サボる口実
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「こっちだよー!」
「もういいよー!」
「ここだよ!」
これはまだ小さかったお話。
そして、あの人達が生きていた時代…。
「お前、よくこんな場所が思いついたな」
「あら、いいじゃないですか。ここなら貴方も本が読めるんだし、会議が面倒なのでしょう?」
「…そうだな、サボる口実にはなったな」
血盟城の中庭の外れにある木のふもと、沢山の小さな木の先に隠れている2人は眞王隠しをしていたのだ。
木の近くにいるのはフォンウィンコット・スザナ=ジュリア、その後ろの壁に寄りかかっているのがアスタルテ卿セオラン。
カサ…
「!」
「?」
「ああ、その首飾りか…」
「ヴァルトラーナ」
「何だ、お前だったのか」
突然足音が聞こえ、そこへ向くとフォンビーレフェルト卿ヴァルトラーナが立っていた。
「しゃがんで、見つかっちゃうわ」
ジュリアに言われ、彼はその場にしゃがむ。
「ね、一緒にやりましょうよ」
「父上達が重要な会議を、……貴方も会議ではなかったのですか?」
ヴァルトラーナに聞かれたセオランは全くの無関心のまま。
「俺はジュリア達に誘われたから遊んでやってるだけだ」
「あら、結局そのおかげで会議をサボれたって喜んでいたじゃないですか」
「ま~な、」
「そういう事ではありません、セオラン様っ」
「あ~、相変わらずうるせぇな」
「わたし、会議って意味無いと思うの」
一々うるさいと思うセオランだったが、ジュリアは話しだす。
「一緒に走って、一緒に笑って、だから楽しいんだわ」
「!」
「だから分かり合える。だからセオラン様のお城には魔族も人間も関係無く一緒に暮らしてるですものね」
「俺の所は昔からだ」
ジュリアに言われたセオランは、相変わらず本を読んだまま話している。
「…とにかく、子どもの遊びに付き合ってなどいられない!」
「…ジュリア、こいつは負けるのが怖いんだよ」
「あら、そうなの?」
「!?」
セオランの言葉にジュリアは笑い、ヴァルトラーナはムッとなる。
「そうね、無理しなくてもいいわ。貴方が年下の者に負けたとなれば…」
「負けるはずがない!今すぐにでも参加しようではないか!」
「ヴァルトラーナ、貴方って以外と子どもなのね」
「!」
「俺から見れば2人ともまだまだ子どもだがな」
すると鬼がコッヒーの頭から離れたのを知ったジュリアは立ち上がる。
「あ、ヴァルトラーナ!行きましょ!」
「待てジュリア!お前は目が…」
目が見えない彼女を止めようとしたが、気にせず走っていくジュリアを見てセオランは笑いながら話しだす。
「平気だから行くんだろな」
「セオラン様?」
「あいつは真実を見る目を持っている」
「…貴方が会議をサボり、眞王隠しをするとは思っていませんでした」
すでにアスタルテの当主となっているセオラン。
ヴァルトラーナに言われ、セオランはどこか懐かしい感じで笑顔になる。
「ジュリアは似てるんだよな」
「似てる?」
「……アイツらに…」
「?」
そしてセオランは会議をサボった事が発覚したが、それを知った父親は笑っていた…。
fin
(2009/04/27)
(re:2017/06/17,2024/07/12)
「もういいよー!」
「ここだよ!」
これはまだ小さかったお話。
そして、あの人達が生きていた時代…。
「お前、よくこんな場所が思いついたな」
「あら、いいじゃないですか。ここなら貴方も本が読めるんだし、会議が面倒なのでしょう?」
「…そうだな、サボる口実にはなったな」
血盟城の中庭の外れにある木のふもと、沢山の小さな木の先に隠れている2人は眞王隠しをしていたのだ。
木の近くにいるのはフォンウィンコット・スザナ=ジュリア、その後ろの壁に寄りかかっているのがアスタルテ卿セオラン。
カサ…
「!」
「?」
「ああ、その首飾りか…」
「ヴァルトラーナ」
「何だ、お前だったのか」
突然足音が聞こえ、そこへ向くとフォンビーレフェルト卿ヴァルトラーナが立っていた。
「しゃがんで、見つかっちゃうわ」
ジュリアに言われ、彼はその場にしゃがむ。
「ね、一緒にやりましょうよ」
「父上達が重要な会議を、……貴方も会議ではなかったのですか?」
ヴァルトラーナに聞かれたセオランは全くの無関心のまま。
「俺はジュリア達に誘われたから遊んでやってるだけだ」
「あら、結局そのおかげで会議をサボれたって喜んでいたじゃないですか」
「ま~な、」
「そういう事ではありません、セオラン様っ」
「あ~、相変わらずうるせぇな」
「わたし、会議って意味無いと思うの」
一々うるさいと思うセオランだったが、ジュリアは話しだす。
「一緒に走って、一緒に笑って、だから楽しいんだわ」
「!」
「だから分かり合える。だからセオラン様のお城には魔族も人間も関係無く一緒に暮らしてるですものね」
「俺の所は昔からだ」
ジュリアに言われたセオランは、相変わらず本を読んだまま話している。
「…とにかく、子どもの遊びに付き合ってなどいられない!」
「…ジュリア、こいつは負けるのが怖いんだよ」
「あら、そうなの?」
「!?」
セオランの言葉にジュリアは笑い、ヴァルトラーナはムッとなる。
「そうね、無理しなくてもいいわ。貴方が年下の者に負けたとなれば…」
「負けるはずがない!今すぐにでも参加しようではないか!」
「ヴァルトラーナ、貴方って以外と子どもなのね」
「!」
「俺から見れば2人ともまだまだ子どもだがな」
すると鬼がコッヒーの頭から離れたのを知ったジュリアは立ち上がる。
「あ、ヴァルトラーナ!行きましょ!」
「待てジュリア!お前は目が…」
目が見えない彼女を止めようとしたが、気にせず走っていくジュリアを見てセオランは笑いながら話しだす。
「平気だから行くんだろな」
「セオラン様?」
「あいつは真実を見る目を持っている」
「…貴方が会議をサボり、眞王隠しをするとは思っていませんでした」
すでにアスタルテの当主となっているセオラン。
ヴァルトラーナに言われ、セオランはどこか懐かしい感じで笑顔になる。
「ジュリアは似てるんだよな」
「似てる?」
「……アイツらに…」
「?」
そしてセオランは会議をサボった事が発覚したが、それを知った父親は笑っていた…。
fin
(2009/04/27)
(re:2017/06/17,2024/07/12)