狙撃手泣かせのサイドエフェクト
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ー三雲家ー
僕はミニレプリカにサイドエフェクトについて教えてもらっていた
『高いトリオン能力を持つ人間はトリオンが脳や感覚器官に影響を及ぼして稀に超感覚を発現する場合がある
それらの超感覚を総称してサイドエフェクトという
意味は副作用』
「副作用…
超能力みたいなもんなのか?」
『炎を出したり空を飛んだりといった超常的なものではない
あくまで人間の能力の延長戦上のものだ』
『目閉じてる間だけめちゃくちゃ耳がよくなるやつとかいたな
何百メートル先の会話とかも聞こえるんだと』
「なるほど…
迅さんがやたら余裕な感じなのはよっぽどすごい
『副作用持ってても持ってなくてもあのいつでも余裕綽々な感じが私は苦手だけどね』
「椿も聞いてたのか」
『当たり前でしょ
私もサイドエフェクトってなんなのか知りたいし…
てかそんなすごい副作用なんかあるの遊真?』
『まぁ明日も会えるんだろ?
そんとき訊いてみればいいじゃん』
そう言うと遊真の方から何かゴトゴトっと音がした
『遊真?今どこにいるの?』
『え、今?学校』
「学校!?こんな時間に!?」
『レプリカがイレギュラー門の原因に心当たりあるって言うからちょっと調べまわってる』
『ボーダーに任せるんじゃなかった?』
『なんか見つかったらオサムと椿にも教えてやるよ
じゃまた明日』
『遊真待って、私異様に嗅覚鋭いんだけど…
これってサイドエフェクト?』
『可能性はあるよ』
「そういえば椿は何キロも先の匂いがわかるって言ってたな」
『副作用だとしたら納得だね
遊真ありがとう、私もう寝るね。おやすみ』
『おう、おやすみ
オサムおれも調べてるからまた明日な』
「あぁ」
それにしても椿は副作用持ってたんだな
長年一緒にいるから当たり前になってたけどよく
考えたらおかしいのか
幼い頃から嗅覚のせいで気味悪がられたりすることも多かったけど副作用のせいだったなら納得がいくな
翌日私は修と迅さんと待ち合わせをした場所で待ってた
「椿、おはよう」
「おはよう修」
「迅さんは?」
「まだ来てないよ」
数分後
「ようメガネくんに柴田ちゃん
おまたせ」
「あ、おはようございます」
「遅れてるのになんでお菓子食ってゆっくり歩いて来てるんですか」
迅の態度に腹が立ち睨み付ける
「あ、これ?ぼんち揚げ
二人も食う?」
「僕は結構です」
「いるわけないでしょ。さっさと行きましょう」
「つれないなぁ」
言葉とは裏腹に残念そうじゃない顔がまた腹立つ
そうしてしばらく三人で歩いていると迅が立ち止まった
「この先にイレギュラー門の原因を知る人間がいる」
「迅さんの知ってる人ですか?」
「いや全然」
「「……え!?」」
「でも、たぶん二人の知り合いだと思うよ」
「ぼくたちの…!?
どういう意味ですか!?」
まさかそれが迅さんのサイドエフェクトか?
そうして先に進むと立入禁止の警戒区域のなかにその人物はいた
「ん?」
「「空閑/遊真!?」」
「おっやっぱり知り合い?」
「おうオサム、椿
…と、どちらさま?」
「おれは迅悠一!よろしく!」
「ふむ?そうかあんたがウワサの迅さんか」
「おまえちびっこいな!何歳だ?」
「おれは空閑遊真
背は低いけど15歳だよ」
「空閑遊真…遊真ね…
おまえむこうの世界から来たのか?」
その言葉に警戒する私たち
「いやいや待て待て
そういうあれじゃない
おまえを捕まえるつもりはない」
「あんた胡散臭いから信用できないな」
「柴田ちゃん酷いな…
おれはむこうに何回か行ったことがあるし
近界民にいいやつがいることも知ってるよ」
「……」
「ただおれの副作用がそう言ったからちょっと訊いてみただけだ」
「ほう…?」
「迅さんの副作用って?」
「おれには未来が見えるんだ
目の前の人間の少し先の未来が」
未来っ!?
そんな副作用もあるの?
