「どうした来ないのか？クリアとかなんとか言ってたのに
できるもんならしてみろよ！」
「オールマイト…！」
「流石だな。俺たちの出る幕はねぇようだ」
「緑谷！ここは引いた方がいいぜ。かえって人質とかにされたらヤベーし」
出久くんを見ると焦ったような顔でオールマイトを見ていた
活動限界が近いならば今の台詞は完全に虚勢
オールマイトは戦える状態ではないだろう
出久くんがその事を知っているとしたら彼は、間違いなく動くだろう
ここで敵が帰ってくれればいいのだけれど

私の願いも虚しく敵はオールマイトに向かって行った
残りの力で土壁を作って時間を少しでも稼ぎ他の先生たちを待つ
それしか打つ手は無かった

地面に手を置き集中する
出久くんは…
出久くんを探したが私たちの近くには居なかった

「出久くん…！」

気がついたら彼はオールマイトと敵の間に跳んでいて、敵の手に触れられようとしていた
壁が間に合わない…！出久くんが死んじゃう…！

ズドンッ

一発の銃声が響いた
入口の方に目を向けると先生たちを連れてきた天哉くんの姿があった

「間に、合った…」

そこからは一気に形勢逆転
こんなにプロヒーローが居ては流石に分が悪いのか手男はこの場を去ろうとした
逃がすまいと１３号先生のブラックホールで吸い込むがモヤのワープで逃走を許してしまった

こうしてUSJ事件は幕を閉じたのであった






「おーい、ゲート前に集合だってさ！」
「ねぇ三人にお願いがあるんだけど、誰か私をゲート前まで運んでくれない？」
「あぁ！？ふざけんな！テメェで歩けや！！」
「勝己くん相変わらず酷いなぁ
私怪物を倒すのに個性使いすぎたんだってー」
「お前まさかアイツを倒したのか？」
「オールマイトが倒したヤツの劣化版なのかな？あんなに強くは無かったけどね
再生とかしなかったし」

なんか勝己くんが凄い目でこっちを見ているぞ
これはあとで殺されそうな勢いだ

「俺が運ぶぜ！背中乗れよ！」
「おぉ、鋭児郞くんありがとう」

この中で一番優しい鋭児郞くんの背中に乗りながら私の個性のことを話す

「私の個性はね五行思想って言って木火土金水を操れるんだ」
「なんだそれチートじゃねぇか」
「でしょー、でも凄く扱い難しくてさ
幼いころは家を燃やしたり、兄を土に埋めちゃって生首状態にしたりとかいろいろあったなぁ…」

あのときは両親の前に土下座して謝ったなぁ
まぁ私の個性が五行思想になったのも…

「個性結婚で自分達が私を作ったのに両親に勘当されちゃってさぁ
まじで意味わかんないよねぇ」
「…」

あれ、みんな静かになっちゃった
私は気にしてないんだけどなぁ

なにはともあれゲートについたらそこにはもう皆がいた

「おーい！」
「あ、響香ちゃん！百ちゃんも！」
「椿ちゃん無事…ではなさそうね」

私の両腕を見て悲しそうな顔をする梅雨ちゃん

「まぁ無茶しすぎたかな
それよりも相澤先生と１３号先生は？」

先生たちの近くに下ろしてもらい
私の個性を発動する
マイク先生や根津校長がなんか言ってたけどしーらない

命に別状がないくらいにまで回復させた

あぁこれは５日の昏睡状態と一時的な記憶喪失になりそうだなぁ…

私は深い眠りについたのだった