「遊真がこっちの世界に来た理由？
それって父親の知り合いに会うためじゃないの…？」

レプリカは私に語ってくれた
遊真と有吾さんのこと、有吾さんが黒トリガーになったときのこと、サイドエフェクトのこと

『そうしてユーマはいくつかの国を渡ってこちらの世界にやってきた』
「じゃあ遊真が歳のわりに小柄なのって…」
『そうトリオンの肉体に成長する機能はない
ユーマの体は１１歳の時から変化していない』
「それってもしかして不老不死…？」
『いや有吾の力をもってしてもそれは不可能だ
指輪の中に封印されたユーマの本当の体は今もゆっくりと死へ向かっている
ユーマの肉体が完全に死んだときトリオンの身体も消滅するだろう』
「それをどうにかするためにボーダーに？」
『私の目的はそうだった
しかしユーマの目的は違う』
「違う…？」
『ユーマは有吾がすべてを注ぎ込んだ黒トリガーから父親を蘇らせることができないかと考えていた
しかし先ほどの最上宗一の件でボーダーでもそれは無理だということがわかってしまった
ユーマにはもう生きる上での目的はない』
「生きる上での目的、ね」
『願わくば椿、ユーマに目的を与えてやってほしいユーマにはそれが必要だ』