優しい企み
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「結婚式…!」
「? どうしたんだ、ユーリ」
ある日の事でした。
執務室で有利がボソッと呟いたのを聞いていたヴォルフラムは不思議そうな表情で彼を見る。
尋ねられた有利は思った事を話していく。
「そういえばさ、コンラッドとアリアは結婚式してないよね」
「そう言えばそうだったな…」
創主の時に妊娠をした事が分かり、その後も生まれるまでは小シマロンのサラレギーや聖砂国など色々な事があった。
そして半年前に無事に双子を出産した。
「確かに、コンラートとアリアは結婚式はしていませんでしたね」
有利とヴォルフラムの話を聞いていたギュンターやグウェンダルも確かにと思うだけだった。
「アリアは気にしていないだろうがな、」
「そうかもしれないけど、できないかな。2人の結婚式!」
その言葉に3人はえ?を有利を見る。
まさか有利がそんな事を言うとは思っていなかったからだ。
「だってさ、やっぱり2人にも結婚式をさせてあげたいじゃん!せっかく子ども達も生まれたしさ」
今だからこそできるよ!と、笑顔で話す有利に執務をしながらグウェンダルは話していく。
「今は落ち着いてもいる。たまにはいいのではないか?」
「兄上…?」
「…そうですね。色々と大変だった2人の為にも…」
賛成をしたグウェンダルにギュンターも微笑みながら頷いたのだ。
そんな2人の承諾を得た有利は嬉しそうに笑った。
「よし!2人の結婚式、準備を始めよー!」
おー!と自分で答える有利は、さっさと走りながら執務室から出て行った。
そんな姿を見たヴォルフラムは溜め息をつき、ギュンターはクスクス笑い、グウェンダルは呆れていた。
「相変わらず、ユーリ陛下は唐突に何かを思いつきますね」
「ま、今回は僕もユーリに賛成だ」
ヴォルフラムにとっても大切な兄と義姉でもある故に素直に協力しようと思う。
そしてギュンターも大切な教え子だった2人の子どもを無事に見る事が出来たが、結婚式を挙げていなかった事に、どこか心残りがあったのも確かだった。
「貴方にとっても、大切な弟と義妹ですしね」
「……」
微笑みながら話すギュンターに、グウェンダルはそれ以上は何も言わずに、書類へと視線を移したままだった。
「え?」
「有利?」
いつもの様に有利の執務室にいるアリアとコンラートはキョトンとした表情になる。
だが話し出した張本人である有利はニコニコと笑っている。
「だからさ、2人はいつもレンブラントとクレアの世話で大変だろ?今日、明日っておれらが2人の面倒を見とくからさ2人は少し遠出してきたら?」
「…しかし陛下…」
「仕事だってあるでしょ?」
有利の護衛でもあるコンラート、グウェンダルを補佐しているアリア。
そんな2人にとって、2日も城を空けていいのか戸惑う。
「仕事ならピリアーチェもセルセもいる。お前達も息抜きをしてきたらどうだ」
「グウェン?」
まさか彼がそんな事を言うとは思っておらず、アリアは驚きながらも隣に立っているコンラートを見上げる。
そんな様子を見ていたセルセも笑いながら話し出す。
「たまにはいいだろ?ユーリがいいって言ってんだからさ」
「セルセ…」
彼等のやり取りを見ていたコンラートは、有利達が何かをしようとしている事に思いつき、小さく笑う。
「なら、ここは陛下の言う通りにしますよ」
「え、コンラート?」
コンラートが承諾するとは思っておらず、驚くだけだった。
そんなアリアに笑うと、コンラートは彼女の肩を抱き、部屋から出て行く。
「では、今日と明日、遠出をさせて頂きます」
部屋を出て行く際に、そう話すコンラートに有利は嬉しそうに笑いながら手を振る。
「うん!行ってらっしゃい!」
「それでは、明後日には帰りますので」
「え、ちょ、コンラート?」
コンラートはアリアの方を抱いたまま、執務室から出て行く。
廊下を歩きながらアリアは不思議そうな表情で見上げるだけだった。
「本当にいいの?レンブラントとクレアを置いていくうえに、」
今でさえ書類は多くあり、そんな中で2日も血盟城から出て行けばさらに書類が溜まるであろうと不安なのだ。
だが、それを聞いてもコンラートは笑いながら話していく。
「どうやら陛下達は何かをするつもりなんだろう」
「何かって、何?」
「その何かは俺にも分からない。だが、今日明日と俺達には居てほしくはないのだろうな」
「…そういう事」
何故、有利が突然遠出をしてこいと言い出したのかが分かったアリアは溜め息をつく。
「ま、最近はずっと城の中にいたし、今回は大人しく出て行くわよ」
「それに、2人で出かけるのも久しぶりだろう」
クスリと笑うコンラートにアリアも『確かにね』と笑うだけだった。
2人はせっかく有利達がくれた休息を楽しもうと思い、血盟城から出かけた。
そして、2人が城から出て行った事を確認をしてから、有利達はさっそく結婚式の準備を開始した。
戻って来たアリアとコンラートが嬉しそうに笑う姿を思い浮かべながら。
fin
