潜入捜査
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無事にフランシアから戻ってきた日の夜。
有利とヴォルフラムが眠った後、グウェンダルの執務室ではいつものメンバー以外にヨザックとヒューブも居たのだ。
「では、噂は真実なのだな?ヒューブ」
ヒューブは頷く。
ヒューブとヨザックが捜査してきたのは、大シマロンの新しい情報でもあるのだ。
「はい。既に国王ベラールは強制的に退位させられ、甥のランジール2世が即位すると」
「随分突然ですね」
「仕方無いんじゃないんですか~?ベラールは色々ヘマやらかしてますから」
「確かにな」
2人が手に入れた情報はベラールが退位し、新しい者が国王になるという。
この突然すぎる流れにどこか疑問を持つところが多い。
「最近では支配下に置いたはずの国々にも反抗されていて、ベラールにもはや統治は無理だと判断されたようです」
「それで、新しい王はどんな人物だ?」
「それがどうもきな臭い話が聞こえてくるんですよ~」
「と言うと?」
いったいどんな話なのか、双子も首を傾げる。
「後継者候補は他にもいたんですがね、なぜか次々に失脚やら事故やらで、」
「ランジールが残ったから王になったって事?」
ヨザックの説明の付け足しの様に、もしかしたらと思いアリアがそう話すと、それに同意したのかギュンターも可能性を話す。
「それはランジールが?」
「何か秘密の組織を使って邪魔者を排除しているらしいと、」
するとヨザックは含み笑いをする。
「それがまた驚いた事に、各地を荒らしている宝剣泥棒とも関係が」
宝剣泥棒という言葉にコンラートだけでなく、双子も驚く。
「調べる必要がありそうだな」
「それじゃさっそく、俺が大シマロンへ行って調べてきますよ」
「俺も行く」
「え?」
「おい?」
「コンラート…」
まさかコンラートが自分から行くと言うとは思っていなかった双子とグウェンダルは驚いて彼を見る。
だがコンラートは真剣な顔でグウェンダルを見ると、彼もコンラートの考えに気づいたのか目を閉じる。
「…分かった。だが、無茶はするなよ」
「ああ」
弟を心配しているグウェンダルにコンラートは小さく笑って頷く。
それを聞いていたセルセも笑いながら話す。
「じゃ、俺も行こっかな」
「セルセ?」
セルセまでもが行くと言い出し、アリアは見上げる。
「俺も気になるし。親衛軍はリュイがいるから平気だろ、な?」
笑いながらセルセはグウェンダルを見ると、彼は小さく溜め息をつく。
「ああ」
「サンキュ」
グウェンダルから許しを貰ったセルセにアリアも口を尖らせる。
「いいな、私も行きたかったのに…」
「お前は妊娠中なんだから無理に決まってるだろ」
「だからってセルセもコンラートも行くのがズルイ」
いつなら自分も一緒に行けるのに、と心の中で拗ねていると、突然ドアが開く。
「それ、」
驚いてドアの方を見ると健が立っていた。
「猊下」
「健、どうしたの?」
「僕も連れて行ってもらおうかな」
そう言い出したのだ。
「猊下もご一緒に?」
まさか健までもが一緒に行きたいと言い出した事に驚く。
「それと、アリアも一緒に連れてくから」
「え?」
『え?』
アリアだけでなくセルセ達も驚くが、そんな彼らの顔を見て健は笑う。
「やっぱ男だけじゃむさ苦しいし、華が欲しいしねぇ。それにアリアだって行きたいんでしょ?」
「え、あ、うん…」
「だったら決まりだ」
猊下と呼ばれている彼だからこそ、誰も文句を言えずに、アリアと健も一緒に行く事になったのだった。
『渋谷へvv
ちょっと旅に出ます。
こっちには色々と思い出の地があるので、訪ねて歩くつもり。
ウェラー卿とセルセが、その辺りの地理に詳しいというので、護衛もかねて連れて行きます。
アリアだっていっつも城の中じゃストレスが溜まって体にも悪いので、彼女の心身共にリラックスしてもらう為一緒に行く事にしました。
君の唯一の親友、村田より。
追伸、お土産お楽しみに』
という置手紙を有利に置いてきた健達は、大シマロンに向かう途中の船で海を眺めていた。
「今頃渋谷、怒ってるかもね」
「ハハ、そうでしょうね」
「自分に行きたかったのに、って言ってるんじゃないの?」
「ユーリなら絶対に言いそうだよな」
血盟城にいる有利が、自分達だけで旅に出たという事を知ればきっと行きたかったと言っているに違いない。
