収穫祭
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血盟城の庭ではセルセとエイル、コンラートが立っていると、そこにギュンターが歩いて来る。
「コンラート、セルセ、陛下はまだこちらにお着きにならないのですか?」
「眞王廟に到着したのを確認できたら、ヴォルがのろしを上げるはずだけど?」
「あぁあ!わたくしとした事が、なぜヴォルフラム1人に行かせてしまったのでしょう!
どうせ単細胞なあの子の事です。陛下に会えた喜びでこちらへの合図など、スッカリポン!っと忘れているはずに決まっています!」
「(ひでぇ言われよう…)」
「(コンラート義兄(ニイ)様の前で…)」
いくら親しい仲だからと言って、兄の目の前で弟の悪口を言うギュンターにセルセとエイルは苦笑する。
「その可能性は捨てきれないが…。
ギュンター、出迎えの役目はヴォルフラムに任せて、いつも微妙に救われない婚約者殿に今回ぐらいは、花を持たせてやろうなんて殊勝な事を言ったのは誰だったかな?」
「それは確かにわたくしですが、年長者としての判断と陛下をお慕いする複雑な男心は別物なんです」
「やれやれ、困った男心だな」
「てか、面倒だな」
「本当ですね」
するとコンラートは何かに気づく。
「あれ?」
「どうした?」
「向こうから誰か…、」
「あ、あれはまさか」
3人は驚いて彼を見ると、そこには馬で歩いて来る健だったのだ。
そしてその健は遠くで手を振っている。
「おーい、やっほー!元気だったー?」
「猊下?」
「でも、どうして猊下だけが?」
元々ヴォルフラムが向かえに行ったのは有利のはずだった。
なのに血盟城へ来たのは健1人。
「まぁ、早い話しが渋谷の代理?」
「代理?それで、陛下は?」
「中間テストが算段たる結果で、赤点追試で地球居残り」
「ああ、陛下!なんという、お労しい…!!」
と、健から聞いたギュンターは泣き崩れるが、健は全く気にしていない。
「ま~ね。それで本人、メチャクチャ焦ってて『このままじゃおれ留年しちゃうかも!助けてムラえもん!』って泣きついてきたからさ、」
「それで、猊下はどうなされたのですか?」
「軽く無視して僕だけこっちに来ちゃった、テヘvv」
そう笑顔で話した健。
「え?」
「無視して?」
まさかの答えにセルセとエイルは呆気となる。
「って、え~~~!?猊下、それ陛下に対してあまりにも酷い仕打ち!」
「いいんだよ。夏休みの間、僕がどんなに勉強しろよって言っても聞き入れなくて、ずーっとずーっとずぅーっと草野球と野球観戦とバイトで明け暮れた渋谷の、言ってみれば自業自得なんだから」
「珍しく陛下に手厳しいですね、猊下」
「いや~?僕は基本的に渋谷有利に対してはスパルタだから。
甘やかすばっかのウェラー卿と違ってね」
まさか自分の事を言われるとは思っていなかったコンラートは驚く。
「え?俺、甘やかしてますか?」
「うん。幼馴染のお庭番の彼や君の奥さん、親衛軍隊隊長にもよく言われてるだろ?甘やかしてるよ、ベッタベッタに」
「「(確かに)」」
そう心の中で思った2人だが、突然怒鳴り声が聞こえてくる。
「そうだ!もっと言ってやれ、ムラタ!大賢者!」
「ってか、居たの?ヴォル」
セルセの冷たい一言だったが、それに気にしないヴォルフラムは怒り続ける。
「コイツの節操の無さ甘やかし方は多いに問題だぞ!」
「居ないのかと思ったよ」
「会話に混ざらなかっただけで、さっきからここに居ただろうが!