「昨日基地でメガネくんと柴田ちゃんを見たとき今日この場所で誰かと会ってる映像が見えたんだ
その誰かがイレギュラー門の謎を教えてくれるていう未来のイメージだな
それがたぶんこいつのことだ」
だとしたら遊真は原因を突き止めたの?
「犯人はこいつだった」
そう言って小型のトリオン兵を持ち上げる
詳しくはレプリカが説明してくれた
このトリオン兵は隠密偵察用小型トリオン兵"ラッド"
門発生装置を備えたトリオン兵らしい
昨日と一昨日の現場を調べたらどうやらバムスターの体内にいてラッドはバムスターから分離した後地中に隠れ、周囲に人がいなくなってから移動して散らばっていく
人間の多い場所付近で門の起動準備に入り、近くを通る人間から少しずつトリオンを集め門を開く
ボーダー隊員の近くで門が開くことが多いのは高いトリオン能力を持つ人間からは大量のトリオンを得られるからだそうだ
偶然その場に居合わせた隊員が居たからって木虎は言ってたけどあれは偶然ではなかったのか…
「つまりそのラッドを全部倒せば…」
「いやーきついと思うぞ」
『ラッドは攻撃力を持たない
いわゆる雑魚だが、その数は膨大だ
今探知できるだけでも数千体が街に潜伏している』
「数千…!」
「全部殺そうと思ったら何十日もかかりそうだな」
「いやめちゃくちゃ助かった
こっからはボーダーの仕事だな」
その後迅は基地に帰り事の経緯を報告
迅の指揮のもとC級隊員まで動員した小型トリオン兵の一斉駆除作戦が昼夜を徹して行われた
『反応はすべて消えた
ラッドはこれで最後のはずだ』
「よーし作戦完了だ
みんなよくやってくれた
おつかれさん!」
「これでもうイレギュラー門は開かないんですよね?」
「うん今日からまた平常運転だ」
「よかった…」
「しかしホントにまにあうとは
やっぱ数の力は偉大だな」
「なに言ってんだ
まにあったのはおまえとレプリカ先生のおかげだよ
おまえがボーダー隊員じゃないのが残念だ
表彰もののお手柄だぞ」
「そこで盛り上がってるところ申し訳ないんだけど…
迅さん私をこき使いすぎじゃないですか…」
迅の背後から疲れきってヨレヨレの椿の姿があった
「いやーだって柴田ちゃん鼻が効くんだもん」
「だからって端から端まで休憩なく走り回らせるやつがあるか!」
「トリオン体だから大丈夫でしょ?」
「そういう問題じゃないっ!」
迅と椿が言い合いをしていると遊真が提案してきた
「迅さん、おれの手柄オサムと椿にツケといてよ
そのうち返してもらうから」
「あーそれいいかもな
メガネくんと柴田ちゃんの手柄にすればクビ取り消しとB級昇進はまちがいない」
「ま、待ってください
ぼくほとんど何もしてないですよ!?」
「メガネくんがいなかったら遊真たちに会えてないし地味に重要人物なんじゃない?」
「そんな無理やりな…」
「いいじゃん、もらっとけば?遊真の手柄無しになっちゃうじゃん」
「B級に上がれば正隊員だ
基地の外で戦っても怒られないしトリガーも戦闘用のが使える
おれの経験から言って…パワーアップはできるときにしとかないといざって時に後悔するぞ
それにたしかメガネくんは…
助けたい子がいるからボーダーに入ったんじゃなかったっけ?」
「修、迅さんの言う通りだよ
でも私はクビ取り消しだけでいいよ」
「柴田ちゃんも助けたい子がいるんじゃないの?」
「いるよ
でもB級にすぐ上がれるから」
「へぇ自信あるんだ」
「当たり前、なめないで」
「じゃあそういう風に報告しておくよ」
「頼みましたよ、迅サン」
そう言って去っていったエリート詐欺師…じゃなかった実力派エリート
「椿はいいのか?おれと同じくらいの成績だっただろ?」
「修が上に上がるの待ってたんだよ
どうせなら一緒に上がりたいじゃん」
「実は椿って強かったのか」
「確かに椿が本気で戦ってるところはあんまり見ないな」
「強くはないけど弱くもないと思うよ
まぁ楽しみにしてて
明日一日で上がってみせるから」