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「コンラート、これからこの2人も一緒に旅をする事になった。
セルセ・ディオネとアリア・ディオネだ」
ある日の朝、コンラートの下に連れて来られたのは双子の兄妹だった。
「双子、これは俺の息子のコンラートだ。これらか仲良くな」
「はい、」
「………」
「?」
ダンヒーリーの隣にいる双子のうち、兄であるセルセは小さく頷くが、妹のアリアは何も言わずに只セルセの服を掴んだまま俯いていた。
そんなアリアにコンラートは不思議に思うしかなかった。
しばらくして、コンラートとセルセは仲良くなり、色々な話しをしたり遊んだりするようになった。
だが、今だアリアだけはセルセとダンヒーリーのみにしか話さなかった。
「セルセ」
「ん?」
コンラートに声をかけられたセルセは、読んでいた本から彼の方を見る。
「アリアはどうしておれと話そうとしないんだ?」
「……」
「一緒にくらすようになってから、しばらくたつのに…」
初めて会った時はアリアは何の反応も示さず、セルセの後ろで怯えていた。
最近になって頷いたりする様な反応は示してきてくれたが、ちゃんと会話をした事は無かった。
「…前の家でいろいろあったから」
「いろいろ?」
「うん。だから他人と接するのが怖いんだよ、アリアは」
「………」
本当はもっと詳しく聞きたかったが、セルセの悲しそうな顔を見たコンラートは何も聞けなくなる。
「でも、すこしずつアリアもコンラートになれてきてるから、もう少し待っててくんない?」
「…ああ、わかったよ」
セルセにそう言われたコンラートは、いつもと同じようにアリアに接した。
そんな日の夜、静かにドアが閉じる音が聞こえ、コンラートは目を覚ました。
不思議に思った彼は隣のベッドを見ると、セルセはいるのにアリアがいない事に気づく。
「(アリアがいない…?)」
コンラートはすぐにベッドから降りると、部屋の外を出てアリアを探し出す。
家の中にはどこにいなく、外へ出てみると膝を抱えてうずくまっているアリアがいたのだ。
「(…泣いてる?)」
アリアに近づいたコンラートは彼女が泣いてる事に気づく。
なんと言えばいいか分からなかったが、小さな声で『母様』と言っているのだ。
それを聞いたコンラートはハッとなる。
自分には父も母も、兄と弟もいる。
だが、双子には父も母もいないと聞いたのだ。
両親のいない気持ちが分からないコンラートは、静かにアリアに近づき彼女の頭にそっと触れる。
「!?」
驚いたアリアはコンラートを見上げる。
コンラートは何も言わずに、ただアリアの頭も撫でていた。
「…っ うえっ 母さまぁ!」
とうとう泣き出したアリアは、今まで自分の頭を撫でていたコンラートにしがみ付く。
「…アリアのお母さんじゃないけど、おれもセルセも父上もいるから」
アリアを抱きしめたまま、コンラートはそう呟いた。
しばらくして泣き止んだアリアを見てホッとしたコンラートは、部屋へ戻ろうとさとし、家の中へ戻ろうとした。
するとクンッと、自分の服を引っ張っているのが分かる。
振り向くとアリアがコンラートの服を引っ張っていたのだ。
どうしたのか聞こうとすると、アリアは小さな声で呟く。
「……コンラト…」
「!」
初めてアリアから自分の名前を言ってもらえ、コンラートは一瞬驚いたが、すぐに嬉しそうな顔になりアリアの手を握る。
「戻ろう。セルセがきっと待ってる」
「(コクン)」
小さく頷き2人は手を繋いだまま部屋へ戻ると、ベッドの上でセルセが目を覚まして座っていた。
「起きてたのか?」
「まあね。アリア、寝よう」
「うん」
セルセにそう言われたアリアは、コンラートの手を握ったままセルセのベッドの中へ入ろうとする。
「アリア?」
「?」
引っ張られたコンラートも、セルセも頭に?が飛ぶ。
「コンラトも一緒に寝るの」
そう言ってさっさとセルセの隣に寝転んだアリアに、2人はクスクスと笑い1つのベッドで3人仲良く眠った。
翌朝、それを見たダンヒーリーも微笑ましく笑っていたのだった。
