大事な家族
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-レイアと双子を別れて10年以上経った…。
魔族の俺からしてみれば10年なんて短いのに、とても長く感じる…-
「フゥ…」
パタンと持っていた本をセオランはとじると、近くに置いてある山となっている本の上に乗せる。
ここはアスタルテ領の城内にある書斎であり、当主のセオランは大量の本の中に籠りずっと本を読み続けていたのだ。
彼が小シマロンが治めている島の1つ、フェリーア島から戻ってきて10年が経った。
そして戻って来た彼は幼馴染であるウィールナ卿ラネンと結婚したが、子どもはいないのはセオラン自身、すでに子どもがいるからこそだった。
コンコン
「?」
「失礼します」
書斎の扉からノック音が聞こえてくると同時にガチャリと音がなり、1人の魔族が入って来る。
「グウェンダルか。お前来てたのか?」
「はい。母上がラネン様に会いたいと言い出したので…」
中に入ってきたのはセオランのもう一人の幼馴染でもあるツェリの息子、灰色の髪の毛に青い瞳を持つグウェンダルだった。
「またラネンのところか」
ツェリの性格を知っているからこそ、彼はただ小さく溜め息をついたが、それを見ていたグウェンダルはどうしても思っていた事をセオランに尋ねる。
「…母上が言っていましたが、セオラン様とラネン様は結婚して10年以上経つのに、子どもがいなくて残念だと…」
「……」
セオランは横目でグウェンダルをチラッとみたが、すぐに視線を戻し普段と変わらない表情で答える。
「子どもは作らないって、約束したんだよ」
「は?」
まさかの答えにグウェンダルは驚く。
「結婚する時の条件として決めたんだ。だからアイツとの間に子どもはいない。」
それだけだ、と淡々と話すセオランにグウェンダルは信じられなかった。
「しかし、それでは…」
「ラネンも承知だぞ?俺達の親もな」
「……」
いくら結婚前に決めた事だがからといって、本当にそれでいいのか分からなかったグウェンダルは何も言えなかった。
「?」
するとグウェンダルは書斎の壁にかかっている肖像画を見つける。
「…セオラン様、この絵は…」
グウェンダルの問いにセオランはその絵を見ると、『ああ、』と懐かしむような、そして愛おしそうに微笑む。
「セオラン様?」
セオランの見た事の無い表情に不思議に思ったが、その表情に見覚えがあった。
それはツェリが自分やコンラートに向ける表情、家族を慈しむ表情と同じだったのだ。
「ま、隠しても仕方ないから言うが、その絵は俺の家族だよ」
「家族?」
彼の家族に、絵に描かれている人物達を見た事が無い。
「ああ、ラネンと結婚する前にな」
「……」
「妻のレイア、子どものセルセとアリアだ。あ、2人は双子だからな」
ケラケラ笑いながら説明するセオランを見てグウェンダルは信じられない口調になる。
「ラネン様も、セイラン様達も知っているのですか?秘密で結婚していた上に子どもまでいると…」
「もっちろん。それを承諾して父さん達は結婚の話を進めたんだよ」
「なぜ…」
するとセオランはどこか悲しそうな顔になる。
「レイアが人間だからだ」
「人間…!?」
まさか人間と結婚していた事を知ったグウェンダルは少なからず嫌悪感が出てしまったのは、魔族と人間の仲が悪い故でもあった。
「俺は魔族だ、人間だってこだわる気は無い。たまたま好きになった女が人間だっただけの話だ。
レイアと別れたのも、色々あったんだよ…。
だからその事も全て話、それを聞いたうえでラネンは俺との結婚を望んだ。それを決めたのもアイツ自身なんだよ」
そう言い切ったのだ。
「……」
自分の考え、プライドを持って話したセオランを見て、それ以上何も言えなかった。
