盗まれた宝剣
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ある日、フランシア王国から親書が届いたのだ。
「というわけで、アントワーヌがライラとの結婚式におれを招待したいって」
フランシア王国から来た親書の内容は、国王アントワーヌとライラの結婚式という事だったのだ。
「期日も迫ってることだし、早速出発しよう!いいよね?グウェンダル」
「眞魔国派同盟の結束の強化は我が国の重要な方針の1つだ」
「出発は明日の早朝!遅れないでね、皆!」
そう言うと有利はイスから立ち上がり笑いながら階段を下りていく。
「一緒に行くメンバーは皆で決めておいて。あ、おれは贈り物考えなくちゃ!そうだ!アリアも一緒に!」
「え?私も?」
有利はアリアの腕を掴むと、そのまま部屋から出て行ってしまったのだ。
それを見ていたセルセ達は相変わらずだと呆れるだけ。
「まったく、能天気な奴だ」
「あのライラとお似合いの2人という事か」
「しかし、よく決心したね」
「ああ、確かにな」
フランシアの法律を知っている彼らだからこそ、ライラが結婚を決心した事に内心少し驚いているのも確かだったのだ。
するとギュンターは笑いながら、彼らに話しかける。
「ではさっそく、陛下に随行する者の人選を行いましょ!」
そう笑顔で聞いたのだたが…。
翌朝になり、有利達はさっそくフランシアへ向かった。
「へ~~か~~っ!無事のご帰還をお待ちしておりま~~す!」
相変わらずの居残りはギュンターだった。
フランシアへ行くメンバーは有利、健、双子、コンラート、ヴォルフラム、グウェンダル、そしてエーフェの8人となったのだった。
港へ付くとさっそく船に乗りフランシアへ向かう。
「本当にわたくしもお供して宜しいでしょうか?」
今回初めて一緒に行く事になったエーフェは少しばかり戸惑っていた。
有利達が行く事になった旅に本当に自分も一緒に行っていいのかと。
「もちろん!おれが考え抜いたお土産には、どうしてもアリアとエーフェが必要なんだから。宜しく頼むよ」
「はい!」
相変わらずの船酔いに苦しむヴォルフラムは、船から顔を出している。
「しかし、ウッ、ギュンター、残念そうだったな…」
「仕方あるまい。我々がいない間、眞魔国を守るという仕事があるのだからな」
「ま、ピリアとリュイがいるんだし、大丈夫だと思うけどな」
もし彼が泣いている所為で仕事が出来なくても、一緒にいるピリアーチェとリュイがいるからこそ安心だと思っている。
「陛下、旅の間モルギフから目を離さないで下さいね」
「なんで?コイツ1人で勝手に動き回るようになっちゃったとか?」
独りでに勝手に動くモルギフを想像した有利はゲッと嫌な顔になる。
「気持ち悪い…」
同じ様に想像したのか、アリアも苦笑しながらその理由を説明する。
「最近、近隣諸国で宝剣の盗難が続いてるんだって」
「それって、宝剣専門の盗賊団とか何か?」
「詳しくは分かりませんが、用心に越した事はありません」
念の為という事なのだろう。
いくらコンラート達が側にいるからと言って、モルギフを守る事は忘れてしまいそうだからだ。
そして船は着々と進んで行き、無事にフランシア王国に到着した彼らは王宮の一室で待っていた。
アントワーヌと会えるまで双子とコンラートは窓の外を眺めていた。
「いつまで待たせる気だ!我々は遥々、」
「待て、ヴォルフラム」
王室に入ってからしばらく経つのに、まだ案内されない事にヴォルフラムはイライラしてきていたのだ。
「この城の様子、ただ事ではない」
「うん。国王の婚姻に華やいでいるというよりは、むしろ…」
城の様子に気づいていた健も、コンラートと同じ事を思っていたが、突然ドアが開くと1人の兵が立っておりアントワーヌがいる所までようやく案内される事になった。