そんな有利を思い出しながらアリア達は笑う。
「しかし、こんな無茶は貴方らしくないのでは?」
「確かにね」
「調査なら俺達に任せておけばいいはずなのに、」
コンラートと双子の問いに健は小さく笑う。
「うん。でも僕は、自分が蒔いた種は自分で刈り取る事にしてるんだ」
どこか遠い記憶を思い出しているのか、静かにそう話す健に3人は何も言わずに、ただ彼を不思議そうに見るだけだった。
すると何かを持ってヨザックは4人に近づいて来る。
「次の港で船を乗り換えます。その前にこれを」
「ええ?またぁ?」
「猊下のお姿はこっそり潜入するには向きませんから」
そう言って渡したのは髪の毛を隠すストールと、瞳の色を隠すサングラスだった。
「また染めてくれば良かったな~」
「仕方無いって、双黒は目立つんだから」
自分の髪の毛を触っている健にアリアは苦笑するが、ヨザックも同じ様に笑いもう1つ見せる。
「アリアにももちろんあるぞ?」
「げっ」
「お前の髪の色も目立つからな~。瞳はまだしも」
私もかい!と思ったアリアだが、仕方無いという事でそれを受け取る。
大シマロンに到着すると、ヨザックが色々と聞きに行っている間、アリア達はある宿屋で待っている事になった。
健はイスに座り本を読んでいる。
「アリア、大丈夫か?」
「平気」
アリアは船旅でさすがに疲れているという事でソファに横になっている。
「やっぱり昨日今日で船に乗り続けてからかな?ちょっとだけ気分が悪くなっただけだから…」
「ならいいが、ヴォルほどじゃなくて安心した」
「あそこまではならないってば。元々船酔いする体質じゃないし、」
コンラートは窓から街の様子を見ていたが、外からアリアを見ると彼女の近づき頬に触れる。
「やっぱり血盟城にいた方が良かったか?」
「私が行きたいって言ったようなもんなんだから。それに、安定期に一応入ったから大丈夫」
ね、と心配かけないように笑って答えると、ドアからノックの音が聞こえるヨザックが入ってくる。
「お待たせしました」
「何か収穫はあったかい?ヨザック」
「ええ、もちろん。特大のネタを仕入れてきましたよ、猊下」
そう言ってヨザックは仕入れてきた情報を話し出したのだ。
有利とヴォルフラムが眠った後、グウェンダルの執務室ではいつものメンバー以外にヨザックとヒューブも居たのだ。
「では、噂は真実なのだな?ヒューブ」
ヒューブは頷く。
ヒューブとヨザックが捜査してきたのは、大シマロンの新しい情報でもあるのだ。
「はい。既に国王ベラールは強制的に退位させられ、甥のランジール2世が即位すると」
「随分突然ですね」
「仕方無いんじゃないんですか~?ベラールは色々ヘマやらかしてますから」
「確かにな」
2人が手に入れた情報はベラールが退位し、新しい者が国王になるという。
この突然すぎる流れにどこか疑問を持つところが多い。
「最近では支配下に置いたはずの国々にも反抗されていて、ベラールにもはや統治は無理だと判断されたようです」
「それで、新しい王はどんな人物だ?」
「それがどうもきな臭い話が聞こえてくるんですよ~」
「と言うと?」
いったいどんな話なのか、双子も首を傾げる。
「後継者候補は他にもいたんですがね、なぜか次々に失脚やら事故やらで、」
「ランジールが残ったから王になったって事?」
ヨザックの説明の付け足しの様に、もしかしたらと思いアリアがそう話すと、それに同意したのかギュンターも可能性を話す。
「それはランジールが?」
「何か秘密の組織を使って邪魔者を排除しているらしいと、」
するとヨザックは含み笑いをする。
「それがまた驚いた事に、各地を荒らしている宝剣泥棒とも関係が」
宝剣泥棒という言葉にコンラートだけでなく、双子も驚く。
「調べる必要がありそうだな」
「それじゃさっそく、俺が大シマロンへ行って調べてきますよ」
「俺も行く」
「え?」
「おい?」
「コンラート…」
まさかコンラートが自分から行くと言うとは思っていなかった双子とグウェンダルは驚いて彼を見る。
だがコンラートは真剣な顔でグウェンダルを見ると、彼もコンラートの考えに気づいたのか目を閉じる。
「…分かった。だが、無茶はするなよ」
「ああ」
弟を心配しているグウェンダルにコンラートは小さく笑って頷く。