彼は書斎から出ると中庭でお茶をしているツェリとラネン、セオランの妹と弟であるエレナとエインがいる所へ赴く。
魔族の俺からしてみれば10年なんて短いのに、とても長く感じる…-
「フゥ…」
パタンと持っていた本をセオランはとじると、近くに置いてある山となっている本の上に乗せる。
ここはアスタルテ領の城内にある書斎であり、当主のセオランは大量の本の中に籠りずっと本を読み続けていたのだ。
彼が小シマロンが治めている島の1つ、フェリーア島から戻ってきて10年が経った。
そして戻って来た彼は幼馴染であるウィールナ卿ラネンと結婚したが、子どもはいないのはセオラン自身、すでに子どもがいるからこそだった。
コンコン
「?」
「失礼します」
書斎の扉からノック音が聞こえてくると同時にガチャリと音がなり、1人の魔族が入って来る。
「グウェンダルか。お前来てたのか?」
「はい。母上がラネン様に会いたいと言い出したので…」
中に入ってきたのはセオランのもう一人の幼馴染でもあるツェリの息子、灰色の髪の毛に青い瞳を持つグウェンダルだった。
「またラネンのところか」
ツェリの性格を知っているからこそ、彼はただ小さく溜め息をついたが、それを見ていたグウェンダルはどうしても思っていた事をセオランに尋ねる。
「…母上が言っていましたが、セオラン様とラネン様は結婚して10年以上経つのに、子どもがいなくて残念だと…」
「……」
セオランは横目でグウェンダルをチラッとみたが、すぐに視線を戻し普段と変わらない表情で答える。
「子どもは作らないって、約束したんだよ」
「は?」
まさかの答えにグウェンダルは驚く。
「結婚する時の条件として決めたんだ。だからアイツとの間に子どもはいない。」
それだけだ、と淡々と話すセオランにグウェンダルは信じられなかった。
「しかし、それでは…」
「ラネンも承知だぞ?俺達の親もな」
「……」
いくら結婚前に決めた事だがからといって、本当にそれでいいのか分からなかったグウェンダルは何も言えなかった。
「?」
するとグウェンダルは書斎の壁にかかっている肖像画を見つける。
「…セオラン様、この絵は…」
グウェンダルの問いにセオランはその絵を見ると、『ああ、』と懐かしむような、そして愛おしそうに微笑む。
「セオラン様?」
セオランの見た事の無い表情に不思議に思ったが、その表情に見覚えがあった。
それはツェリが自分やコンラートに向ける表情、家族を慈しむ表情と同じだったのだ。
「ま、隠しても仕方ないから言うが、その絵は俺の家族だよ」
「家族?」
彼の家族に、絵に描かれている人物達を見た事が無い。
「ああ、ラネンと結婚する前にな」
「……」
「妻のレイア、子どものセルセとアリアだ。あ、2人は双子だからな」
ケラケラ笑いながら説明するセオランを見てグウェンダルは信じられない口調になる。
「ラネン様も、セイラン様達も知っているのですか?秘密で結婚していた上に子どもまでいると…」
「もっちろん。それを承諾して父さん達は結婚の話を進めたんだよ」
「なぜ…」
するとセオランはどこか悲しそうな顔になる。
「レイアが人間だからだ」
「人間…!?」
まさか人間と結婚していた事を知ったグウェンダルは少なからず嫌悪感が出てしまったのは、魔族と人間の仲が悪い故でもあった。
「俺は魔族だ、人間だってこだわる気は無い。たまたま好きになった女が人間だっただけの話だ。
レイアと別れたのも、色々あったんだよ…。
だからその事も全て話、それを聞いたうえでラネンは俺との結婚を望んだ。それを決めたのもアイツ自身なんだよ」
そう言い切ったのだ。
「……」
自分の考え、プライドを持って話したセオランを見て、それ以上何も言えなかった。
彼は書斎から出ると中庭でお茶をしているツェリとラネン、セオランの妹と弟であるエレナとエインがいる所へ赴く。