「ユーリ陛下」
「アントワーヌ、久しぶり!」
有利を見たアントワーヌはイスから立ち上がると、有利の側まで歩き出してお互いが握手をする。
「またお会いできて光栄です」
「おれもだよ。それも、こんな形で会えるなんて最高だよね!結婚おめでとう!」
「……ありがとう、ユーリ陛下…」
結婚に喜んでいると思っていたが、アントワーヌはどこか悲しそうに笑う姿を見た有利は不思議に思う。
「アントワーヌ陛下、この城の様子は只事とも思えませんが」
「…実は、」
アントワーヌはこの城で何が起こったのかを話し始めた。
「大地の剣?」
「はい。我が国に代々伝わる国宝。大地の剣は国王の婚姻の儀には欠かせぬ品、その大地の剣が、」
説明している兵が言い憎そうにしていると、アントワーヌはイスから立ち上がる。
「無いんだよ!どこを探しても見つからないんだ!」
「盗まれてしまったのです」
まさか、その国宝が盗まれるとは思っておらず、有利達は驚く。
「例の盗賊団か?でもそれじゃ…!」
「大地の剣が無いと、婚姻の儀は行えない。僕はライラと結婚できないって事なんだ…!」
そんな事が起こってしまったと信じられないでいると、ドアが開き1人の女性が入って来る。
「ライラ!」
部屋に入ってきたのはウエディングドレスを身にまとったライラだった。
「お久しぶりでございます、ユーリ陛下。そしてコンラート閣下にアリアまで、」
「久しぶりね」
「おめでとう、ライラ」
ライラは軽く頭を下げる。
「皆様も、ようこそいらっしゃいました」
有利は彼女に心配かけないように励ます。
「大丈夫。絶対に見つかるよ。もしかしたらさ、宝物庫の中の信楽焼きの狸の後ろに倒れてたとか」
「そんな事あるか!だいたいなんだ!そのしが、ら、…というのは!」
「狸の形をした焼き物のような物よ」
信楽焼きの狸を知らないヴォルフラムにアリアは苦笑しながら説明した。
笑っているがどこか小さく溜め息をつくライラを見て、有利とヴォルフラム以外は心配そうに見ていたのだ。
「というわけで、アントワーヌがライラとの結婚式におれを招待したいって」
フランシア王国から来た親書の内容は、国王アントワーヌとライラの結婚式という事だったのだ。
「期日も迫ってることだし、早速出発しよう!いいよね?グウェンダル」
「眞魔国派同盟の結束の強化は我が国の重要な方針の1つだ」
「出発は明日の早朝!遅れないでね、皆!」
そう言うと有利はイスから立ち上がり笑いながら階段を下りていく。
「一緒に行くメンバーは皆で決めておいて。あ、おれは贈り物考えなくちゃ!そうだ!アリアも一緒に!」
「え?私も?」
有利はアリアの腕を掴むと、そのまま部屋から出て行ってしまったのだ。
それを見ていたセルセ達は相変わらずだと呆れるだけ。
「まったく、能天気な奴だ」
「あのライラとお似合いの2人という事か」
「しかし、よく決心したね」
「ああ、確かにな」
フランシアの法律を知っている彼らだからこそ、ライラが結婚を決心した事に内心少し驚いているのも確かだったのだ。
するとギュンターは笑いながら、彼らに話しかける。
「ではさっそく、陛下に随行する者の人選を行いましょ!」
そう笑顔で聞いたのだたが…。
翌朝になり、有利達はさっそくフランシアへ向かった。
「へ~~か~~っ!無事のご帰還をお待ちしておりま~~す!」
相変わらずの居残りはギュンターだった。
フランシアへ行くメンバーは有利、健、双子、コンラート、ヴォルフラム、グウェンダル、そしてエーフェの8人となったのだった。
港へ付くとさっそく船に乗りフランシアへ向かう。
「本当にわたくしもお供して宜しいでしょうか?」
今回初めて一緒に行く事になったエーフェは少しばかり戸惑っていた。
有利達が行く事になった旅に本当に自分も一緒に行っていいのかと。