それを聞いていたセルセも笑いながら話す。
「じゃ、俺も行こっかな」
「セルセ?」
セルセまでもが行くと言い出し、アリアは見上げる。
「俺も気になるし。親衛軍はリュイがいるから平気だろ、な?」
笑いながらセルセはグウェンダルを見ると、彼は小さく溜め息をつく。
「ああ」
「サンキュ」
グウェンダルから許しを貰ったセルセにアリアも口を尖らせる。
「いいな、私も行きたかったのに…」
「お前は妊娠中なんだから無理に決まってるだろ」
「だからってセルセもコンラートも行くのがズルイ」
いつなら自分も一緒に行けるのに、と心の中で拗ねていると、突然ドアが開く。
「それ、」
驚いてドアの方を見ると健が立っていた。
「猊下」
「健、どうしたの?」
「僕も連れて行ってもらおうかな」
そう言い出したのだ。
「猊下もご一緒に?」
まさか健までもが一緒に行きたいと言い出した事に驚く。
「それと、アリアも一緒に連れてくから」
「え?」
『え?』
アリアだけでなくセルセ達も驚くが、そんな彼らの顔を見て健は笑う。
「やっぱ男だけじゃむさ苦しいし、華が欲しいしねぇ。それにアリアだって行きたいんでしょ?」
「え、あ、うん…」
「だったら決まりだ」
猊下と呼ばれている彼だからこそ、誰も文句を言えずに、アリアと健も一緒に行く事になったのだった。
『渋谷へvv
ちょっと旅に出ます。
こっちには色々と思い出の地があるので、訪ねて歩くつもり。
ウェラー卿とセルセが、その辺りの地理に詳しいというので、護衛もかねて連れて行きます。
アリアだっていっつも城の中じゃストレスが溜まって体にも悪いので、彼女の心身共にリラックスしてもらう為一緒に行く事にしました。
君の唯一の親友、村田より。
追伸、お土産お楽しみに』
という置手紙を有利に置いてきた健達は、大シマロンに向かう途中の船で海を眺めていた。
「今頃渋谷、怒ってるかもね」
「ハハ、そうでしょうね」
「自分に行きたかったのに、って言ってるんじゃないの?」
「ユーリなら絶対に言いそうだよな」
血盟城にいる有利が、自分達だけで旅に出たという事を知ればきっと行きたかったと言っているに違いない。
そんな有利を思い出しながらアリア達は笑う。
「しかし、こんな無茶は貴方らしくないのでは?」
「確かにね」
「調査なら俺達に任せておけばいいはずなのに、」
コンラートと双子の問いに健は小さく笑う。
「うん。でも僕は、自分が蒔いた種は自分で刈り取る事にしてるんだ」
どこか遠い記憶を思い出しているのか、静かにそう話す健に3人は何も言わずに、ただ彼を不思議そうに見るだけだった。
すると何かを持ってヨザックは4人に近づいて来る。
「次の港で船を乗り換えます。その前にこれを」
「ええ?またぁ?」
「猊下のお姿はこっそり潜入するには向きませんから」
そう言って渡したのは髪の毛を隠すストールと、瞳の色を隠すサングラスだった。
「また染めてくれば良かったな~」
「仕方無いって、双黒は目立つんだから」
自分の髪の毛を触っている健にアリアは苦笑するが、ヨザックも同じ様に笑いもう1つ見せる。
「アリアにももちろんあるぞ?」
「げっ」
「お前の髪の色も目立つからな~。瞳はまだしも」
私もかい!と思ったアリアだが、仕方無いという事でそれを受け取る。
大シマロンに到着すると、ヨザックが色々と聞きに行っている間、アリア達はある宿屋で待っている事になった。
健はイスに座り本を読んでいる。
「アリア、大丈夫か?」
「平気」
アリアは船旅でさすがに疲れているという事でソファに横になっている。
「やっぱり昨日今日で船に乗り続けてからかな?ちょっとだけ気分が悪くなっただけだから…」
「ならいいが、ヴォルほどじゃなくて安心した」
「あそこまではならないってば。元々船酔いする体質じゃないし、」
コンラートは窓から街の様子を見ていたが、外からアリアを見ると彼女の近づき頬に触れる。
「やっぱり血盟城にいた方が良かったか?」
「私が行きたいって言ったようなもんなんだから。それに、安定期に一応入ったから大丈夫」
ね、と心配かけないように笑って答えると、ドアからノックの音が聞こえるヨザックが入ってくる。
「お待たせしました」
「何か収穫はあったかい?ヨザック」
「ええ、もちろん。特大のネタを仕入れてきましたよ、猊下」
そう言ってヨザックは仕入れてきた情報を話し出したのだ。