だいたいコンラート、お前、城の者達に最近何と言われているか知っているのか?」
突然会話を変え、コンラートはキョトンとする。
「え?知らない。何か言われてるか?」
「カルガモだ!カルガモ!」
「「カルガモ…?」」
まさかのカルガモ。
なぜ彼がそう言われ始めているのは、ヴォルフラムは丁寧に説明する。
「ユーリの早朝練習に付き合って、雛鳥みたいにチョロチョロと付いて回るから」
「コンラート、そんなあだ名が付くなんて…嫉妬!」
「へぇ~、そうなんだ。それはまた可愛らしいな」
「確かに可愛いけど、」
「カルガモって言ったらエイルの方が似合うんじゃねぇか?」
「僕ですか?」
なーんて、のん気な事を言っている3人だったが…。
「照れるな!!誰も褒めてないぞ!」
怒鳴るヴォルフラムに健はなだめる。
「まぁ、カルガモならまだいいよ。
ウェラー卿の真の渋谷誘導作戦は、かなり巧妙かつ悪質だからねぇ。
おかげで心弱くなった渋谷は貴方と双子の姿を見た途端、親鳥の姿を見てピーピー泣き出す雛鳥みたいだろ?」
「(雛鳥…)」
「(てか、俺も入ってんのかよ)」
「猊下、それは酷い。そんな作戦を俺は仕組んでいませんよ」
無実だと言うが、ヴォルフラムは全然話しを聞かない。
「いーや、お前は昔からそういう腹黒い男だ。僕は知っているぞ」
「コンラート、油断も隙も無い!」
「待て!お前達も落ち着け。
ったく…、待って下さいよ、猊下。どうしてこんな話しになるんですか?」
「なーんだ、そんなの簡単な理由だよ」
そう聞かれた健は笑って話そうとする。
そして…。
「僕がウェラー卿を気に入らないから」
「「「え?」」」
まさか理由にコンラートだけではなく、セルセとエイルも驚く。
「僕さぁ、自分の気に入っているモノを人に取られるの大嫌いなんだよね。もっと許せないのはさ、最後に味わって食べようと思って一生懸命我慢して残したケーキの苺を、『あれ?食べないんですか?』とか言って、パクっと口に放り込んじゃう奴。ウェラー卿ってそういう所あるよね~」
「えぇ!?」
「「あるあるあるある」」
ヴォルフラムとギュンターは力強く頷く。
「ちょっと待て!」
部屋へ赴きながら6人は歩きながら話しを続ける。
「だいたいコンラートはズルイんですよ!まぁ以前はね、貴方も苦労が多かったでしょうから、1人目立ってしまっても仕方あるまいと、わたくしも泣く泣く我慢しましたよ?」
「そうだ!でも大シマロンから帰ってきたら、きっと出番も減って少しは大人しくなるだろうと思ったのに、大間違いだった!!」
「全くですよ!毎回最後にチラッと出てきては、良い声出して、おいしい所全部持ってくその汚い仕事ぶり!例え眞王陛下がお許しになってもわたくしが許しませんよ!!」
「そんな事言われても、」
「(嫉妬って怖いな)」
「(陛下が義兄様に慕っているからって)」
と、自分達に被害がない2人は他人の様に彼らを見ている。
「コンラート、セルセ、陛下はまだこちらにお着きにならないのですか?」
「眞王廟に到着したのを確認できたら、ヴォルがのろしを上げるはずだけど?」
「あぁあ!わたくしとした事が、なぜヴォルフラム1人に行かせてしまったのでしょう!
どうせ単細胞なあの子の事です。陛下に会えた喜びでこちらへの合図など、スッカリポン!っと忘れているはずに決まっています!」
「(ひでぇ言われよう…)」
「(コンラート義兄(ニイ)様の前で…)」
いくら親しい仲だからと言って、兄の目の前で弟の悪口を言うギュンターにセルセとエイルは苦笑する。
「その可能性は捨てきれないが…。
ギュンター、出迎えの役目はヴォルフラムに任せて、いつも微妙に救われない婚約者殿に今回ぐらいは、花を持たせてやろうなんて殊勝な事を言ったのは誰だったかな?」
「それは確かにわたくしですが、年長者としての判断と陛下をお慕いする複雑な男心は別物なんです」
「やれやれ、困った男心だな」
「てか、面倒だな」
「本当ですね」
するとコンラートは何かに気づく。
「あれ?」
「どうした?」
「向こうから誰か…、」
「あ、あれはまさか」
3人は驚いて彼を見ると、そこには馬で歩いて来る健だったのだ。
そしてその健は遠くで手を振っている。
「おーい、やっほー!元気だったー?」
「猊下?」
「でも、どうして猊下だけが?」
元々ヴォルフラムが向かえに行ったのは有利のはずだった。
なのに血盟城へ来たのは健1人。
「まぁ、早い話しが渋谷の代理?」
「代理?それで、陛下は?」
「中間テストが算段たる結果で、赤点追試で地球居残り」
「ああ、陛下!なんという、お労しい…!!」
と、健から聞いたギュンターは泣き崩れるが、健は全く気にしていない。
「ま~ね。それで本人、メチャクチャ焦ってて『このままじゃおれ留年しちゃうかも!助けてムラえもん!』って泣きついてきたからさ、」
「それで、猊下はどうなされたのですか?」
「軽く無視して僕だけこっちに来ちゃった、テヘvv」
そう笑顔で話した健。
「え?」
「無視して?」
まさかの答えにセルセとエイルは呆気となる。
「って、え~~~!?猊下、それ陛下に対してあまりにも酷い仕打ち!」
「いいんだよ。夏休みの間、僕がどんなに勉強しろよって言っても聞き入れなくて、ずーっとずーっとずぅーっと草野球と野球観戦とバイトで明け暮れた渋谷の、言ってみれば自業自得なんだから」
「珍しく陛下に手厳しいですね、猊下」
「いや~?僕は基本的に渋谷有利に対してはスパルタだから。
甘やかすばっかのウェラー卿と違ってね」
まさか自分の事を言われるとは思っていなかったコンラートは驚く。
「え?俺、甘やかしてますか?」
「うん。幼馴染のお庭番の彼や君の奥さん、親衛軍隊隊長にもよく言われてるだろ?甘やかしてるよ、ベッタベッタに」
「「(確かに)」」
そう心の中で思った2人だが、突然怒鳴り声が聞こえてくる。
「そうだ!もっと言ってやれ、ムラタ!大賢者!」
「ってか、居たの?ヴォル」
セルセの冷たい一言だったが、それに気にしないヴォルフラムは怒り続ける。
「コイツの節操の無さ甘やかし方は多いに問題だぞ!」
「居ないのかと思ったよ」
「会話に混ざらなかっただけで、さっきからここに居ただろうが!