(2013/01/11)
(re:2020/03/21,2024/07/12)
「? どうしたんだ、ユーリ」
ある日の事でした。
執務室で有利がボソッと呟いたのを聞いていたヴォルフラムは不思議そうな表情で彼を見る。
尋ねられた有利は思った事を話していく。
「そういえばさ、コンラッドとアリアは結婚式してないよね」
「そう言えばそうだったな…」
創主の時に妊娠をした事が分かり、その後も生まれるまでは小シマロンのサラレギーや聖砂国など色々な事があった。
そして半年前に無事に双子を出産した。
「確かに、コンラートとアリアは結婚式はしていませんでしたね」
有利とヴォルフラムの話を聞いていたギュンターやグウェンダルも確かにと思うだけだった。
「アリアは気にしていないだろうがな、」
「そうかもしれないけど、できないかな。2人の結婚式!」
その言葉に3人はえ?を有利を見る。
まさか有利がそんな事を言うとは思っていなかったからだ。
「だってさ、やっぱり2人にも結婚式をさせてあげたいじゃん!せっかく子ども達も生まれたしさ」
今だからこそできるよ!と、笑顔で話す有利に執務をしながらグウェンダルは話していく。
「今は落ち着いてもいる。たまにはいいのではないか?」
「兄上…?」
「…そうですね。色々と大変だった2人の為にも…」
賛成をしたグウェンダルにギュンターも微笑みながら頷いたのだ。
そんな2人の承諾を得た有利は嬉しそうに笑った。
「よし!2人の結婚式、準備を始めよー!」
おー!と自分で答える有利は、さっさと走りながら執務室から出て行った。
そんな姿を見たヴォルフラムは溜め息をつき、ギュンターはクスクス笑い、グウェンダルは呆れていた。
「相変わらず、ユーリ陛下は唐突に何かを思いつきますね」
「ま、今回は僕もユーリに賛成だ」
ヴォルフラムにとっても大切な兄と義姉でもある故に素直に協力しようと思う。
そしてギュンターも大切な教え子だった2人の子どもを無事に見る事が出来たが、結婚式を挙げていなかった事に、どこか心残りがあったのも確かだった。
「貴方にとっても、大切な弟と義妹ですしね」
「……」
微笑みながら話すギュンターに、グウェンダルはそれ以上は何も言わずに、書類へと視線を移したままだった。
「え?」
「有利?」
いつもの様に有利の執務室にいるアリアとコンラートはキョトンとした表情になる。
だが話し出した張本人である有利はニコニコと笑っている。
「だからさ、2人はいつもレンブラントとクレアの世話で大変だろ?今日、明日っておれらが2人の面倒を見とくからさ2人は少し遠出してきたら?」
「…しかし陛下…」
「仕事だってあるでしょ?」
有利の護衛でもあるコンラート、グウェンダルを補佐しているアリア。
そんな2人にとって、2日も城を空けていいのか戸惑う。
「仕事ならピリアーチェもセルセもいる。お前達も息抜きをしてきたらどうだ」
「グウェン?」
まさか彼がそんな事を言うとは思っておらず、アリアは驚きながらも隣に立っているコンラートを見上げる。
そんな様子を見ていたセルセも笑いながら話し出す。
「たまにはいいだろ?ユーリがいいって言ってんだからさ」
「セルセ…」
彼等のやり取りを見ていたコンラートは、有利達が何かをしようとしている事に思いつき、小さく笑う。
「なら、ここは陛下の言う通りにしますよ」
「え、コンラート?」
コンラートが承諾するとは思っておらず、驚くだけだった。
そんなアリアに笑うと、コンラートは彼女の肩を抱き、部屋から出て行く。
「では、今日と明日、遠出をさせて頂きます」
部屋を出て行く際に、そう話すコンラートに有利は嬉しそうに笑いながら手を振る。
「うん!行ってらっしゃい!」
「それでは、明後日には帰りますので」
「え、ちょ、コンラート?」
コンラートはアリアの方を抱いたまま、執務室から出て行く。
廊下を歩きながらアリアは不思議そうな表情で見上げるだけだった。
「本当にいいの?レンブラントとクレアを置いていくうえに、」
今でさえ書類は多くあり、そんな中で2日も血盟城から出て行けばさらに書類が溜まるであろうと不安なのだ。
だが、それを聞いてもコンラートは笑いながら話していく。
「どうやら陛下達は何かをするつもりなんだろう」
「何かって、何?」
「その何かは俺にも分からない。だが、今日明日と俺達には居てほしくはないのだろうな」
「…そういう事」
何故、有利が突然遠出をしてこいと言い出したのかが分かったアリアは溜め息をつく。
「ま、最近はずっと城の中にいたし、今回は大人しく出て行くわよ」
「それに、2人で出かけるのも久しぶりだろう」
クスリと笑うコンラートにアリアも『確かにね』と笑うだけだった。
2人はせっかく有利達がくれた休息を楽しもうと思い、血盟城から出かけた。
そして、2人が城から出て行った事を確認をしてから、有利達はさっそく結婚式の準備を開始した。
戻って来たアリアとコンラートが嬉しそうに笑う姿を思い浮かべながら。
fin
(2013/01/11)
(re:2020/03/21,2024/07/12)