「もちろん!おれが考え抜いたお土産には、どうしてもアリアとエーフェが必要なんだから。宜しく頼むよ」
「はい!」
相変わらずの船酔いに苦しむヴォルフラムは、船から顔を出している。
「しかし、ウッ、ギュンター、残念そうだったな…」
「仕方あるまい。我々がいない間、眞魔国を守るという仕事があるのだからな」
「ま、ピリアとリュイがいるんだし、大丈夫だと思うけどな」
もし彼が泣いている所為で仕事が出来なくても、一緒にいるピリアーチェとリュイがいるからこそ安心だと思っている。
「陛下、旅の間モルギフから目を離さないで下さいね」
「なんで?コイツ1人で勝手に動き回るようになっちゃったとか?」
独りでに勝手に動くモルギフを想像した有利はゲッと嫌な顔になる。
「気持ち悪い…」
同じ様に想像したのか、アリアも苦笑しながらその理由を説明する。
「最近、近隣諸国で宝剣の盗難が続いてるんだって」
「それって、宝剣専門の盗賊団とか何か?」
「詳しくは分かりませんが、用心に越した事はありません」
念の為という事なのだろう。
いくらコンラート達が側にいるからと言って、モルギフを守る事は忘れてしまいそうだからだ。
そして船は着々と進んで行き、無事にフランシア王国に到着した彼らは王宮の一室で待っていた。
アントワーヌと会えるまで双子とコンラートは窓の外を眺めていた。
「いつまで待たせる気だ!我々は遥々、」
「待て、ヴォルフラム」
王室に入ってからしばらく経つのに、まだ案内されない事にヴォルフラムはイライラしてきていたのだ。
「この城の様子、ただ事ではない」
「うん。国王の婚姻に華やいでいるというよりは、むしろ…」
城の様子に気づいていた健も、コンラートと同じ事を思っていたが、突然ドアが開くと1人の兵が立っておりアントワーヌがいる所までようやく案内される事になった。
「ユーリ陛下」
「アントワーヌ、久しぶり!」
有利を見たアントワーヌはイスから立ち上がると、有利の側まで歩き出してお互いが握手をする。
「またお会いできて光栄です」
「おれもだよ。それも、こんな形で会えるなんて最高だよね!結婚おめでとう!」
「……ありがとう、ユーリ陛下…」
結婚に喜んでいると思っていたが、アントワーヌはどこか悲しそうに笑う姿を見た有利は不思議に思う。
「アントワーヌ陛下、この城の様子は只事とも思えませんが」
「…実は、」
アントワーヌはこの城で何が起こったのかを話し始めた。
「大地の剣?」
「はい。我が国に代々伝わる国宝。大地の剣は国王の婚姻の儀には欠かせぬ品、その大地の剣が、」
説明している兵が言い憎そうにしていると、アントワーヌはイスから立ち上がる。
「無いんだよ!どこを探しても見つからないんだ!」
「盗まれてしまったのです」
まさか、その国宝が盗まれるとは思っておらず、有利達は驚く。
「例の盗賊団か?でもそれじゃ…!」
「大地の剣が無いと、婚姻の儀は行えない。僕はライラと結婚できないって事なんだ…!」
そんな事が起こってしまったと信じられないでいると、ドアが開き1人の女性が入って来る。
「ライラ!」
部屋に入ってきたのはウエディングドレスを身にまとったライラだった。
「お久しぶりでございます、ユーリ陛下。そしてコンラート閣下にアリアまで、」
「久しぶりね」
「おめでとう、ライラ」
ライラは軽く頭を下げる。
「皆様も、ようこそいらっしゃいました」
有利は彼女に心配かけないように励ます。
「大丈夫。絶対に見つかるよ。もしかしたらさ、宝物庫の中の信楽焼きの狸の後ろに倒れてたとか」
「そんな事あるか!だいたいなんだ!そのしが、ら、…というのは!」
「狸の形をした焼き物のような物よ」
信楽焼きの狸を知らないヴォルフラムにアリアは苦笑しながら説明した。
笑っているがどこか小さく溜め息をつくライラを見て、有利とヴォルフラム以外は心配そうに見ていたのだ。