fin
(2009/09/20)
(re:2017/07/02,2024/07/12)
セルセ・ディオネとアリア・ディオネだ」
ある日の朝、コンラートの下に連れて来られたのは双子の兄妹だった。
「双子、これは俺の息子のコンラートだ。これらか仲良くな」
「はい、」
「………」
「?」
ダンヒーリーの隣にいる双子のうち、兄であるセルセは小さく頷くが、妹のアリアは何も言わずに只セルセの服を掴んだまま俯いていた。
そんなアリアにコンラートは不思議に思うしかなかった。
しばらくして、コンラートとセルセは仲良くなり、色々な話しをしたり遊んだりするようになった。
だが、今だアリアだけはセルセとダンヒーリーのみにしか話さなかった。
「セルセ」
「ん?」
コンラートに声をかけられたセルセは、読んでいた本から彼の方を見る。
「アリアはどうしておれと話そうとしないんだ?」
「……」
「一緒にくらすようになってから、しばらくたつのに…」
初めて会った時はアリアは何の反応も示さず、セルセの後ろで怯えていた。
最近になって頷いたりする様な反応は示してきてくれたが、ちゃんと会話をした事は無かった。
「…前の家でいろいろあったから」
「いろいろ?」
「うん。だから他人と接するのが怖いんだよ、アリアは」
「………」
本当はもっと詳しく聞きたかったが、セルセの悲しそうな顔を見たコンラートは何も聞けなくなる。
「でも、すこしずつアリアもコンラートになれてきてるから、もう少し待っててくんない?」
「…ああ、わかったよ」
セルセにそう言われたコンラートは、いつもと同じようにアリアに接した。
そんな日の夜、静かにドアが閉じる音が聞こえ、コンラートは目を覚ました。
不思議に思った彼は隣のベッドを見ると、セルセはいるのにアリアがいない事に気づく。
「(アリアがいない…?)」
コンラートはすぐにベッドから降りると、部屋の外を出てアリアを探し出す。
家の中にはどこにいなく、外へ出てみると膝を抱えてうずくまっているアリアがいたのだ。
「(…泣いてる?)」
アリアに近づいたコンラートは彼女が泣いてる事に気づく。
なんと言えばいいか分からなかったが、小さな声で『母様』と言っているのだ。
それを聞いたコンラートはハッとなる。
自分には父も母も、兄と弟もいる。
だが、双子には父も母もいないと聞いたのだ。
両親のいない気持ちが分からないコンラートは、静かにアリアに近づき彼女の頭にそっと触れる。
「!?」
驚いたアリアはコンラートを見上げる。
コンラートは何も言わずに、ただアリアの頭も撫でていた。
「…っ うえっ 母さまぁ!」
とうとう泣き出したアリアは、今まで自分の頭を撫でていたコンラートにしがみ付く。
「…アリアのお母さんじゃないけど、おれもセルセも父上もいるから」
アリアを抱きしめたまま、コンラートはそう呟いた。
しばらくして泣き止んだアリアを見てホッとしたコンラートは、部屋へ戻ろうとさとし、家の中へ戻ろうとした。
するとクンッと、自分の服を引っ張っているのが分かる。
振り向くとアリアがコンラートの服を引っ張っていたのだ。
どうしたのか聞こうとすると、アリアは小さな声で呟く。
「……コンラト…」
「!」
初めてアリアから自分の名前を言ってもらえ、コンラートは一瞬驚いたが、すぐに嬉しそうな顔になりアリアの手を握る。
「戻ろう。セルセがきっと待ってる」
「(コクン)」
小さく頷き2人は手を繋いだまま部屋へ戻ると、ベッドの上でセルセが目を覚まして座っていた。
「起きてたのか?」
「まあね。アリア、寝よう」
「うん」
セルセにそう言われたアリアは、コンラートの手を握ったままセルセのベッドの中へ入ろうとする。
「アリア?」
「?」
引っ張られたコンラートも、セルセも頭に?が飛ぶ。
「コンラトも一緒に寝るの」
そう言ってさっさとセルセの隣に寝転んだアリアに、2人はクスクスと笑い1つのベッドで3人仲良く眠った。
翌朝、それを見たダンヒーリーも微笑ましく笑っていたのだった。
fin
(2009/09/20)
(re:2017/07/02,2024/07/12)