だいたいコンラート、お前、城の者達に最近何と言われているか知っているのか?」
突然会話を変え、コンラートはキョトンとする。
「え?知らない。何か言われてるか?」
「カルガモだ!カルガモ!」
「「カルガモ…?」」
まさかのカルガモ。
なぜ彼がそう言われ始めているのは、ヴォルフラムは丁寧に説明する。
「ユーリの早朝練習に付き合って、雛鳥みたいにチョロチョロと付いて回るから」
「コンラート、そんなあだ名が付くなんて…嫉妬!」
「へぇ~、そうなんだ。それはまた可愛らしいな」
「確かに可愛いけど、」
「カルガモって言ったらエイルの方が似合うんじゃねぇか?」
「僕ですか?」
なーんて、のん気な事を言っている3人だったが…。
「照れるな!!誰も褒めてないぞ!」
怒鳴るヴォルフラムに健はなだめる。
「まぁ、カルガモならまだいいよ。
ウェラー卿の真の渋谷誘導作戦は、かなり巧妙かつ悪質だからねぇ。
おかげで心弱くなった渋谷は貴方と双子の姿を見た途端、親鳥の姿を見てピーピー泣き出す雛鳥みたいだろ?」
「(雛鳥…)」
「(てか、俺も入ってんのかよ)」
「猊下、それは酷い。そんな作戦を俺は仕組んでいませんよ」
無実だと言うが、ヴォルフラムは全然話しを聞かない。
「いーや、お前は昔からそういう腹黒い男だ。僕は知っているぞ」
「コンラート、油断も隙も無い!」
「待て!お前達も落ち着け。
ったく…、待って下さいよ、猊下。どうしてこんな話しになるんですか?」
「なーんだ、そんなの簡単な理由だよ」
そう聞かれた健は笑って話そうとする。
そして…。
「僕がウェラー卿を気に入らないから」
「「「え?」」」
まさか理由にコンラートだけではなく、セルセとエイルも驚く。
「僕さぁ、自分の気に入っているモノを人に取られるの大嫌いなんだよね。もっと許せないのはさ、最後に味わって食べようと思って一生懸命我慢して残したケーキの苺を、『あれ?食べないんですか?』とか言って、パクっと口に放り込んじゃう奴。ウェラー卿ってそういう所あるよね~」
「えぇ!?」
「「あるあるあるある」」
ヴォルフラムとギュンターは力強く頷く。
「ちょっと待て!」
部屋へ赴きながら6人は歩きながら話しを続ける。
「だいたいコンラートはズルイんですよ!まぁ以前はね、貴方も苦労が多かったでしょうから、1人目立ってしまっても仕方あるまいと、わたくしも泣く泣く我慢しましたよ?」
「そうだ!でも大シマロンから帰ってきたら、きっと出番も減って少しは大人しくなるだろうと思ったのに、大間違いだった!!」
「全くですよ!毎回最後にチラッと出てきては、良い声出して、おいしい所全部持ってくその汚い仕事ぶり!例え眞王陛下がお許しになってもわたくしが許しませんよ!!」
「そんな事言われても、」
「(嫉妬って怖いな)」
「(陛下が義兄様に慕っているからって)」
と、自分達に被害がない2人は他人の様に彼らを見ている。