「お、おいあれ…」
「こっちに落ちてくるぞ！」

市民が見つめる先はこちらに向かって墜落してくるイルガーの姿があった

「急いで地下室へ！」
「早くっ！こっちです！！」

市民を誘導しながらも先ほど別れた木虎と遊真の様子が心配だ
遊真がついているから大丈夫だとは思うが…

すると墜落中のイルガーは何かに引っ張られ川に落ち爆発した
遊真だろうか、それとも木虎？






「あのまま生き埋めかと思った
君たちのおかげで助かったよ」
「ありがとうございます！」
「いえ、ぼくは当たり前のことをしただけで…
そんな大したことは…」

市民の皆さんにお礼を言われていると上に木虎が居るのが見えた

「あっ！彼女です、彼女が近界民を倒してくれたんです」
「そうなのか！？」
「あっあれ嵐山隊の木虎じゃん！」
「ありがとう！
さすがA級隊員だ！」
「命の恩人だな！」

なぜか固まっている木虎に遊真がなにやら話していた
このまま穏やかに終息するかと思ったが…

「馬鹿言うな！
なにが助かっただ！
うちの店は壊されちまったんだぞ！」
「おれの家もだ」
「うちのマンションも」
「ボーダーは何をやってる！？」
「なんで街に近界民がでるんだ！？」
「それは…」

狼狽える修に市民は強い口調で告げる
確かに被害を受けた側として完全に助かったとは言えないだろう
しかし、救助をしていた修に対して言うべき台詞なのかと沸々と怒りが沸いて来た時木虎が目の前に現れ冷静に対処した

「近界民による新手の攻撃です
詳しくは近々ボーダーから発表があると思います
損害の補償に関する話はその時に
C級隊員は下がってなさい私が対応するわ」

そう言って対処した木虎は流石A級隊員とでも言うべきか
とても格好良かった






「街がこんなに壊されるなんて…」
「四年半ぶりに見たね」
『イレギュラーな門をどうにかしない限り
また同じようなことが起こる可能性があるな』

そうだいくらイルガーを倒したからと行って近界民からの攻撃はやまないだろう
どうにかすると言っても私達が出来ることなんて少ないだろう

「あんまり考えこむなよ
イレギュラー門はボーダーがどうにかするだろ」
「遊真の言う通りだと思うよ
私達は精一杯救助したんだし」
「ここから先はボーダーのお手並み拝見だな」