「そこでおとなしくしてなさい
あの近界民は…私が始末するわ」

そう言って木虎は駆け出していった

「キトラ行っちまったぞ
どうすんだ?オサム」
「…ぼくも現場に向かう」
「武器無しで行く気？」
「またやられるぞ」
「わかってる
学校の時みたいな無茶はしない
今回はA級の木虎がいる
近界民は木虎に任せる
ぼくは街の人を助けに行く
武器がなくてもやれることはあるはずだ」
「ふむ。それがいいな
よしじゃあおれも手伝うか？」
「いや…空閑は木虎に付いてくれ
木虎もはじめて見る近界民だ
いくらA級でも一人じゃ手に負えないかもしれない」
「なるほど。木虎がやばくなったら遊真が手を貸すってことね」
「あぁばれない程度にな」
「本人が自分でやるって言ってんだから放っておいてもいいんじゃないの？」
「頼む」

修の真剣な眼差しに遊真は根負けした
遊真からレプリカの分身を預かり私と修は救助に、遊真は木虎のフォローに向かった




「修！そこ真っ直ぐ行ったところに人の匂いがする！」
「分かった！」

私の鼻はこういう時に役に立つ
瓦礫に埋もれている人も見つけ出せる

救助をしていた私達の目の前の女の子が瓦礫に埋もれている母親を助けようとしていたが急に女の子の上から瓦礫が落ちてきた

反射神経の良かった私は直ぐに助けに行く

瓦礫に当たったけどトリオン体なのでほとんどダメージを受けなかった

「大丈夫？怪我はない？」
「うん…平気」

修と二人で瓦礫を退かし市民を助け出した

「急いで避難してください！
けが人には手を貸して！
他に逃げ遅れた人をご存知の方はいませんか！？」
「むこうのデパートにまた人が…」
「修ここはもう大丈夫そうだよ」
「分かった、すぐ行きます！」