王の剣の者達が血塗れで帰還するところを見てから、私も強くなって戦いたいと思うようになった。
日増しに強くなる思いに勇気を振り絞って実戦経験を積みたいと志願した。
魔法を使用しない事を条件に、レギス陛下はゼロの旅を了承した。


数日後ゼロにダスティンを同行させ、初めてインソムニア外に出る事になった。
必ず力をつけて帰ってきます、と約束して旅に出た。

モンスターとの戦い方をダスティンに指導してもらいながら、倒していく。
この旅にはゼロの実戦経験だけではなく、頃合いを見て王の剣への潜入任務だった。

王の剣への潜入は戦乱に乗じる事で難なく成功した。

初めて経験するシガイ討伐は苦戦の連続だった。
思わず魔法を使いそうになったがダスティンに止められた。

帝国の幾千もの魔導兵にモンスター、シガイの攻撃は為す術なく屠られる者、シフトを駆使して逃げ切る者、大魔法詠唱による対価で力尽きる者...
まさに地獄絵図だった。

王都の平和は王の剣の犠牲の上に守られている。

撤退命令が出ると同時に気配を消して周囲を探る。
望郷、駒、犬死───様々な感情が突き刺さる。

ダスティンはゼロの異変に気付くと瞬時に戦線を離脱しインソムニアに戻った。

ゼロは王の剣の活躍と被害状況、心の歪みがいずれ爆発するだろうことを話した。