからはシフトの訓練に精を出していた。
訓練相手に、とレギス陛下は魔法を持つ私を指名され王子と会う機会は格段と増えた。
ゼロはシフト、というものは出来なかったが真似事は出来た。
私は陛下から魔力を頂くことは出来なかった。
否、私が陛下の魔力を受け取ろうとする度、拒絶反応を起こしてしまうのである。
原因は不明で私自身の持つ魔力と相反してしまうからではないか、と推測された。
王子は初めのうちはシフトに苦戦していたが、ひと月もするとモノにしていた。
基礎体力や身のこなし方はグラディオやイグニスとの鍛錬の成果だろう。
ただし実戦形式となると難しいらしく、滑り落ちそうになったり途中で集中力が切れてしまうこともあった。
『王子、私を敵だと思って下さい』
「傷つけたらどうすんだよ!!!」
ああ、そういう事かと納得していると王子は「親父が何考えてゼロを選んだのか分かんねぇ…」と呟いている。
『回復魔法が使えますから大丈夫です。レギス陛下は王子の魔法を高める為に私を選んだのだと思います』
「そう言ったって...俺は」
ノクティスは優しい子だ。だがそれは甘い、のだ。
『手加減や迷いがあるからシフトに失敗する。勝負に情けは無用...どうぞ、本気を出して下さい』
そう告げ攻撃を仕掛ける。しかしノクティスは防御や回避ばかりで攻撃に踏み切れない。
『甘い!!!女1人にも勝てないのか、王子様?!』
「なっ...ゼロ?!」
『情けないなぁ…ねぇ王子?』
「ふざけんな、やってやる…!」
王子の性格を利用させて貰った。
漸くノクティス王子からの反撃が始まる。
「っだー!くそっ当たんねぇ」
シフトブレイクが決まらず悔しさから滅茶苦茶に動き回る。
『ノクティス王子、相手の動きに惑わされてはなりません、先手を読むのです。魔法を使って動きを封じるのも手ですよ』
攻撃を躱しながら指導する。
王子の素直さが仇となってフェイントに引っかかってしまうのだ。
「んな簡単じゃねーよっ!どうやってんだゼロ!」
『手っ取り早く動きを封じるなら氷魔法を!』
「わかった...あれ?出ねぇ?」
動きを止め王子の片手から発せられる魔法を注視する。冷気と氷の結晶が漂うものの発動が上手くいかないようだ。
『王子、そのままで少し待っててくださいね』
「ん?おう、分かった」
魔法を維持するのも通常ならばかなり堪えるものだがルシス王族には難なく出来る。やはり凄いな…と眺めながら集中して唄う。
魔素が王子の聴覚から脳内、全身に流れていく。小さかった氷塊はどんどん冷気を強め大きくなっていく。
「うおっまじか。すげぇなコレ!」
『だいぶ形になりましたね、では再開しましょう。いざ!』
苦無を王子の足元に投げる。ノクティスはシフトで飛ぶと私の足元にブリザドを放つ。冷気に巻かれる前に跳躍する。
すれ違いざまに視線が絡む。身を翻しノクティスの背後をとり、蹴り飛ばす。ノクティスは瞬時に受け身を取り、シフトする。
シフトするであろうと読んでいた所に投剣を放ち体制を整え、忍刀を振るう。
ノクティスは投剣を避けシフトブレイクが決まる。
『勝負あり、ですね』
「はぁぁぁやっと1本取れたわ。疲れた...」
ぐったりと伸びている王子は実戦形式の戦闘に自信をつけたようだ。
お互いにケアルを詠唱してかける。
『ね、大丈夫って言ったでしょう?』
「ああ、どーもな。...わざとだろ、あれ」
『バレてましたか。王子には覿面でしたね』
「あー誘導試合みたいなもんだろ?強くなりてぇな」
『なれますよ、王子ですから』
「なぁ、勝ったから1つお願い聞いてくれねぇか?」
『??私に出来ることなら何なりと』
「じゃあもう王子って言うのやめてくれ。すげぇ距離感じんだよ。俺ずっとゼロのこと姉貴みたいに思ってるから...」
後半は照れなのか段々声が小さくなっていて思わず笑った。
『私も弟のように思ってますよ』
「ならノクトって呼んでくれ。グラディオ達もノクトって呼んでる」
『ノクト...ね、分かりました!』
「うん、その方が嬉しい…し、敬語もなしな!」
『お願いは1つでは?』
「願いが1つ、命令が1つ!」
『はぁぁもうっ口が達者になったな』
「姉貴の影響じゃねーの?」
『影響与える程そばにいなかった気がするけど?』
「背中見て育つっていうじゃねぇか」
『親の、ね。姉より大きな子がどうしてそう言うかな』
「背、伸びねぇな」
『ちっちゃくて可愛かったノクトはどこ...』
「さぁな。夢じゃねぇの?」
『リアルな夢だったなぁ、引っ付くわ噛まれるわ』
「うっせ」
『じゃあ、また訓練日にね。今日はここまで!お疲れさま』
「オツカレ。今日はよく寝れそうだわ…じゃあな」
『うん、サボんないでよ』
「おー」
ノクトはストレッチしながら久しぶりの姉弟らしい会話が嬉しくてニヤける顔を抑えられなかった。
小さくガッツポーズをとる。
次の訓練日が待ち遠しかった。